あるバイト門番からの手紙
拝啓、親愛なる父さん、母さん、ダーマ、ラーマへ。
王都に着いて早い事に、一月が経ちました。
無事に夢だった騎士団に入る事が出来た俺は、充実した日々を送っています。
頼れる仲間や尊敬出来る先輩達に囲まれ、日々、特訓に励む毎日は、辛さよりも楽しさが勝る理想の職場です。
先日は、馬術向上の為に白馬を飼うことにしました。
名前は、ゲホゲホと言って、人懐っこい自慢の相棒です。
そんな愛らしいゲホゲホを、早くみんなにも見せてあげたいです。
中々、纏まった休みの取れない職場の為、ブレー村に帰る事は難しいけど、この通り、俺は元気にやってます。
だから、心配しないで大丈夫です。
初めての給料だから仕送りも少ないけど、これでなんか美味い物でも食って下さい。
ロムガルド王国騎士団所属、カーマ・インディーより
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
王都から南に位置する【ブレー村】では、カーマから届いた手紙を嬉しそうに読み上げる家族が居た。
「カーマ、向こうでも頑張ってるみたいね。私は、自分の息子が王都の騎士団に入団したなんて夢みたいよ」
「カーマは、昔から凄かったからな! お前達もカーマみたいに立派に成長するんだぞ!」
「うん! 俺、カーマ兄ちゃんみたいに立派な騎士になるよ!」
「私も!!」
「その調子で頼むぞ! じゃあ、今晩はカーマが送ってくれたお金で、ご馳走様でも食べに行くか!」
「「賛成!!!」」
インディー家は、その自慢の息子が嘘を付いている事など露知らず、飼い始めた馬の話をしながら、村で唯一の定食屋に繰り出して行った。
狭い村の中で、出会う人全てに長男の自慢をしていった母親のお陰で、【ブレー村】の中でカーマ・インディーの評価が一夜にして急上昇している事は、当の本人が知る由も無かった。
今回の話は、ブレー村での幕間的エピソードです。
次話からは、警備隊での日常が再開しますので、ご安心下さい。
最後になりますが、感想や評価、ブックマーク登録の方、お待ちしております。
それでは、また。




