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モンスターイズライフ

===転送===>観客席


「たでーまー」


試合に勝利し、観客席へと戻る俺と、


「だーうー!」


「・・・クルー」


元気一杯なアウルと落ち込み気味なアーテルである。


アーテルは既に自我を取り戻し、【幼体】の姿に戻っている。


・・・のだが、何時もの元気が無い。


アーテルの【魔龍覚醒】が発動した後は大体こうなる。どうも自分のしたことは断片的に覚えているらしい。・・・派手に暴れまわったとはいえ、今回の試合ではかなり助けられた・・・むしろアーテルがいなかったら負けていたかもしれないし、気にする必要は無いと思うんだが・・・アーテルは気にするようだ。


どうも、そこまで追い込まれたことへの不甲斐なさと俺の呼びかけを無視してしまうことを気にしているらしい。


別にわざとっていうわけでもないわけだし、追い込まれたって点ではむしろ俺の指示ミスの方がでかいわけで・・・むしろ気にするのは俺のほうなわけなんだが・・・やばい、俺まで落ち込んできた。


「おかえり! 良く勝てたわね!!」


「アーテルくんもアウルくんも頑張りましたね」


「すごかったのです!!」


「うむ、強敵だったのだ」


「大迫力だったっす!!」


「本当に、よく勝てましたね」


そんな俺たちを迎えてくれるアテナ、アルマ、アーニャ、アヴァン、アシュラ、アスター。


そして・・・


「ピュイー!」「がお!」


「キュイー!」「キュアー!」「キュウー!」


「あい!」「まう!」


「「オ疲レ様デス」」


ホームにいるはずのフィオレ、レオーネ、ブラン、ノワール、テール、ミコト、ルドラ、ラグマリア、カイザーたち【眷属】軍団。


・・・なんでここに居る?


「私達で呼んでおいたのよ」


「ほら、アーテルくんがあの姿になってしまったので・・・」


・・・そういえば【ヤマタノオロチ】戦で【魔龍覚醒】が発動して落ち込んでたアーテルを【眷属】軍団たちが慰めてたな。


【眷属】たちには【眷属】たちで友情みたいなものがあるらしい。


「・・・クルー」


「キュイ!キュイ!」


「キュア、キュアー!!」


「キュウー!」


「クルー、クルー・・・」


「がお!がおがお!」


「ピュイー!」


「あい!」


「まう!まうー!!」


「だう、だう!!」


「・・・クルッ!!」


・・・相変らず何を話してるのかまるで分からないが(笑)


「少シハ元気ガ出タヨウデスネ」


だから、なんでお前はアーテルたちの言葉が分かるんだよ、ラグマリア。


「暴走ハリスクガ高スギマス。ナントカシテアゲタイ所デスガ・・・」


・・・そういえば最初に会った時、お前も暴走していたな、カイザー。


しかし、確かにカイザーの言うとおり【魔龍覚醒】には色々問題がある上にアーテル自身が落ち込んでしまうからな。なんとかしてやりたいと思うが方法が、な・・・・だが、今回の試合でアーテルは最後の最後で少しだけ自我を取り戻していたように見えた。


【魔龍覚醒】も完全な暴走スキルではなく制御する条件みたいなものがあるのかもしれない。要検証だな。・・・そう簡単は検証できないけど。


「ちびっ子のことはちびっ子たちに任せるとして・・・アルクよ、装備を損傷したじゃろ? 修理してやるから出せい」


ガットの奴が手をクイクイさせている。別に自分でも治せるが・・・まあ、気を使ってくれていると解釈して大人しく【攻鎧アルドギア】を渡す。


「予備の【ビートル君】も渡しておくのだ。・・・分かっていたのだが、強敵相手には耐久力不足なのだ。あっけなく壊されすぎなのだ」


・・・うーん、アヴァンの言うとおり、このトーナメントで何機も【ビートル君】を壊してしまっているが・・・【ビートル君】自体も決して脆いわけでは無いんだけどね。シールドだってはれるし。


「それは相手が悪いじゃろう。ワシの作った装備も次々と壊されるからのう・・・かなり頑丈に作ったはずなんじゃがなぁ」


ガットの奴も遠い目をしている。仕方が無いとはいえ、自分たちの作った自信作を壊されるのは堪えるのだろう・・・もっともコイツラはそれをバネにしてより良い物を作ろうとするたくましいヤツラだから大丈夫だろう。


「最終戦まで残ってるプレイヤーはいわばこのゲームにおけるトッププレイヤーたちだからね。装備やスキルも一級品だ。それはアヴァンくんやガットが作ったものもそうだろう? 一級品同士のぶつかり合いじゃあ、そういうこともあるさ」


ラングの奴が珍しく慰めるような言葉をかけている。


「そうだな。実際、かなり助けられてる・・・むしろ無かったらやばかった事の方が多いからな。・・・感謝はしてる」


ここは俺も乗っかっておく事にしよう・・・なんせぶっ壊した要因は俺にもあるわけだしな。


「そうそう・・・だから君たちの優秀な作品を是非うちの【インフォガルド】に・・・」


「やっぱりそれかよ!」


ラングの奴どさくさに紛れて何言ってんだ・・・あ、ロゼさんにどつかれた。


ガットやアヴァンが作った物を欲しがる気持ちはよく分かるが・・・せめて素材を集めてきてからお願いしろよ。


・・・おっと、そうだ。


「ラング、お前確か【モンスターイズライフ】に伝手があるんだよな? トーナメントが終わった後でミーシャと連絡が取りたいんだが・・・」


ミーシャは俺たちに憧れてみたいなことを言っていたが、正直【眷族】の扱いに関してはあっちの方が上だ。キツネや【真体】の事もあるし、色々話を聞いてみたいところだ。


「・・・なんだい? アルクはあーゆー子が好みなのかい? ・・・絵づらが犯罪っぽくなるからナンパは・・・グホッ!?」


・・・なのだが、なにやら盛大に勘違いしだしたラングに蹴りを入れる。・・・うん、今のが綺麗に鳩尾に入ったな。


「あんまりふざけた事言ってると・・・蹴るぞ?」


「もう蹴ってるじゃないか!?」


腹を押さえて蹲っているラングが叫ぶ。


「いや、腹じゃなくてもっと下のほう・・・股の間くらいを・・・」


「勘弁してください」


ラングの速やかな謝罪が入ったので許してやることにする。


「アーニャも、ミーシャちゃんとはお話してみたいのです!!」


話に入ってきたアーニャもミーシャとその【眷属】には興味あるようだ。・・・いまだ蹲っているラングをスルーするあたり、アーニャもラングの扱いが分かってきたようだ。


「・・・ふぅ、分かったよ。僕も是非話を聞いてみたいしね。きっと向こうも快諾してくれるはずだ」


腹を押さえながら立ち上がるラング。まあ、コイツも興味はあるだろう。トーナメントでミーシャが【召喚】したモンスターたちはラングたち【インフォガルド】でも知らないやつばかりだったらしいし、最後の【オウビギツネ】・・・キュウちゃんには興味津々だろう。


「よろしく。・・・さて、頑張ってくれたアーテルとアウルにご褒美上げないとな。・・・アーニャ、頼む」


「了解なのです! さあ、みんなー! 頑張ったご褒美にご馳走なのです!!」


アーニャが次々と料理を並べていく。


「クルー♪」「だう♪」


喜ぶアーテルとアウル。


「ピュイ!」「がお!」


「キュイー!」「キュア!」「キュウ!」


「あい!」「まう!」


「美味シソウデスネ」


「皆、順番デス。料理ハ逃ゲマセンカラ」


どさくさに紛れて随伴する【眷属】軍団たち。・・・ちゃっかりしてるねぇ。まあ良いけど。


プレイヤーではないが【眷属】たちも【アークガルド】の一員、仲間だからな。


しっかりねぎらわないと、な。


「・・・【アークガルド】の【眷属】たちは一般プレイヤーより大分上等な物を食べてると思うよ?」


「うむ、端から見ると羨ましい限りじゃのう」


そんなツブヤキをしている奴らがいたが・・・気にしない。


・・・俺も混ぜてもらおう。


ちなみにこんな感じ


「・・・クルー」(・・・またやっちゃった)


「キュイ!キュイ!」(気にする事ないよ!勝ったんだから!)


「キュア、キュアー!!」(そうそう、よく頑張ったよ!)


「キュウー!」(相手も強かったしね!)


「クルー、クルー・・・」(でもまたマスターに迷惑かけちゃった、僕なんて・・・)


「がお!がおがお!」(そんな事無いよ!あの人が迷惑だなんて思うもんか!)


「ピュイー!」(その通りよ!)


「あい!」(きっと感謝してくれてるわ!)


「まう!まうー!!」(もっと強くなれば良いんだよ!誰にも負けないくらい強く!!)


「だう、だう!!」(そうそう、一緒に頑張ろ!!)


「・・・クルッ!!」(・・・うん、僕頑張る!!)

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