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入学式前日①

 F高校は全寮制です。とは言っても厳しい規則なんかは全くないみたいです。なんでも学校の掲げる校訓が「自由・自立・自律」らしくて。生徒の権利だとか自由だとかを尊重してるとか。


 ここまでほとんど伝聞系なのは叔父さんに聞いたことの受け売りだからです。学校のパンフレットとかホームページとかは見てません。だって叔父さんの母校ですから。見なくても素晴らしいのは分かってます。

 

 今、僕は車の助手席です。お父さんが運転しています。実家から学校まではそれほど遠くありませんが、寮に持ち込む荷物があるので。


「信太郎ももう高校生か……」


 運転席のお父さんが言います。しみじみー。


「全寮制だけど大丈夫か?」


 心外です。もう高校生になるんですから。子供ではないんです。1人でも生きてけます。


「大丈夫だにょっ!」


「…………そうか……」


 噛みました。噛んだうえにスルーされました。これでは大丈夫ではないみたいです。大丈夫なのに。このままではまずいので複雑な表情を浮かべながら運転してるお父さんに対してフォローをすることにします。


「いや、でもほら。叔父さんの母校なんだから。大丈夫でしょ」


「……それが心配なんだけどなあ」


 ぼそっと言いましたが僕には聞こえてます。隣にいるんですから。


「なんで?叔父さんはすごい人じゃん。アメリカの大統領と友達なんでしょ?」


「それが嘘じゃないならな。」


 叔父さんに失礼です。僕はむっとなって言い返そうとしましたが、どうせいつもと同じように押し問答になるだけですからやめておきます。目ヂカラで抗議はしますが。じーーー。


 お父さんは僕のほうを見ると(脇見運転です。危ないからやめてほしいです)ため息をつきました。


「まあ、俺や志乃さんの反対を押し切る程度には強いからな、信太郎は。大丈夫か。」


 志乃さんとは奥さん、つまり僕のお母さんのことです。それにしても勝手に心配されて勝手に大丈夫認定されました。なんか不満です。なら最初から大丈夫かなんて聞かないで欲しいです。


 そんなこんなしてるうちにF高校門前に車が止まりました。寮は校舎とは違う敷地にあるので今日はこっちには用事はないはずでは?


 不思議そうにお父さんを見ると


「寮に行く前に学校の中でも見とくか?」


と、親指で校舎をぴっとしました。


 全く異論はないけど、ぴっはダサいよお父さん。

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