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異世界の火サス 解決編

登山好きの主人公が滑落した事で異世界転移!

ファンタジーの世界の魔法や魔物、神に悪魔になんでもござれない異世界でも登山目指して頑張る主人公の珍道中。

自分得を詰め込んだほのぼの冒険ストーリーです。

有名刑事ドラマの謎解きシーンのBGMが脳内再生されるが、刑事役が鞄なので少しギャグっぽく感じてしまう自分を誰も責める事は出来ないと思う。


《まずコア石とは何か。自然の力が凝縮されたエネルギーっという事だが…では、神力とは何か?相棒分かるか?》

「ええ!?えーっと…ふ、不思議な力…」

《…とりあえず馬鹿は置いておこう》


おおおおい!!


《稀代の魔術師でもあり、大司教のジャパー・ニズ・トゥーダイも論文にコア石について書いている。では…論文にもあった融合とは?そう、体内に神力が溶け込み融合した事で、この数十年で医療向上や、まさに魔物の合成なんてモノが出来る様になった。ここ迄は良いか?》


確かそんな事言ってたな…


《コア石によって自然のエネルギーが体内に入るって事は、そのエネルギーを一度体内から出さなければならない。何故なら、元々人には神力なんてエネルギーは備わっちゃいねぇからな。過ぎた能力だ》

「出さなきゃ駄目なの?」

《過剰な摂取は体内に良くない》

「そういえば、メチャクチャ太るんだっけ…」


ザックは呆れた感じでため息を吐く。


《それもそうだが、コア石食べてりゃ、空腹も感じず気力体力共に漲ってくる。これ何かに似てねぇか?》


確かレヴィさん達から聞いた。

怖っ!と思い、怪しいサプリみたいだとも思った。でも一瞬脳裏に浮かんだ言葉は違うモノで…

…これって…


「麻薬、みたい…」


痛み止めの麻酔と麻薬は元は同じモノだ。

医薬で使用された少量なら自然と体内から出ていくが、過剰摂取した麻薬中毒者は最期どうなるか…


「どうしようザック!一度食べちゃったよ!!」

《少量だし問題無い。それに前の世界とは少し違うから廃人にはならんだろ。ただ…中毒性はあるだろうが》


最悪じゃねーかーー!!

ザックはチラッとカマキリ男の方を見る。


《体内で融合した神力と同等のエネルギーだけ使えば問題ない。過剰な肥満は溜めるだけで使ってない。そして、アンタは使い過ぎでこうなってるって事だ》


ん?おかしくない?

だって摂取した分エネルギーを使えば問題ないって言ってたのに。

ザックは再度やれやれっとため息を吐く。

悪かったな!!


《トゥーダイの秘密文字にもあったろ?融合のデメリットってヤツが。融合って何と融合すると思う?》

「…何って…」

《恐らく体内に取り込み融合したエネルギーは…生命力と融合する。だから神力を使う場合、コア石から取り込んだエネルギーと一緒に命の火ってヤツも体内から出ちまってるのさ》

「ええ!?寿命って事?!」

《寿命とは少し違う。人はエネルギーの塊だ。身体を維持する為に莫大なエネルギーが日々循環されている。恐らくコア石のエネルギーは体内で消化する際、酵素によって有機物を分解する過程で生命エネルギーと融合するんだろう。そうやって混ざってしまったエネルギーは通常より高いエネルギーを持ち、身体は常にドーパミンが出続けた興奮状態。そりゃ疲れ知らずにもなるさ》


いきなりの生物学理論で頭がついていけないが、それって良くないのでは…


《良くないに決まってるだろ。身体から出ない限り常に興奮状態だぞ?麻薬もそうだが凶暴性も増すだろうし、妄想錯覚幻聴だって何かしら起こってるはずだ。厨二病みたいに『俺最強』的な考えで魔物に挑んだり、急に周りの人に攻撃的な態度取る様になったりとかな》

「うえええぇ…」

《そして融合している事で、取り込んだ分だけを排出できない。使用した神力の何割がコア石からのエネルギーで、何割が生命力かはっきりしない。合成した魔者を使役するのにも神力を常に使用している為、徐々に生命エネルギーも削られていく。故にまた過剰なコア石を摂取する悪循環が出来上がってる》


ん?じゃぁこのカマキリ男は?


《…でだ、痩せ細っているアンタ。一体どれだけの魔物を合成使役してるんだ?》


カマキリ男がドス黒い嫌な笑みを浮かべる。


《答えなくても良い。これは俺の予想だが…アンタの親族である肉ダルマのサラマンダー…あれも、アンタが使役してるだろう?》


一瞬ピクッとカマキリ男の眉が動く。


《多分あの男、サラマンダー以外にも使役してるだろう?何体いるんだ?》

「そんな事してこの男に何の得があんの?」

《あるだろう?デッカい恩恵が》


まさか…


《あの肉ダルマ…良い贄になるだろうな》


カマキリ男の視線が逸れる。


《自分でこの謎に行き着いたのか、はたまた誰かの入れ知恵かは、この際どうでもいい。お前さんがどうしようが俺達に関係無いなら知った事っちゃねぇで済ませたんだがな…カッパンに手を出すお前さんが悪いんだぞ?》


言うや否や、ザックは大きな魔法陣の様なモノを空中に浮かび上がらせる。デカイ…この部屋の空間からはみ出ていますが…

ザックは此方を見る。

え?何事?


《お前達、俺と言う存在が何か言ってみろ》


…何その某〇〇神拳のキャラみたいな言い回し。


「えっと…付喪神の、ザックだよ…ね?」

「そ、そうっス」

《俺は凄い。そう思わないか?》


ええぇ?何が言いたいの?

カッパンと同タイミングでチラッとお互いを見る。

これはもしや…ヨイショ希望って事か?


「ザ、ザックは最強だよ!」

「そうっス!鞄の旦那は最強っス!」

《そう、俺は!?》

「「最強!」」

《俺は!?》

「「最強!!!」」

《俺に不可能は?》

「「無い!!」」


ご満悦の様だ。

なんか…空気が凄い勢いでザックに集まっていく。まるで台風の目の様に、ザック…そう自分達を中心に空気の渦が出来る。何だこれーーーー!!?


《俺に不可能はーーーー?!》


もうやけっぱちで有る。カッパンと力の限り「不可能は無い!」「ザック最強!」を連呼する。その声に合わせて渦は勢いが強くなっていく。これ大丈夫か!?大丈夫なのか!?


《我が名により、ジカッテの名の鎖を白紙にする!》


ザックが叫んだ瞬間、空気の渦が魔法陣に吸い込まれていく。もう部屋の中のありとあらゆる物まで吸い込まれていく。空気の層で視界が歪んで気持ち悪い!

もう駄目だ!

そう思った瞬間、空気が止まる。

まるで一気に蛇口を閉め、キュッと音がしてもおかしく無い様な…瓦礫が自分の足元にボトッと落ちた。

上を見上げると、屋根ごと消えている。

あれ?デジャヴ?


「そんな…馬鹿ば…」


カマキリ男の顔色がめっちゃ悪い。


「私の神力が…神力が…」


何だか様子が変だ。

一気に老け込んだ気がするし、存在感が薄れた気がする。ブツブツ呟いてへたり込んでいる。


《相棒、オーコンに指輪で連絡だ》

「ザックwi-fi起動!!」


ペチンと頭を叩かれたが痛くない。

指輪からオーコンさんに連絡取れば、アレよアレよという間に近衛兵みたいな人が押しかけ、何やら色んな人が建物の中の実験器具や書物やらを運び出す。家宅捜索かの様だ。


「無事でしたかターナさん!」

「ザックがよく分からん内に解決してました」


事の経緯を話すと、オーコンさん大興奮。


「それは文献に書かれていた、神の一声では!?」

「え?鶴じゃなくて?」


説明をされると、まぁ似た様な感じのだ。

まさに、意見や利害が対立する多くの人を否応なしに従わせる権威者・権力者の一言…って意味としては確かに同じかも。

要するに、ザックの権限でジカッテの一族全ての鎖=使役を白紙に戻し、体内のコア石から摂取したコアエネルギーでさえも白紙に戻しちゃったって言うんだから、開いた口が塞がら無いとはこの事だ。


「と言うことは、あの肉ダルマは!?」


伸びた皮で身動きが取れない状態で、ハゲ親父が床に転がっていたそうだ。

ってかザックの権限って何っ!?


《神は信仰の元に成り立っている。俺を信じる2人の信仰が成し得た結果だ》


え?2人であの威力!?

どえらい付喪神がいたもんである。



お読み頂きありがとうございます。

のんびりペースで更新していきますので、よろしくお願いします。

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