14回目 面倒な事には手をつけない、他の奴にやらせていく
辛亥革命。
清で発生した革命。
これにより、清は消滅し、中華民国が誕生する。
また、同時に中国は分裂。
各地に軍閥と呼ばれる武装勢力も発生。
内戦状態に突入していった。
騒動は面倒だが、それはそれで問題は無い。
日本からすれば、隣から一つにまとまった大国が消えたのだ。
防衛などを考えれば、その方がありがたい。
火の粉が飛び散ってこない限りは。
なので、中国の方は基本的に放置する。
ただし、ある事だけは実行していく。
清朝最後の皇帝。
これを迎え入れて、満洲に戻す。
元々、満洲は清発祥の地だ。
そこに皇帝を戻すのは、いわば里帰りのようなものである。
そこに清朝満洲を作り、統治を任せる。
せっかく手に入れた満洲だが、確保しておく理由は特にない。
資源がとれればそれでいい。
社会基盤などの整備に金と物資と時間を注ぎ込むのが面倒だ。
せいぜい、大慶油田を掘って石油が輸入できれば良い。
中国の方は、当面勝手に争わせておく事にする。
どこが勝つのか分からないからだ。
その中で最もまともな所と付き合いたいが。
今はまだ見極められない。
何せ、流れ次第で日本への態度が変わるのだ。
好意的になったり敵対的になったり。
それがどうなるのかは、時間が経たねば分からない。
今は様子見をするしかない。
ともあれ、日本の安全はどうにか確保出来た。
あとは各地が成長し発展し、日本の交易相手になってくれればいい。
ついでに、日本が制圧した地域で連盟を結成していく。
といっても、そう大げさなものではない。
通商条約を結んでの交易網の構築だ。
将来はもう少ししっかりした連合にしたい。
しかし、現時点ではそれは夢のまた夢である。
なにせ、まともに独立出来てるところがほとんどない。
早い時期に日本が制圧したフィリピンだって上手くいってない。
みんな、国内をまとめるのに手間取っている。
少しずつ上手くいってはいるのだが。
発展が早いのは、直接手を加えてる台湾くらいだ。
それにしたって、独立となるとまだ先の話になる。
それよりも国内だ。
史実では発展が遅れたと言われる東北地方。
これらへのてこ入れの方が先である。
史実と違い、併合した領土に投資する必要がないので余裕はある。
戦争も終わったし、あらためて国内の整備を進めていく。
戦争準備で滞りがちだった国内開発。
それを一気に進めていく。
道路や鉄道などの目立つ社会基盤だけではない。
通信設備や社会制度などの変更で更に発展の余地を作っていく。
身分制度を始め、まだ改善の余地はある。
やたらと細かく設定できるこのゲーム、そこをいじるだけで、国力が変わってくる。
戦争中も地道に進めていた『思想の研究』
これのおかげで、設定できる内容が増えている。
その中のいくつかを選び、あるいは外していく。
そうする事で、生産性や治安が良くなったりもする。
もちろん限界はある。
効果も一つ一つは決して大きくない。
せいぜい、1%か2%上乗せされるくらいだ。
だが、やらないよりはやった方が良い。
そんな1%でも、10個集まれば10%になる。
また、1%のマイナスでも、10個集まればマイナス10%になる。
それが毎日の累積となれば、長期間でとんでもない差になる。
一回限りではないのだ。
この先ずっと続く影響。
それによって生産性を増やすか。
損失を増大させてしまうか。
それを考えなければならない。
変更すればしたで、それがなじむまでマイナスの補正がかかる。
大きく変更すれば、その分期間も長くなる。
だが、それも一時の事。
一年二年と堪えれば、その後は大きな利益になる。
ならば、出来るだけ早く更新した方が良い。
それが出来る機会がきたのだ。
戦争が終わって攻め込まれる危険はかなり減った。
今なら大きな変更をしてもさほど問題は無い。
マイナス補正は厳しいが、それで生産力が無くなるほどではない。
なので、変更を一気にしていく。
多くの項目を変更していく。
その分マイナス補正も大きくなる。
だが、一斉に行う分、終わるのも早い。
しばらく、ゲーム内で一年か二年ほど生産性が低下するだけで済む。
それが終われば、大きなプラス補正が働く。
それまでの辛抱だった。




