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舞踏会で下級貴族の少女が虐められていたので周りをギャフンと言わせたくてダンスに誘ったら才能を開花させた話  作者: ねこ


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2/2

後編

 準備は出来た。先ほどとは比べ物にならないくらいに肌に褐色が出ました。


「それじゃあ行くわよ。」

「はい……」

「ビビらない!背筋伸ばす!」

「はい!」

「それと、さっきの事忘れないでね!」

「はい!」


 さっきの事とは名前のことである。名前を変えなければすぐにバレるからだ。だから名前はエルという名前にした。そして扉が開かれた。


「おおー、クリス様戻られたのですね……そちらの方は?」

「私の旧友よ、さっきの子、少し威圧したら帰っちゃったから代わりに連れて来たのよ。」


 私は半歩引いて彼女に前を譲った。私が身を引くほどの相手となると相手もその目線まで彼女の価値を上げるからだ。


「初めまして。エルと申します。」

「あ、あぁ……よろしく」


 私の発言を聞いてやはり陰口を叩く人たち。やはりその程度なのだろう。しっかり見れば髪色も多少の色白さも残っている。誰も彼女を見ていなかった。ただの暇つぶしの道具だったのだ。


 そこからはまた別れて私はソファーに座って休んでいた。


「あの人見かけ通りだったわね。」

「良いじゃないネタになるんだし。」


 コソコソと話す女たち、自分で自分の価値を下げてる事に気が付かないのか……そしてワルツの時間になった。


「クリス様どうか一曲……」

「いえ、私と……」


 座ってた私に早速数名手を差し伸べてきた。が、私の相手は決まっていた。私はフロルのいる方を見ると何人かに話しかけられて困惑していた。


「悪いけど、今晩のお相手は決まってますので!」


 私は早足でフロルの手を取った。


「私と一曲踊りなさい!」

「は、はい!」


 目は見開かれ笑顔が開いた。


(何この子の笑顔は……眩し過ぎる!)


 でも、フロルには絶対悟らせない。私たちは踊り始めるするとさらに笑顔が開き出した。そしてこの子……上手い!


「何あのワルツ……」

「楽しそう……」

「おい、見ろよあのクリス様も……」


 私は気づいていなかった。自分が自然と笑ってたことに……私の無茶なステップにすら難なく合わせてくる……これは才能だ。でも、最も顕著なのは……


(楽しい……)


 初めて楽しいと思えた。他の誰と踊ってもこうはならなかったのに……初めてこんなにも楽しいと思えた事は他になかった。そうして一曲が終わってしまった。


「エルさん!次はこの私と!」

「いいや!私こそ彼女を引き立てられる!」

「いやいや!私が!!」

「ダメよ!」


 私はフロルに言いよる男どもを手で振り払った。


「この子は私の……私だけのパートナーよ!」


 そう言って私はエルを抱き寄せ口付けをした。


「私以外の人と踊ったら赦さないからね。」

「は、はい……」


 エルの顔は真っ赤だった。そして2曲目が始まる。私たちの踊りは全員を魅了した。高い技術なんてない。ただただ楽しいを追求した踊りに最早嫉妬なんてなかった。初めて負の感情がない視線を感じた。しかしそんなのどうでも良い。フロルが楽しそうに踊る姿を特等席で観れるのだから。


 そうして舞踏会は終わった。それぞれが家路に着く中、私たちは会場に残っていた。


「あの……」

「ありがとうフロル。」

「えっ?」

「こんなに楽しい時間は初めてだったわ。ありがとう。」

「い、いえ……私も楽しかったです。」

「そう……貴女行く当てがないんじゃない?」

「な、なぜそれを?」


「ここへ来る人間なんて婚約目的か、どこか上流階級の屋敷への就職くらいよ。で、どうかしら?私の屋敷に来ない?」

「あ、ありがとうございます!よろしくお願いします!」


 この子の笑顔をみれるのならいくらでも出す。その価値を私は見出したのだから!

 最後まで読んでいただきありがとうございました!

久しぶりの短編でしたがいかがでしたか?

楽しんで頂ければ幸いです


良ければブックマークと評価を頂けると嬉しいです!

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