それは偽りの平穏か
・・・
『アカWQドeW確B2esVパΣ』
・・・また・・・これか。
『プπ言r4JB率HδιせYψ%』
・・・だから・・・何を・・・言ってんのか・・・わかんねぇっての。
『QT対juプレucR3アをvζ定』
・・・そもそも・・・誰が・・・喋って・・・るんだ?
・・・駄目だ・・・かんが・・・えが・・・うま・・・く・・・ま・・・と・・・
・・・
・・
・
『【世界記憶】へのアクセスパスの開通に成功』
『同時に取得データの解析・言語変換に成功』
・・・は?
『監視対象プレイヤーの覚醒率・・・100%』
『監視対象プレイヤーの【固有能力】を検索・・・終了』
『プレイヤー名、アルクの【固有能力】を【天醒者】と断定します』
・・・なん・・・だって?
・・・
・・
・
「・・・ハッ!?」
気がついた俺は勢い良く顔を上げる。
ゴチンッ!!
「ぐあっ!?」
「いった~~~!?」
そこで頭を思いっきりなにかにぶつけた。
俺の悲鳴と同時に別の誰かの悲鳴も聞こえた。・・・この声は・・・アテナ?
「ちょっと!? 急に頭を上げないでよ!? 痛いじゃない!!」
「ああ、悪い悪い」
実際にはゲームの中なんだからそれほど痛くは無いだろうに・・・とはいえ、俺も物凄い衝撃だったから文句は言えないな。ホント、こういう細かい所で良くできてるよな、このゲーム。
「・・・って、あれ?」
顔を上げ、周囲の状況を見渡してようやく自分の状況に気づく。
どうやらここはクランホームの中庭・・・噴水の前みたいだ。
その噴水の前に置かれているテーブルとイス、そのイスの一つに俺は座っているようだ。
「あれ? じゃ、無いわよ! ログインして来てみたらテーブルに突っ伏して死んでるみたいに動かないから心配しちゃったじゃない!!」
死んでるみたいって大げさな・・・
「まあまあ、落ち着いてください、アテナ。・・・それでアルクさん、こんな所でどうしたんですか?」
アルマもいたのか。まあ、二人は一緒にログインしてくるんだから当然か。
それにアーテルたち【眷属】軍団もテーブルを囲うように集まってきている。
「クルッ!」「だうっ!」
特にアーテルとアウルが心配そうに俺を見ている。
「どうしたって言われてもなぁ・・・」
・・・はて? 俺はなんでここに?
確か今日は・・・バトルトーナメントの優勝賞品の確認と分配の相談のためにログインしてきて・・・そこからは覚えてないな? いつの間に俺は中庭まで移動してきてイスに座ったんだ?
それにテーブルに突っ伏してって・・・居眠りでもしていたのだろうか? そのせいで記憶が曖昧なのか?・・・いや、まさかな。第一、ゲームの中で睡眠なんてないし。今だって・・・というかゲームの中で睡魔に襲われた事なんて一度も無いし。・・・気絶っぽい事はしたことがあるけど。
つまり・・・俺は気絶してた? なんで? ・・・駄目だ。まったく思い出せない。
「・・・うーん、思い出せないな。アーテル、アウル。なにか見てなかったか?」
「クル?」
「だう?」
俺の質問に首を傾げるアーテルとアウル。どうやら何も見ていないようだが・・・おかしいな。俺がログインすると真っ先に駆け寄って来る二人が俺の姿を見ていないなんて・・・そういえば俺がログインした時、いつも賑わっていたクランホームが静かだったような・・・
「・・・カイザー、お前は? 何か見ていないか?」
【眷属】たちの監督役・・・もといお兄ちゃん役になりつつあるカイザーに質問する。
「・・・申シ訳アリマセン。我々ガカクレンボヲシテイル間ニ、マスターアルクガ来ラレタヨウデ、気ヅイタ時ニハ既ニ・・・ソコニ、マスターアテナトマスターアルマガ来ラレテ今ニ到リマス」
・・・ふむ、そうか。クランホームがいやに静かだったのはカクレンボで遊んでいたからだったのか。皆が隠れていて鬼が探し回っている時に、俺がたまたまログインしてきたから誰も見ていなかった、と。
「・・・アーニャたちは?」
「まだ来ていないようですね」
となるとメンバー内で俺が一番乗りだったってことか。
つまり目撃者無し。
となると・・・俺の身に一体なにが!?
「どうせ、誰もいなかったからボーっとして待ってたんじゃないの?」
アテナが顎を抑えながらそう言ってきた。・・・そんなに痛かったの? ゴメンよ。
・・・まあ、そんな所なんだろうな。ゲームの中ではあるが、無意識のうちに楽な姿勢を取ろうとして机に突っ伏したって所か。
・・・覚えてないけど。
まあ、ここは関係者以外は立ち入り禁止のクランホームだし、俺に危害を加えるような奴はうちのクランにはいないだろうし、俺に何かあったっていうよりそう考える方が妥当だな。
・・・いや、待てよ? ラングやガット辺りなら・・・なんかやってきそうな気がする。新手の罠アイテムを入手したからその実験台にー、とか・・・さすがにそれは無いか。・・・でも後で確認しておこう、念のために・・・そう、念のために、な。
「アルクさーん!!」
「皆、早いのだ」
「お疲れ様っす! アニキ!!」
「遅くなってすいません」
お、アーニャ、アヴァン、アシュラ、アスターも来たか。
「全員、揃ったか・・・んじゃ、会議室に行くか」
なんで俺が気絶(?)してたかは気になるが・・・ステータスを見る限り状態異常にかかっているわけでもないし、持ち物も何かなくなっているというわけでは無いから物取りに襲われたなんてこともないだろう。実害があったわけでは無い以上、あまり気にするのもな。せいぜい、運営にメールを送っとくくらいで良いだろう。
それよりも賞品の使い道を決めて、次に進まないとな。
バトルトーナメントが終わってもやりたいことはまだまだたくさんあるんだからな!
・・・の、はずなんだけどなぁ・・・
・・・なんかとても大事な事を忘れている気がする。
なにかすっきりしない思いを抱えながらも俺は会議室へと向かった。
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