意外な真実
次の日アッサム砦にて。
何やら門の外が騒がしい。
ここは通さん! とか言う声が聞こえる。
兵が一人伝令に来た。
「とんでもない来訪者が来まして。どうしたら良いのか」
俺達はアッサム様と一緒に下へ降りた。
その客、それは何とドクロコブラヒメと生き返ったプラントキングだった。
「え!」
「乗り込んで来たのか!」
「抜けたのよ。魔王軍」
「え!」
「信じてもらえるか分からないけど」
「どうしますか?」
「私が責任を持って話を聞く」
「俺は護衛します」
俺とフォルスターがもしもの時の為に護衛についた。
ドクロコブラヒメは切りだした。
何か疲れている。
「私達は魔王軍を抜けたの。正確に言えば逃げてる」
「何で?」
「魔王ザンブラーの独裁に嫌気がさしたの。これまで尽くしてきたパーク様を殺した時からね。で先日のフォルスターの兄の件とかね。ザンブラーは部下を使い捨ての駒としか思ってないわ。いずれ私達もああなる。だから本当におこがましいけどあんた達の味方になりたくて来たの」
「ええ」
「どうします?」
俺はドクロコブラヒメが憔悴しきってるのが見て取れた。
悩みに悩んだみたい。
アッサム様は決断した。
「しばらく見張り付きで特別室に入ってもらう」
ナターリアとフォルスターは話した。
「どう思う?」
「スパイの線も考えられるが、いやになって逃げただけでなく、俺達に本当に共鳴してくれるのなら考えるが」
「俺は信じてもいい」
「キルビル!」
「前の俺なら信じなかったろうが色々あって信じられるようになった」
そして今日はアッサム様の友人の国のお抱えの預言者ビシュラが来ることになっていた。
七〇代の背の低いよぼよぼの老人である。
アッサム様は話を切り出した。
「快人は、ザンブラーに勝てるでしょうか? 伝説の勇者なのでしょうか」
「ちょっとその水晶を見せてくれんか? うーん、うーん、うーん、ん!」
「どうしました?」
「これは……人違いの様じゃ」
「え⁉」
「見なさい。快人君とそっくりだが別の少年が映ってる。つまりナターリアが勘違いしたんじゃ」
「えええ!」
王様も聞いたらしい
「人違いを魔王と戦わせる訳にはいかん。その本物勇者を転移させて彼は現世に帰るんだ」
ナターリアは深く落ち込んだ。
「快人君ごめん! あなたを危険な目に巻き込んだ。でも命だけは保証するわ!」
「少し時間を下さい」
散歩のつもりが夜になり森に来てしまった。
「俺がナターリアの話を受けたのは自分が選ばれた人だと言われたから。でもそうでないと分かったらどうして良いか分からなくなった」
そこへナターリアが来た。
「大丈夫?」
「うん」
「ごめん! 全部私のせい! 貴方は無事に元の世界に送るわ」
「うーん。俺もね、皆の力になりたい。でも足引っ張ったら、何て弱気になった」
「こんなに弱気になった貴方を見るの初めて」
「自信がなくなった。素養があるわけじゃなかったから」
「そんな! 貴方はとっても勇気ある人よ!」
「うーん。力はある程度付けたけどね」
「貴方はずっと馬鹿な私との約束を守ろうとしてきた。誰にも真似出来ないわ。勇者って『強い人』より『勇気のある人』を言うんだと思う。それに信じられる、信用できる人そして優しい人」
「信頼、優しい……」
「私本物の勇者の人が凄く強かったとしても快人君の方を信じたい。いえ例え全く戦いの力がなかったとしても貴方は勇気のある人よ」
「ナターリアはどう思う」
「人間界に戻ってほしい貴方の幸せなら」
「平和が戻ったら君は何をしたい」
「普通の事、かな。普通の人生送りたい気持ちあったから」
「俺戻るよ。別に勇者の人と交代するんじゃなく一緒のパーティで」




