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不思議な生態

===時間経過===>残り時間 108分


妙な声がする方向を確認するも・・・暗くてよく見えないな。【ビートル君】や【ガタック君】のライトの光が届く範囲も限界があるしな。


しかし、今の俺は【マキナ】である。集中すると・・・おお、見えてきた見えてきた。【マキナ】種族の目はいわゆるセンサーであり、【人間】の目よりも精度が高く暗闇もばっちりなのだ。


さて、問題のこちらに向かってくる()()なのだが・・・色々おかしい。


おかしな所その一、そいつらのシルエットは人型だった。


おかしな所その二、しかし、そいつらの体は赤い魚の鱗で覆われていてどう見ても人間ではない。


おかしな所その三、水の上を滑るようにこちらに向かってくる。


おかしな所その四、顔が魚。


おかしな所その五、俺たちを襲う気満々、つまり敵。・・・あ、これは別におかしくはないのか。


とにかくどう見ても【半魚人】な敵が3体、敵意を向けながらこちらに向かってきている。


初めて見るモンスターだな・・・すかさず【看破】を発動!


【バハムート・レッドマーマン Lv.50】

体内の餌を胃に運び届ける役割を持つモンスター。


・・・どゆこと?


【マーマン】・・・つまり【半魚人】なのは見ればわかる。問題は説明文の方だ。


役割って何?【バハムート】さんは体の中でモンスターを飼ってるんですか? それとも寄生虫みたいな? 虫じゃなくて【半魚人】だけど。


・・・一体どういう生態してやがんだ、この巨大魚は。


「「「ピッギャッギャッギャ!!」」」


「うおっ!?」


【半魚人】たちが手のひらを向けたかと思うと、水弾を撃ってきやがった・・・どうやら【水魔法】が使えるようだ。Lv.50のモンスターだし、油断はできない。


説明文から察するにあの【半魚人】たち・・・餌である俺たちを倒して胃に運ぼうとしてるんだろうな。当然、おとなしく餌になってやるつもりは無い。


俺は【エナジーフェザーマント】を背中に装備して空中へと踊り出る。


「アーテル、アウル! 俺達で前に出る!!」


「クルッ!!」


「だうっ!!」


ボートを背にした形で俺たち三人が前に出る。敵は3体、一人一殺で事足りるだろう。


「ブラン、ラグマリア! ここは俺たちがやるから、アヴァンたちを頼む!」


「キュイッ!!」


念のため、アヴァンたちの護衛を頼もうとしたが・・・? 返事を返したのはブランだけ? ラグマリアはどうしたんだ? まさかサボってんじゃないだろうな?


「・・・アルク様、ドウヤラソウモ行カナイヨウデス」


違った。ラグマリアはボートの前方を睨みつけている。その方向からは・・・


「「ピッギャッギャッギャ!!」」


やはり耳障りな声が。見るとそちらからも【半魚人】が2体、こちらに向かってきていた。


「チッ、挟み撃ちか。アヴァン! 水中のカイザーたちを呼び戻せ!!」


「駄目なのだ、アルク! カイザーたちは水中で【半魚人】2体と交戦中なのだ!!」


なんだと!? くそっ・・・囲まれてしまったのか!?


このままだとまずいな。


「・・・アヴァン! アーニャとテールを連れて【グランディスチェイサー】で空中に避難しろ! ラグマリア、ブラン! そっちの【半魚人】の迎撃は頼んだぞ!!」


幸いというべきか、【半魚人】たちの数はこちらの戦闘要員の数と同じ。1体ずつ対処すればアヴァンたちが襲われることは無いはずだ。・・・狙ったかのような数なのがいかにもわざとらしいが。


「わかったのだ!」


「了解デス」


「キュイ!!」


アヴァンたちは空中へ、ラグマリアたちは前方の【半魚人】の方へと向かっていく。水中でもカイザーたちが頑張っているはずだ。


「行くぞ、アーテル! アウル!!」


「クルッ!!」


「だうっ!!」


さっそく俺達も戦闘突入だ!


「【閃槍アーディボルグ】! 【スピアディスチャージ】!!」


俺は【閃槍アーディボルグ】を取り出し、【半魚人】1体に投げつける。だが・・・


「ピッギャッギャ!!」


「!?」


【半魚人】は俺が放った【閃槍アーディボルグ】をいとも簡単に、払いのけるようにして弾いた。


予想以上に防御力が高い? いや、今のはスキルの威力が・・・【マキナ】種族になってる影響で【武術】系スキルの威力が下がっているのか?


だが、1体は足止めすることができた。


「残り2体はまかせるぞ、アーテル、アウル!」


残りの【半魚人】を二人に任せ、俺は【閃槍アーディボルグ】を弾いた【半魚人】に狙いを定める。


やはり、今の俺が使うべきは【兵器】。というわけで右手に【グランディスバンカー】、左手に【グランディスガトリングガン】を装備する。 


「【グランディスガトリングガン】斉射!!」


ドドドドドッ!!


ガトリングガンから発射される弾丸の雨が【半魚人】を襲う。


「ピッギャッギャ!!」


腕を交差させて防御する【半魚人】。やはり【兵器】の方が威力があるようだな。しかし、【半魚人】の全身を覆っている鱗が硬いのか、弾丸が通らないようだ。


しかし、それも予想済み。


【グランディスガトリングガン】を撃ち続けつつ、【半魚人】に急接近!


「【グランディスバンカー】! 食らえ!!」


「ピギャッ!?」


防御一辺倒だった【半魚人】の、がら空きの腹に向けてバンカーを打ち込む。


ガキンッ!!


バンカーは見事、【半魚人】の硬い鱗を貫いた。


・・・やったか? と思ったが・・・


「ギャッギャッギャーーー!!」


バンカーに腹を撃ち抜かれながらも、なお【半魚人】は襲い掛かってくる。


ちぃ、浅いか!? しかも距離が近いことが災いして鋭い牙で噛み付こうとしてきやがる。俺は咄嗟に【グランディスガトリングガン】の銃身でガード。


ガキンッ! ガリガリガリガリッ!!


うわぁ・・・人間大の大きさの魚の頭と、凶悪な牙を突き刺そうとする様は中々のホラーだ。


「しぶとい奴だな・・・行け!【グランディスフライザッパー】!!」


両腕が塞がっていた俺は別の【兵器】を射出する。


【グランディスフライザッパー】は・・・まあ、文字通り【グランディスマリンザッパー】の空中版である。要するにプロペラだ・・・ただし、切れ味抜群で大変危険なシロモノだが。


【グランディスフライザッパー】は【半魚人】の背後へ回り込むように飛翔する。


噛み付くのに夢中になっている【半魚人】はそのことに気が付いた様子もなく・・・


ザンッ!


と【グランディスフライザッパー】が【半魚人】の首を切り落とした。


さすがにもう動けないだろう・・・動けないよな?


【半魚人】の体が光となって消えた所で、ようやく倒した事を確認する。


まずは一体。この調子で他の【半魚人】も・・・って。


「クルーッ!!」


「だうっ!!」


「終ワリデス!」


「キュイー!!」


・・・アーテルたちも終わってたよ。うん、そうだよね。現状ではアーテルたちは俺よりレベルが高いわけだし、俺が倒せるなら皆も普通に倒せるよね。


あ! そうだ、カイザーたちは?


「皆サン、ゴ無事デスカ?」


「キュアー!!」


・・・あ、そっちも終わったんだ。さすがだな。


ともかくこれで【半魚人】の撃退は成功・・・なんて思っていると、


「「ピッギャッギャッギャ!!」」


水中から【半魚人】が2体、新たに飛び出してきた。


伏兵か!? しかも向かう先は・・・


「む!?」


「あわわなのです!?」


「キュウー!!」


アヴァンたちの方である。


・・・うん、わかってた。


「【ブレイブシールド】!!」


予想していた俺は【ブレイブシールド】を張ってアヴァンたちをガードする。【ブレイブシールド】は【勇戦術】スキルの一つ。仲間たちの前面にスキルによる盾を作ることが出来る!!


「「ピギャッ!?」」


盾に張り付くような形で邪魔された【半魚人】たち。


「テール!」


「キュウーーー!!」


そこへアーニャの元を飛び出したテールがすかさず【成体】化。その爪によって2体の【半魚人】を切り裂く。


良かったな、テール! ちゃんと活躍の場があったぞ!!


「キュウー!?」


あ、やべ。テールが水の中に落ちた。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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