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戦う種族

俺が【転生】する種族、それは・・・


「花を咲かせれば、例え荒野にしゃれこうべをさらそうとも一片の悔いなし! 【戦人(いくさにん)】とはかくあるべし!!」


堂々と宣言する俺に対し・・・


「・・・何言ってるの? アルク?」


わけがわからない様子のアテナ。


「・・・アルクさん、花の○次が好きなんですか?」


・・・良くわかったなアルマ。前から思っていたが、君って案外、男の子向けのマンガとかアニメとかよく見てるよね。


「【戦人】・・・【人間】よりもさらに戦闘に特化した種族ですね。高い戦闘力を誇る反面、【生産】など戦闘以外の分野が苦手な種族になります」


そして俺の口上をガン無視して【戦人】の説明を始めるレリエル。・・・なんかむなしい。


そう、俺が【転生】するのは【戦人】という種族だ。


いわゆる【人間】種族の進化系種族でより戦闘面に特化し、かつ【武術】、【魔法】、【兵器】、【眷属】などの各系統が満遍なく成長する()()()()()()種族だ。


デメリットとしてはレリエルの言ったとおり、戦闘以外がほとんど成長せず、スキルの覚えも悪い。【人間】種族であれば【生産】もある程度こなせるのだが、【戦人】ではまったく駄目らしい。今まで覚えてきた【生産】系スキルはそのままだが、【戦人】になれば今以上に【生産】系スキルが成長することは無いとのこと。


戦闘に全てを捧げ、他は捨てる。しかし、そこに一片の悔い無し! という決意を込めたのが最初の口上である。


・・・決して俺が前田○次が好きだから、とかではない。


なお、【戦人】は特殊な条件を達成して【転生】できる特別な種族だ。


その条件は以下の通り。


1.敵(モンスター、【機械兵】、【邪霊】など)1000体以上の討伐

2.ボス敵10体以上の討伐

3.PvPでプレイヤー100人以上に勝利


実は1と2に関してはバトルトーナメント前に既に達成していた。当時はレベリングのためにあっちこっちでバトルしまくっていたからな。そして先日のトーナメントにて、めでたく3まで達成することができたわけだ。


ただ、この条件の達成は結構大変だが戦闘メインのプレイヤーからそれほど難しくは無いはずだ。しかし、ラング曰く【戦人】になったプレイヤーの情報は皆無だそうだ。そもそも【戦人】という種族を知らない者も多いが、知っていてもなろうとする者がほとんどいないらしい。


その理由としては先述の通り、戦闘以外がてんで駄目になる事と、あともう一つ・・・


「【戦人】には【種族スキル】がありませんが、よろしいですか?」


そう、【戦人】には【人間】と同じく【種族スキル】が無いのだ。満遍なく高いステータスの弊害と言うべきなのか・・・【種族スキル】はその種族固有の物であり、他で取得できない切り札にもなりうるスキルである。それが無いために他の種族を選んでしまうプレイヤーも多いのだろう。


しかし、俺はそんなことは百も承知なのだ!


「委細承知! 確かに【種族スキル】が無いのは痛手だが・・・代わりに俺は()()を使わせてもらう!!」


そう言って俺が取り出したのは一枚の【獲得券(チケット)】。


「【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】~~♪」


俺が某ネコ型ロボット風に、【獲得券(チケット)】を天高く提示すると・・・


「なんでドラ○もん風なのよ」


「【戦人】の口上とのギャップが激しいですね」


との無粋なツッコミが。・・・実は俺もそう思っていたのは内緒である。


「それで? なんなのよ、【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】って?」


「ふふん、それはな」


俺が得意満面に説明しようとすると・・・


「文字通り【リヴァイヴスキル】を取得できる【獲得券(チケット)】ですね。【転生】時にしか使用できず、さらに【種族スキル】も取得できなくなってしまいますが、代わりに【リヴァイヴスキル】という特殊スキルが使用できるようになります。ただし、【リヴァイヴスキル】の内容はランダムで決められる為、どのようなスキルになるかは結果を見なければわかりませんが」


・・・レリエルに説明を奪われてしまった。説明は間違っていないのだが・・・俺が説明したかった。


そう、【リヴァイヴスキル】は俺が見つけた【種族スキル】の代わりとなるスキルだ。


最初は特殊なアイテムを使って特別な種族に【転生】できないかトーナメントの賞品である【レアアイテム獲得券(チケット)】で調べていたのだが、その過程で【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】の存在を知ったのだ。


結局、俺は【戦人】に【転生】することに決めたので、せっかくだからと【レアアイテム獲得券(チケット)】を【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】に交換して使うことに決めたのだ!


唯一ネックなのが【リヴァイヴスキル】の内容がランダム決定と言う事なのだが・・・ここは一つ、運を天に任せようと思う。まあ、どんなスキルだろうと、弱くなることは無いだろう・・・多分・・・いや、きっと! どんな結果になろうと一片の悔いなし!(しつこい)


「なるほどねぇ・・・それがアルクが考え抜いた結論なのね」


「考え抜いた割りに最後はギャンブルっぽいですけどね」


その通りだ、二人とも。


今現在、俺が選択できる【種族】と俺の戦闘スタイル、その他諸々を吟味した最良の結論だと自負している。


・・・まあ、【リヴァイヴスキル】は確かにギャンブル性が高いが。ラングの所の【インフォガルド】にも情報が無かったし。


「それでは、その【獲得券(チケット)】と【進化の宝玉】を持って【転生陣】の中心へ行き、祈りを捧げてください。【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】は手に持っていれば自動的に使用されます」


・・・どうでも良いが、レリエルってこっちの話に全然乗っかってこないな。優しい雰囲気とは裏腹に、作業的に淡々と進めていくし・・・同じ【天使】でもゼルエルとは大違いだな。


「わかった。それじゃあ、行ってくるな」


こうして俺は皆に見送られながら【転生陣】の中心へと歩み始めた。


ほどなくして中心に着く。


・・・えーっと、祈りを捧げれば良いんだよな。


具体的にどうすれば良いんだ? 俺を【戦人】に!とか叫べば良いのか?


なんて考えていると・・・


『【戦人】に【転生】しますか?』


あ、メッセージが出てきた。なるほど、アテナたちが何か言っていたのはこれか。


「YESだ!」


『【リヴァイヴスキル獲得券(チケット)】を使用しますか?』


「勿論、YES!!」


そう俺が答えると・・・


『申請を承認。これより、プレイヤー名アルクの【戦人】への【転生】をとり行います』


というメッセージと共に、天から、地から、そして手に持った【進化の宝玉】から光が溢れ、俺の全身を包み込んだ。


・・・


・・



気が付くと俺は、何も無い空間にいた。


いや、何も無い、というのは語弊があるか。


正確には俺の前に・・・()()()()


ここは・・・ゲームに初めてログインした時の、キャラメイクした時の空間と同じだ。


つまり、俺は自分自身を・・・自分のアバターを第三者の目で見ていることになる。


これはあれだな。種族によっては見た目が大きく変化する場合があるから、貴方はこんな見た目になりますよーというゲーム側からの配慮だな。鏡を見て確認するのとは違って、これなら自分の背中だって確認できるし。アテナが言っていた自分で【転生】するときのお楽しみっていうのはこういうことか。


しかし・・・ぶっちゃけ【戦人】って【人間】との見た目の差異って無いんだよね。より戦闘面に特化した【人間】が【戦人】なわけで・・・つまり外見は【人間】のままなのだ。


なので、こうして俺の姿を見せられても・・・なんにも変わってねぇじゃん! としか言えないんだよなぁ。


ま、まあ大事なのは外見じゃない! 中身だ! 見た目は変わらなくてもこれで俺は飛躍的に強くなっている・・・はず!


・・・はぁ。あとは【リヴァイヴスキル】に期待しよう。


それにしても、だ。


ゲームのアバターとはいえ、こうして俺自身を第三者の視点で見ていると・・・


「なんか俺がもう一人いるみたいだな」


と何気なく呟いてしまった。
















ドクンッ!!!


「・・・え?」


『【固有(オリジナル)能力(アビリティ):天醒者】の効果により【天醒:天理分裂】が発動しました』


「・・・は?」


なんだ? と思う余裕も無く、俺の意識は・・・闇に包まれた。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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― 新着の感想 ―
[一言] 戦人ってつまりあれだろ? 上半身服着れないOR露出多めの服なら着れるんだろ? (先住民族感)
[一言] キャー! 戦闘民族だー!
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