祝勝会
それから約1時間ほど経過して準備がほぼ整い、続々と人が集まりつつあった。
なお、今回の祝勝会の参加者は【アークガルド】【インフォガルド】【アイゼンガルド】の三クラン・・・だけではない。
「やあ。お言葉に甘えて来たよ」
「ど~も~。お誘いいただきありがとうね~」
最初にやってきたのはクラン【双星騎士団】のメンバーだった。
そう、今回は交流会兼【レギオンガルド島】のお披露目を兼ねて他所のクランも招待したのだ。
バトルトーナメントでラングの奴がちゃっかり連絡先を交換していたので、縁のあるプレイヤー、クランを片っ端から呼んでもらったのだ。
「よう、ラーサー、シャンテ。よく来てくれたな」
【双星騎士団】のメンバーもほぼ全員来てくれたそうだ。ラーサーやシャンテ以外にもトーナメントで見た顔がちらほら。100人近い参加者になったそうだが・・・フッ、俺たちの【レギオンガルド島】はまだまだ余裕だな。
なお、ラーサーたちはいつもの鎧姿ではなく普通の服を来ている。当たり前だが。
「僕たち【双星騎士団】はあんまり他所のクランとは交流はなかったんだけどねぇ・・・トーナメントで色々思うことがあってね。参加させてもらうことにしたよ」
トーナメントは本当にいろんな連中がいたからな。そんな連中の話を聞くだけでもためになるだろう。・・・まあ、一部、参考にならない連中もいたが。
「それにしても~。無人島まるごど買っちゃうなんて太っ腹ねぇ~」
「ハッハッハ! ・・・ノリと勢いで買ってしまったぜ!!」
「さすが~トーナメント優勝者ねぇ~」
・・・さすがなのだろうか? まあ、優勝賞金で買ったからそうなのか?
「まだまだ他にも来る予定だから適当にくつろいでいてくれ」
会場となる【レギオンガルド島】の南側には大量のテーブルとイスが並べられている。適当に座ってもらって飲み食いしてもらう予定だ。
「わかったよ。話はまた後で、だね」
「了解よ~」
そう言って【双星騎士団】の連中は思い思いに散っていった。
続いて現れたのは・・・
「アルクさん! お誘いありがとうございます!!」
「コ~ン!!」
クラン【モンスターイズライフ】だった。リーダーのミーシャが代表して挨拶してくれた。その傍には彼女の【眷属】のキュウちゃんもいる。
「よう、ミーシャ。来てくれてありがとうな」
「いえいえ!【眷属】の皆も一緒に連れてきて良いなんて本当にありがたいです!!」
本人の言った通り、ミーシャの後ろにはクランメンバーであろうプレイヤーたちとそれ以上に大量の【眷属】軍団が。さすが、ゲーム随一の【眷属】クラン・・・半端ない数だ。それでも俺たちの【レギオンガルド島】は余裕だがな!
「アルクさん、こちらがうちのクランの副リーダーのバルバラちゃんです!!」
「どどどどうみょ、よろしくお願いしましゅ」
どもりまくり、噛みまくりの彼女・・・バルバラ? ミーシャと同じくらいの女の子だが・・・緊張しているのだろうか? まさか俺の顔が怖いとかじゃないだろうな。それだったらショックなんだけど。
「そう緊張しないで好きにくつろいでくれ」
「おおおお気遣い、ああああありがとうございます! そそそそうさせてもらいます!!」
・・・まあ、いきなりリラックスしろって言うのも無理だよな。
「ミーシャ、あっちにアーニャとアーテルたちが居るからそっちに行ってくれるか。【眷属】たちも島内で好きに遊んでもらって良いから」
「はい! アーニャ様とお話するのとっても楽しみにしていました」
「コ~ン!!」
「キュウちゃんもアーテルさんたちと遊びのを楽しみにしていたみたいです!」
そう言ってミーシャたちも移動していった。相変わらず【眷属】たちとも仲良しだね。
続いて現れたのは・・・
「お招きいただきありがとうございますわ」
女性だけのクラン【アマゾネスプリンセス】の皆さんだった。
そのリーダーであるエルザリートが優雅に挨拶してくれる。なんというか・・・この人、気品があるというかドレスが似合うというか・・・上品な感じだな。
彼女の後ろには女性プレイヤーたちがずらりと。うーん、ドレスを着ているのもいればメイド服なり野暮ったい恰好の人とか色々いるな。
「ようこそ、マドモアゼル。こちらこそ、招待に応じてくれて感謝していますよ。うちのクランの女性陣もあなた方に会うのを楽しみにしていたので、来てくれた彼女らも喜んでいますよ」
・・・相手に合わせたつもりはないが・・・なんか微妙にキザッぽい話し方になったしまった。
「これはご丁寧に・・・アルマさんたちとのお話も楽しみですが、私は貴方からもお話を聞きたいですわね? トーナメントに優勝なされた貴方に、ね」
「ええ、こちらも是非に」
そう言って俺はアテナたちがいる場所へエルザリートを案内した。
なお、道中でエルザリートの後ろをついてきていた女性陣が「意外と紳士的ね」「もっと粗暴な人かと思ったけど」「姫を前にして堂々とした立ち振る舞い、さすがね」とかなんとかひそひそ話していたが・・・深くは考えないことにした。
続いてやってきたのは・・・
「よう、ヴァラット。よく来てくれたな」
【兵器】開発を中心としたクラン【ヴァーミリオン】だった。
「うむ、招かれたからな。・・・それに研究ばかりでも気が滅入ると思ってな。気分転換にもちょうど良い」
研究命のきらいがあるヴァラットたちはてっきりこういった催しには来ないかもしれないと思ったが・・・こっちはこっちでトーナメントで良い影響を受けているようだ。
・・・だが、ヴァラットやその後ろにいる【ヴァーミリオン】のメンバーたち全員、白衣を着た研究者っぽい恰好を崩さないのはさすがだと思う。
「紹介しよう。【ヴァーミリオン】の副リーダー、シェリルだ」
「・・・どうも」
そう短く挨拶をしてきた白衣を着た女性。長い髪はくせっ毛なのか所々はねており、なによりぐるぐる眼鏡をかけているのがいかにも研究者っぽい。・・・きっとあのぐるぐる眼鏡の下には美人さんの顔が隠れているんだろうな。
「あっちでアヴァンたちが待ってるぞ。・・・議論するのは勝手だが、くれぐれも熱くなりすぎないようにな」
この手の研究者は議論に夢中になると、周りに目がいかなくなるからな。
「さすがに承知している。祝いの場を汚すようなことはしない」
「・・・」
ヴァラットはそう言い切るが、シェリルは困った顔をしているな。・・・後でアヴァンにも一言言っていこう。
続いてやってきたのは・・・
「お招き、ありがとう!!」
「やあ、アルク君! 今日は君の優勝祝いだ! 大いに盛り上がろう」
クラン【GGGヒーローズ】とクラン【クラッシュヘブン】だった。
それぞれのリーダーであるマックスとヘブンが挨拶してくれた。
・・・それは良いのだが、なんでよりにもよって暑苦しい二人が一遍に来るのか?そしてこの人たちはろくに話したこともない俺相手に何故ここまで盛り上がれるのだろうか?
「こちらこそ来てくれてどうも。だが、この祝勝会は優勝祝い以上にトーナメントで戦った戦士たちのお疲れ会でもあるんだ。俺に構うんじゃなくて自分たちのクランの戦った奴らを労ってやってくれ」
別に俺は、俺を祝ってほしくて呼んだわけじゃないからね? いくら俺でもそんな自意識過剰じゃねぇよ?
「・・・おお! なんという殊勝な心がけ!!」
「優勝したにも関わらず、驕らず他者に気配りで来るとは・・・素晴らしい!!」
「ならば我ら一体となって場を盛り上げさせてもらおう!!」
「「ハッハッハ!!」」
・・・う~ん、前から思っていたがこの二人・・・微妙にキャラが被ってるな。
とりあえず暑苦しいのでさっさと両クランを案内する俺。
この後も続々とプレイヤーたちがやってきた。今回はベスト16だろうがクランに所属していようが関係なしに縁があるプレイヤーは可能なかぎり呼んである
クラン【星影】やクラン【グランツシャッテン】の連中も来てくれたが・・・クラン【秘密結社DEATH】とクラン【カタストロフィ】は呼んでいない・・・というか連絡先を交換する前にバックレやがったので呼べなかったそうだ。
・・・カオスの奴も呼び出して話を聞きたかったんだがな。あの野郎、フレコ交換する前に逃げやがったからな。
連絡先が分からない以上、呼ぶこともできなかったわけである。
まあ、連絡先を交換できた奴は大体来てくれたらしいからまあ良いか。
そして最後に来たのは・・・
「ハーッハッハッハ! 我輩が来てやったぞ!!」
偉そうにやってきたのはベルバアル率いるクラン【ディアボロス】だった。
「・・・一番最後に来た分際で、随分偉そうだな、ベルバアル? うん?」
「・・・すいませんでしたー!!」
情けない声をベルバアルがやってきたのを最後に、参加者が揃ったのでいよいよ祝勝会を始めることとなった。
(*・ω・)*_ _)ペコリ
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