指輪と告白
「かんぱーい」
俺達はアッサム砦でナターリアが生き返ったお祝いをしていた。
「おめでとう」
「ありがとう」
「やっぱり、声だけと存在感が全然違うよ」
「私も何か生きてるって感じが数十倍する。閉じ込められた箱の中から出たみたいな感じ」
「今日は一杯食べて」
「あんまり食べると太るけど、おいしい」
そして一夜明けて道場でアッサム様は言った。
「快人はナターリアが憑依していなくなったため回避や接近戦に難が出てしまった。で今から身に着ける事になるが」
「やります! 攻撃を避け損ねて皆の足を引っ張りたくない」
その為、アッサム様の木刀を避ける練習を徹底した。
付け焼刃とは言わない。
「君は素質が凄くあるんだ。今からでも全然遅くない。それと白炎攻撃も新しいバリエーションを身に着けるんだ」
「はい」
候補としてあるのが射程距離が長い直線状火炎。
収束型高速火炎。
広範囲爆破型等。
ナターリアも水を得た魚の様に生き生きと訓練をこなした。
汗が光るのが何か綺麗に見えた。
そして休憩室。
「あら?」
フォルスターは小箱を服から落とした。
それが開くと指輪が入っていた。
「はっ、それは!」
ナターリアが拾った。
「フォルスター、落とし物、ってこれ何か高そうな指輪。誰かにあげるの?」
「……」
しばしの沈黙の後フォルスターが口を開いた。
「ナターリア、急だけど、戦いが終わったら俺と結婚してくれないか?」
「え⁉」
「!」
俺も勿論凄くびっくりした。
「今言うつもりじゃなかったんだけど」
「でも……」
「分かってる。君はラセル王子の婚約者だ。それを蹴ったらいくら勇者でも白い目で見られて居場所が国になくなるかも知れない。でも俺が何とかするから」
「……」
「返事はすぐじゃなくていいから」
その時俺は自分でも意図せず体と口が勝手に開いて前に出た。
「い、異議ありです」
「え!」
「お、俺も、何と言うか、同じような感情を」
「快人君?」
フォルスターは笑った。
「はは、お前がライバルで良かった。まあラセル王子も凄くいい人なんだが。話はまた今度で」




