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少年戦士と彼に憑依した女勇者の二人三脚行脚(連載版)  作者: 元々島の人


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青年フォルスター

2月13日改稿しました。

 ナターリアはフォルスターをみて自身の知っている彼と比べ変わったと知覚した。

「マーガスも感じてるけどわたしも感じる。外見でなく雰囲気が」


 マッギリールは何故かフォルスターを見てにやりとした。

「フォルスター、久しぶりだな」

 また痛い目に合わせてやると言うような言い方だ。


「…」

 フォルスターはそれに言い返さないどころか表情も変えない。


「また打ち負かして下さいと言ったらどうだ、え?」

 何か因縁があったらしい。


 にらみ合いの空気に俺もマーガスも入れない。

 にらみ合いが終わり、フォルスターはじりじり近づいてくるマッギリールをまるで蚊を払うような仕草をした。


 その時だった

「え!」


「マッギリールの頬から血が!」

「フォルスターが空を手で払った圧で切ったと言うのか?」


 マーガスは唖然とした。

「い、一体」


 マッギリールは少し動揺した。

「こいつ……」


 フォルスターは一転ラセルには挨拶をした。

「遅れました、王子」


 ちょっと柔和で礼儀正しくなった。

「あ、ああ」


 そして俺と目があった。

 俺は緊張し思わず反射的に背筋を伸ばし大声であいさつした。

「俺、カイトです!」


 マーガスが紹介してくれた。

「こいつナターリアの友人らしいんだ」


「ん」

 フォルスターはちょっと分かった様にこくりとした。

 何か返事がちょっと簡単で無愛想。


 マッギリールは自分をおいて挨拶がいらんと感じたのかいきりたつ。

「勇者パーティめまとめてあの世に送ってやる」


 フォルスターは眼を細くしてにらみ、そして剣に手をかけた。

 細い目と言うよりすわった目。


 そして冷徹な目で言った。

「貴様は殺す。ナターリアが死んだ原因の魔王軍は全て。もちろん俺も死んだ方がいいほど罪は重いが」


 すごい迫力だ。

 怨念がこもってる。


 いや、自分自身さえ憎んでる。

 何かを悔いるように。


「いきがるな。返り討ちにしてやる」

 マッギリールも剣に手をかけた。


 その雰囲気に皆ごくりと唾を飲んだ。

 俺は入れなかった。


 まるで邪魔しちゃいけないみたい。

 フォルスターのかもしだす雰囲気みたいなのが。

 冷たさと殺意と憎しみに満ちている。


 そして二人の切りあいは始まった。

 一方で楽しそうなマッギリール。

 

 また倒してやるとか言ってたから 

「あいつとフォルスター因縁あるの」

「うん、ちょっとね」


 半面無表情なフォルスター。

 だけど俺は感じた。


 切り合いが経過して三十秒。

 俺は剣道弱いけど明らかにフォルスターの方が強い。

 何となくなんだけど。


 息を切らすマッギリールに対し、全く無駄がないフォルスター。

「冷笑の衝撃」


 フォルスターはむかえうとうと構えた。

「魔手剣」


「何だあの技!」 

 マーガスも知らないみたいだった。

 二つの大きなパワーを持った技はぶつかりあった。


 ふいに彼が叫んだ。

「君、一緒に攻撃してくれ! こいつはここで倒す!」 


「は、はい!」

 俺は武器もなくがむしゃらになぐりかかった。

 まさか乱入してくれと言われるとは


「くっ!」

 フォルスターは焦るマッギリールの隙を見逃さなかった。


「うおお!」

 フォルスターの剣が一閃した。


 マッギリールはあがいた。

「貴様、どういう事だ? この前とはまるで別人だ。それ以前に仲間を乱入させるとは」

「確かに二体一は卑怯だ。だが貴様らは手段を選ぶ道理もない悪人だ。どうしても貴様を殺す」


 マーガスとナターリアは話した。

「強いんだけど何か剣が冷たい。態度とかも」 

「私もそう思う。二対一なんて前は嫌がってたわ」

 

 でも俺は感じた。

「彼は冷たいと言うより寂しげで辛そうに見える。大事な物を失いかけてる」


「そうね、何か辛そうな顔と目してるわ」

「前はもう少し力が抜けていた」


 強いんだけどあの人……

 ナターリアが亡くなった事が関係?

 

 そして俺はマッギリールの後ろから回り込み傷口に渾身のパンチを食らわせた。

「ぐっ!」


 その隙にフォルスターは凄い速さの剣を一閃した。

「ぐああ」

 倒れるマッギリール。


 ナターリアは驚いた。

「あのマッギリールを!」


 マーガスはフォルスターを褒めた。

「すげえぜ! お前どんな修行を」 


「アッサム様の元で修行した」

 淡々とした答えだった。


 俺が聞いた。

「誰?」

「私達の師匠のそのまた師匠よ」


「俺はナターリアを死なせた自分のふがいなさに激しく嫌悪した。だからあの方に教えを乞うしかなかったんだ」


「それほどまでに気にしてたのか」

「当然だ。チームワークでなく個々人の力を上げる必要性を感じたんだ。ところで君は」


「カイトって言います!」

「何故ナターリアは君の存在を黙っていたんだ意味がわからん」


「ともかく、これで新メンバー合わせて三人だ」 

「フォルスター、お父さんとお兄さん二人は元気か?」


「しばらく会ってないけど少ししたら会うよ」

「お兄さんにあんなにしごかれたのにか?」


「俺は全然恨んでないよ。『鍛えてくれた』と思ってる。前は俺が憎いんじゃないか、と解釈した事もあったけど。父上が何故か俺だけ可愛がったからかなとか」


 マーガスは耳打ちした。

「ところでフォルスターは元々クールでストイックで人間嫌いだったけどもう少し、何て言うか普通な感じだった。あいつの兄さんのせいで人格が作られたんだけど、

それがナターリアの死からすっかり変わっちまった。今はあまりに近寄りがたい。この世の全ての責任を負うみたいに」


「お兄さん二人がとても厳しいらしくてね。学校ではいつも辛そうで疲れてて話したがらなかったけど、あれでも皆に辛さを見せない様にしてたのよ」


 フォルスターは言った。

「そろそろ動きだそう。まず皆でアッサム様の元へ行き準備が出来たら拠点を奪回する」


「まだだあ……!」

 マッギリールは起き上がって来た。

「くっ!」


「ここは私がケリを付けたいわ」

「ナターリア」

 ナターリアの声が出た。


「この男には負けそうになった悔しさがあるの。だから今度こそは!」

「……」

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