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57回目 戦争再開、あるいは第三次世界大戦 3

 イギリス本国の方も似たようなものだった。

 空軍による航空攻撃に始まり、空からの艦船への攻撃。

 電波妨害による無線通信・電探の無効化。

 これらにより、イギリスの防衛体制のほとんどが崩壊した。

 イギリス海軍も空軍もほぼ壊滅。

 上陸を阻むものはほぼ消えた。



 それを見てイギリスへの上陸を開始。

 大型の戦闘車両などは専用の揚陸艦や輸送船で。

 兵士などは、それこそオランダやフランスなどの海岸からモーターボートなどで上陸すらした。

 互いの距離が短いから出来る方法だ。



 こうしてオーストリア軍はイギリス本土の攻略を開始。

 上陸した部隊は首都ロンドンへと向かっていく。

 上陸前の空爆でイギリス側の地上部隊も損害を受けている。

 抵抗は少なく、侵攻は意外なほど円滑に進んでいく。

 もちろん、戦闘が全く無いともいかない。

 時折遭遇するイギリス軍との戦闘は発生する。

 その度に銃を撃ちあい、擲弾筒や迫撃砲を使っていく。

 これが戦闘車両なら、戦車砲や機関砲も用いていく。

 それらによって、イギリス側の攻撃はすぐにやんでいった。



 イギリス攻略自体は進んでいく。

 全土の空爆と、それに続く陸軍の前進。

 圧倒的な戦力による執拗な攻撃。

 それは全てを灰にするのに十分なものだった。



 イギリスもある程度は覚悟していた。

 その為、国王を始めとした主要人物はアメリカへと既に避難。

 亡命政府を樹立している。

 そしてイギリス本土は戦火の中に沈んでいく。

 各地で抵抗するイギリス軍だが、それらも次々に上陸してくるオーストリア軍によって追い詰められていく。



 その勢いに負けて降伏する部隊も出て来たが。

 オーストリア軍は降伏を拒否。

 これにより、双方、どちらかが消えるまで戦い続ける事になる。

 全ての戦闘が終わったのは、イギリス軍がイギリス本土から消えた時だった。



 そして、イギリスへの攻撃はイギリス本土だけで行われていたわけではない。

 アフリカに残るイギリス植民地でも戦闘は開始されていく。

 こちらはエチオピアとトルコが主導していった。

 また、あまりにも広範囲になるので、インドなどの人口の多い国などから増援が呼ばれた。



 南下を始めたエチオピアとトルコ。

 それらは一瞬にして南アフリカまで進軍していく。

 行く先々で独立運動を発生させ、それらに武器を提供。

 現地のイギリス軍との戦闘を始めていったせいだ。

 おかげでエチオピアとトルコの軍が到着すると数で押し流せる。

 更にインド軍なども大量に動員され、抵抗するイギリス軍を包囲殲滅していく。



 イギリス軍は撤退に撤退を重ね、南アフリカへ。

 そこに立てこもって反撃をこころみる。

 しかし、その南アフリカで独立運動が発生。

 運動は戦争になり、国内を分裂させていく。

 そこにエチオピア・トルコが突入。

 更に、民衆に武器を渡していく。

 武器を手にした民衆は、足早にイギリス軍へと向かっていく。

 その勢いにのまれ、アフリカに残った最後のイギリス軍が壊滅した。



 そして、制圧したイギリス本土とアフリカ。

 イギリス本土は、今回の戦争に参加してなかったアイルランドに割譲。

 アフリカは各地の部族に割譲、当面は保護領としていく事となった。



 これにより、ユーラシア・アフリカから日本勢力圏の敵は消えた。

 あとは、北アメリカとオーストラリア・ニュージーランドだけとなる。



 オーストラリアとニュージーランドには、東南アジア方面の軍が連合となって向かう事になっている。

 これらの合同軍による海軍は南下を開始。

 上陸部隊を引き連れてオーストラリアへと向かった。

 先のフィリピン上陸作戦で海軍艦艇を失ってたオーストラリアは、これを止める事が出来ない。

 近海まで彼らの接近を許すしかなかった。



 そして、オーストラリア北西に第一陣が上陸。

 特に抵抗を受けることもなく橋頭堡を確保。

 そこをオーストラリア攻略の拠点としていく。

 その後、続々と陸軍・空軍が到着していく。



 オーストラリアはそれらを相手に持久戦の構えをとっていく。

 広大なオーストラリアの全てを守りきる事は出来ない。

 なので、広大な国土を舞台に、機動戦・遊撃戦を仕掛けるつもりでいた。

 そうでなければ、膨大な敵とは戦えない。

 人口が少ないオーストラリアの軍は、アジア連合の軍勢よりも少ないのだ。

 真っ正面からぶつかるわけにはいかない。



 しかし、ゲリラ的に展開しようにも、頻繁に飛ぶ航空機の偵察でその位置が露見する。

 更に言えば、人工衛星からの偵察もある。

 この時代の衛星写真はまだ精度が低いので、そこまで効果はないのだが。

 それでも航空偵察と合わせて効果を発揮していく。



 そして、大軍を用いた大きな包囲網。

 それはオーストラリア軍の行動範囲を狭めていく。

 突破を図ろうにも、分厚い陣形を突破する事は難しい。

 仮に突破しても、その先には更に別の部隊が待ち構えている。

 それが終わっても次がまだいる。

 機動戦をやろうにも、こうも相手が多くてはどうにもならない。

 すりつぶされるのがオチである。



 迫るアジア連合。

 オーストラリア軍はこれに押し込まれていく。

 各所の防衛陣地はことごとく破壊されていく。

 それでも多少の損害をアジア連合に与えてもいくが。

 その損害は小さなもので、敵の出鼻をくじくことすら出来なかった。



 結局オーストラリア軍も首都まで追い込まれ。

 そこで最後の抵抗をする羽目になる。

 もちろん、首脳部はアメリカに撤退して亡命政府を樹立した。

 ニュージーランドも同じような道を辿った。



 その後、オーストラリアとニュージーランドは先住民のアボリジニに渡され。

 アジア連合はここを中継地にしてアメリカへと向かう事になる。

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