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海竜

===時間経過===>残り時間 33分


我々が行き着いた空間は先ほどの胃と同じように卵型の部屋のような場所で広さも同じほどなのだ。少し違うのは、部屋の半分は海水で満たされていること。そして水面にドラゴンが鎮座している所なのだ。


そのドラゴンの見た目はまさに首長竜のようなのだ。大きな体にヒレが四つ、尻尾は短いのだが首は長く、全身を覆う青い鱗、そして頭部がドラゴンであることを物語っているのだ。


サイズは・・・アークカイザーよりふたまわりほどの巨体なのだ。先ほどのウミヘビに比べれば大分小さく感じるのだが・・・レベルはこっちの方が上なのだ。


そして【看破】の説明文を見る限り、目の前のモンスターが・・・我々が探し求めていた出口を守るモンスターであることは間違いないのだ。


「・・・まさか、出口の番人がネ○シーだとは思わなかったのだ」


「ネ○シーじゃなくて【海竜】なのです。それにしても・・・ブランちゃんたちの様子がおかしかった理由がようやく分かったのです! きっと同じドラゴンのにおいに戸惑っていたのです!!」


「キュイッ!」


「キュアッ!」


「キュウッ!」


なるほどなのだ。ドラゴンのにおいというのがどういうにおいなのかはまったくわからないのだが、ブランたちにとってはまったく知らない同類のにおいということになるのだ。戸惑うのも無理はないのだ・・・多分。


それはそれとして・・・


「アーニャよ。あれがドラゴンということなら・・・【眷属】にするのだ?」


たしかアーニャはカッコかわいいドラゴンを【眷属】にしていると以前聞いたことがあるのだ。あの【海竜】がカッコかわいいかどうかは判断しかねるのだが、ドラゴンである以上は戦力になることは間違いないのだ。【眷属】に加えるべきだと思うのだ。


「ふみゅー・・・アーニャだってできればそうしたいのです! でも・・・【テイム】なのです!!」


そう言ってアーニャは突然、【海竜】に向かって【テイム】を行ったのだ。当然、弱らせてもいないモンスター相手に【テイム】を使っても効果はほぼないのだが、それ以前に・・・


『ボスモンスター【バハムート・シードラゴン】は【テイム】できません』


【テイム】できないメッセージが出てきたのだ。


「このように・・・非常に、ひっじょーに残念ながら! ボスモンスターは【テイム】できないのですーー!!」


・・・アーニャ、本当に残念そうなのだ。


(((>_<。≡。>_<)))な感じブンブン手を振り回しているのだ。


そういえば確かに、このゲームではボスモンスターを【眷属】にすることは出来ないと聞いたことがあったのだ。アルクが以前言っていたのだが、ボスまで【眷属】に出来たらゲームバランスが崩壊しかねないし、当然と言えば当然だと言っていたのだ。


・・・ブランたちや、バトルトーナメントでアルクが戦った【モンスターイズライフ】のミーシャの【眷属】たちは十分すぎるほどボスモンスター級だったような気がするのだが・・・気にしないことにするのだ。


「キュオーーー!!」


む!? 【海竜】が突然、ブレスを放ってきたのだ。・・・どうやらアーニャの【テイム】を攻撃と受け取って反撃してきたようなのだ。


「はわわ!? ごめんなさいなのですー!?」


「皆、散開するのだ!!」


アーニャは慌てて謝ってくるが・・・幸い皆避けることができたのだ。それにどうせ遅かれ早かれなのだ。


それよりも【海竜】のブレスは・・・大量の水だったのだ。水のブレス・・・なかなか早く鋭い攻撃なのだ。


「【解析】・・・強イ圧力ノカカッタ高圧水デス。直撃スレバダメージハ免レマセン」


うぬぅ・・・【ハイドロプレッシャー】というやつなのだ? 興味深いのだ。・・・が、今はそれよりもクエストクリアの為の出口探しの方が優先なのだ。


あの【海竜】が出口の番人なのは間違いないはずなのだ。しかし、問題の出口はどこにあるのだ?


「ソレナノデスガ、マスター。【バハムート・シードラゴン】ノ奥ニアル壁ヲ良クゴ覧下サイ」


む? ラグマリアに言われた壁を見ると・・・あれは・・・青い壁? いや、あれは・・・


「・・・水の壁? なのだ?」


確かに【海竜】の奥にある壁の一部が水になっているのだ。しかし、不思議なことに水が流れ込んでくることもなく垂直を保っているのだ。


「イエ、アレハ海水ノ壁デス。本機ノセンサーニハ、アノ先二外ノ反応ガアリマス」


「なに!? では・・・アレが出口なのだ!?」


「オソラク、間違イ無イカト」


どうやらあれは不思議な力・・・おそらくあの【海竜】の力で外部の海水が入ってこないようせき止められている、海水の壁ということのようなのだ。


あそこから外に脱出すればクエストクリアなのだ!


そのためには・・・


「アーニャ! 聞いていたのだ!?」


「はいなのです! 脱出するために【海竜】さんを突破するのです!! ブランちゃん、ノワールちゃん! 頼むのです!!」


「キュイッ!!」


「キュアッ!!」


アーニャの指示を受けて【海竜】に突撃していくブランとノワール。


「キュウー!!」


そして、それを(おそらく)応援するテール。・・・さすがにテールの出番が少なくてかわいそうになってきたのだ。戻ったらテールでも水中や水上で戦えるよう、何か手は無いか考えるのだ。


「ラグマリアも頼むのだ!」


「了解デス。【グランディスガトリングガン】セット・・・ファイヤ!!」


我とアーニャ、テールを除くとこちらの戦闘要員はブラン、ノワール、ラグマリアの三人なのだ。レベル上では三人の方が上なのだが、相手はボスモンスター・・・三人だけで対処できるかどうかは未知数なのだ。さらに・・・


「キュオーー!!」


【海竜】はブレスのみならず周囲の海水まで操って攻撃してきているのだ。どうやら地の利もあちらにあるようなのだ。これは厄介なのだ。


とはいえ、クエスト目標はこの【バハムート】からの脱出なのだ。無理をしてあの【海竜】を倒す必要は無いはずなのだ。


しかし・・・アルクたちもそう遠からず、この場にやってくるはずなのだ。アルクたちにあのウミヘビの相手を任せたのだから、こちらはこちらでできる限り脱出の邪魔となりうる脅威を排除しておきたい所なのだ。


理想なのはアルクたちが来る前にあの【海竜】を排除し、脱出ポイントを確保しておく事なのだ。


それが無理だとしても、最低限アルクたちと合流するまで持ちこたえなければならないのだ。


・・・まずは、あの【海竜】がどれほどの強敵なのかを見定めるのだ。





===視点切替===>アルク


「・・・うおっと!? なんかこの道、【半魚人】たち多くね!? ホントにこんな道、アヴァンたちが通ったのか!?」


「道ハ間違ッテイマセン。オソラク・・・残リ時間30分ヲ切ッタ為ニ出現モンスターガ増加シテイルノデハナイデショウカ?」


「あー・・・その可能性は考えて無かったわ。いわゆるクエストのラストスパートと言った所か・・・となるとアヴァンたちの方も大変な事になっている可能性が高いな。急ぐぞ皆!!」


「了解デス」


「クルッ!」


「だうっ!」


「「「ピッギャッギャッギャ!!」」」


「どけぇ! 【半魚人】ども!!」


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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