2人の命の犠牲
「えっ、アッサム様はどうなるんですか?」
「恐らくと言うか、死ぬ」
「そんな!」
海斗は一人でギルザルゴと戦っていた。
しかし、彼でさえ戦うのは厳しかった。
俺は叫んだ。
「待ってください。アッサム様の命を犠牲にするなんて!」
「僕は悔いはない。それしか方法はない」
海斗は俺に叫んだ。
「ギルザルゴの弱点を透視してくれ」
俺は必死でギルザルゴを透視した。
「胸の中央に心臓みたいなのが見える」
「良し!」
「どうする気だ」
アッサム様は言った。
「彼は命を捨てる気だ。僕もだけど」
「そ、そんな! 俺の為に二人もの人が犠牲になったら俺はどうすれば!」
「快人、勇者は『強い、優しい』だけじゃなく人の命や犠牲を背負い乗り越えなきゃいけない事もあるんだ」
「!」
一方、海斗は光に包まれた。
「さらばだ、快人」
「よせ!」
叫ぶ俺にアッサム様は聞いた。
「記憶は戻らないか?」
「はっ! 頭に文字が! それが読めるようになってきた!」
「それを君の口で詠唱するんだ」
「しかし、海斗を止めないと!」
海斗は叫んだ。
「俺が隙を作る! 後は頼む」
光の塊になった海斗はついにギルザルゴに突撃した。
「海斗! はっ!」
俺の右手に感じた事もないとてつもない炎のエネルギーが充満した。
「撃つんだ!」
「うおお!」
これまでにない白炎が俺の手からギルザルゴめがけ放出された。




