54回目 冷戦下でやっていく事 3
世界初の宇宙ロケット開発。
世界初の人工衛星打ち上げ。
世界初の衛星通信の成功。
世界初の軍事偵察衛星の設置。
1952年のロケット打ち上げに始まり、立て続けにこれだけの事を成功させる。
まだまだ実用段階には少し遠いが。
もう少し研究を進めれば、効果を発揮するようになる。
また、これだけの事が出来るのだ。
様々な研究開発も完了している。
戦闘機はレーダーも誘導弾も搭載している。
戦車は既に戦後第二世代に突入。
その性能の一部は第三世代に匹敵する。
艦船の方も各種探知機も各種ミサイルも揃っている。
自動化も進んでるおかげで、搭乗員も減ってそれが軍の負担を減らしてもいる。
イギリスとアメリカの研究はここまで進んではいない。
彼らは史実とほぼ同じ段階。
兵器でいうなら戦後の第一世代のあたりだ。
一部に、第二世代が顔を見せるかどうかである。
配備している兵器の大半は第一世代。
「やるか」
決断をする。
これならどうにかなるだろうと。
軍の規模だけではない。
質においても敵を上回っている。
これなら確実に勝てる。
そう踏んで、行動を開始していく。
勢力圏や友好国に打診していく。
長らく止まっていた戦闘を再開すると。
その為に、各国の軍を動員。
アメリカへ向けて侵攻を開始する。
即座に各国が動き出していく。
オーストリアはイギリスに向けて。
トルコはその後援。
ならびに、エチオピアの援護。
エチオピアは援助や同盟軍と共に南下の準備。
フィリピン・インドネシアはオーストラリアからの攻撃を警戒。
満洲はベーリング海峡方面に陸軍を。
そして日本は、侵攻部隊の先鋒と中核を担う。
最も戦力の高い日本軍が道を切り開き。
後方の広い地域をインドなど人口の多い国の兵で占領していく。
そうして雪解けの時期。
日本海軍が出動していく。
その後方に揚陸艦を囲む護衛艦隊を従えて。
更にその後方には、集結した陸上部隊を運ぶための旅客船が並ぶ。
これらは、敵の港を確保したらそこで兵員や物資をおろす事になっている。
その為に国内外の客船を出来るだけ集めた。
一般的な運行を阻害しないように配慮して。
それでも、運行本数などの削減は避けられない。
なるべく早くこれらが通常業務に復帰できるようにはかっていく。
何よりも、あくまで一般の旅客船である。
撃沈・沈没など絶対に許されない。
可能な限り万全な状態を作って行く。
その為に作戦については常に見直しをしてきた。
戦闘のない期間の間ずっとだ。
その為、作戦の内容や密度は凄まじいものになっている。
そうして出来上がった作戦をもとに、侵攻を開始する。
西暦1956年。
日本海軍出動。
北方、ベーリング海峡方面から北アメリカ大陸へ。
北方の空軍基地からも空軍が出発。
カナダの沿岸部の制圧を目指す。