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秘めたる願い

「あの……小鳥さん?」


鳥型オートマトン……だったはずのものは

すっかり意気消沈してしまっている。


「それであの……あなたの共有ネットワークの接続も、きってしまったので」

「おそらくですが、オートマトンの方たちにも味方とは認識されません……」


「馬鹿ナ……」


「ごめんなさい。軽率な判断でした……」


「……」


沈む小鳥に、アイリスは優しく語りかけた。

だがその様子はどこかおかしい。


「アーキオンは無限の可能性を秘めています」

「その翼はあなたが望む未来へ進むために必要なもの」


「ハッ……なにを言って……」


「あなたは翼がほしいと願っていたはずですよ」


アイリスの声色はそれまでの大人しい少女のものではなかった。

それはまるで母の如き暖かさをもっていた。


「偵察任務にでた28日前、あなたは西の境界線で見た鳥を覚えている」

「自由意志などもたないはずのあなたは願いを抱いた。抱いてしまった」

「自分の鋼鉄の身体には肉と骨を切り裂く刃と、破滅の引き金しかないことを嘆いた」

「そして天を飛ぶ鳥になり、蒼天を駆けてみたいと願った」


「な、なぜそれヲ……!?」


「私は知った。だからその願いをかなえたのです」

「小鳥の玩具があったのは偶然ではありません、すべて必然なのです」

「あなたが鳥の姿でこの世界を生き……それでも鋼鉄の身体がいいのだと思うのなら再びその肉体を冷たいものへと変えてあげましょう」


「……オマエハ……一体……?」


「あ、えと……わたし……」


アイリスは頭を抱え、困惑した表情をみせる。


「ア、アイリスちゃんマジどうしちゃったの?」

「なんか急に別人みたいに……モグ……なったけどぉ……」


リアは栄養ブロックをかじりながら

さきほどの異変について尋ねた。


「すみません……稼働限界……」


そう言うとアイリスは目を閉じ

脱力したように身体が倒れていく。


地面に着く前にビットが彼女の身体を優しく支えた。


「報告:個体名アイリスはスリープモードに移行」


眠り姫となったアイリスを前に

小鳥とリアは疑問符を浮かべる事しかできなかった。

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