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モンスタークイーン

「いでっ!?」


「クルッ!?」


地面に叩きつけられる俺とアーテル。


幻覚とは恐れ入った。一体何時の間に入れ替わったのか・・・そして何時の間に俺たちに近づいていたのか・・・まったく分からなかった。


・・・だが、やられっぱなしではいられない。


バンッ!バンッ!バンッ!


俺は立ち上がることすら忘れて【グランディスマグナム】の実弾モードで、俺たちを殴りつけたであろうキツネたちを狙い打つ。


・・・だが・・・


「・・・ッ!?」


俺たちの上空にいたはずのキツネたちだが・・・弾丸が素(・)通(・)り(・)した。


・・・やはり何時までも同じ場所にはいなかったか・・・だがどこへ行った?


立ち上がって周囲を見渡すも・・・影も形も見えない。空は快晴、なぜか雨が降っているとはいえ視界は悪くないのに・・・


「・・・大丈夫か、アーテル? ・・・直ぐに次が来るぞ」


「クルッ!!」


けなげにも直ぐに立ち上がり俺の背後にまわるアーテル。


・・・それにしてもうっとおしい雨だな。視界を防ぐほどではないにしろ、極度に集中しているこの状況ではちらちら視界に入るのすらうっとおしい。


・・・だが、不思議な事に雨は降っている物の、地面に溜まる様子が無い。それに雨音も聞こえない。


この雨が幻覚と関係あることは間違いない。


問題は・・・この雨が幻覚の原因なのか、それとも・・・この雨すら幻覚なのか・・・


「クルー!!」


突如としてアーテルが叫んだと同時に、アーテルに襟口を加えられその場から離された。


ドゴッ!!


と、同時に地面に穴が空いた。


見るとキツネの尻尾がまるで槍で突き刺したかのように地面に突き刺さっている。


当然、その尻尾の出元であるキツネとその上に乗るミーシャの姿が・・・すぐ近くにあった。


・・・また気づかなかった。何時の間にこんな近くに。


気配すら感じない・・・気配すらも惑わす幻覚なのか・・・


いや、それよりも・・・


「アーテル・・・今の攻撃、見えたのか?」


「クルー・・・」


俺の問いにアーテルは・・・首を横に振った。・・・俺の服を咥えたまま首を振るなよ。


だが、どうやらアーテルにも見えていないようだ。なら何で分かったのかと言えば・・・アーテル自身も分からないようだ。


野生の勘だろうか? 動物の危機察知能力的な? どちらにせよ助かったが。


再び、アーテルの背に乗り、空中を駆ける。止まっているのは危険だ。


キツネとミーシャの姿は再び消えてしまった。どこにいるのか再び分からない状況だ。


・・・だが、どうやら攻撃の瞬間には相手の姿が見えるらしいな。それに、今の一瞬は気(・)配(・)が(・)し(・)た(・)。


どうやらあのキツネの幻覚は相手の認識を弄るタイプらしいな。攻撃の瞬間だけその認識が焦点が合うように一致する。アーテルが気が付いたのは俺よりも感覚が鋭いからか・・・もしかしたら匂いとか微妙な空気の振動とかを無意識に感じ取っているのかもしれない。


ただ、そのアーテルでさえ気が付くのは攻撃の直前・・・少なくとも今はどこかは分からないようだ。


となると・・・向こうが攻撃をしてきた瞬間にカウンターを狙うか? ・・・リスクが高いか? あのキツネの攻撃力も馬鹿にならないし、下手をしたらこっちが一方的にやられてしまう。


そうなるとやはりこの雨をどうにかするべきか? だが、この雨はいまや舞台全域に降りそそいでいる。ここまで大規模なものをどうにかできるか?


「クルッ!!」


「うおっ!?」


急にアーテルの姿勢が崩れる。見るとアーテルの左の翼をかするようにキツネの尻尾があった。


「!!」


バンッ!バンッ!


俺は【グランディスマグナム】で咄嗟に背後を撃つが・・・手ごたえは無い。


・・・このままじゃジリ貧だ。なんとかキツネの位置を捕らえて反撃しないと。


「・・・【ビートル君】全機発進」


最後の希望を託すように小型偵察メカ、【ビートル君改】を10機全て発進させた。


・・・【ビートル君改】のセンサーにもキツネたちの反応は無いようだ。それでも他に方法が無いのでなんとか発見を託して全周囲に飛ばす。


・・・のだが、当然そんなに上手くは行かないだろう。なんせ【ビートル君改】は他の試合でも見せてるし、な。つまり、ミーシャも知っているはずなので・・・


ボンッ!!


突如、少し離れた場所にいた【ビートル君改】の1機が爆発した。


・・・いや、あのキツネが打ち落としているのが見えた。


「そこか!バスターモード!!」


「クルー!!」


すかさず【グランディスマグナム】のバスター砲と【レーザーブレス】を撃つ。


・・・駄目だ。外れたらしい。


再び姿を消すキツネ。


ボンッ!!


と、思ったらまた別の場所の【ビートル君改】が破壊された。


・・・冷静に着実に、こちらを潰すつもりか。自分たちが圧倒的有利になっているはずなのに、俺たちに迂闊に攻撃を仕掛けず、危険分子を丁寧に一つずつ排除していく・・・そして今の俺たちにはそれを防ぐ術が・・・無い。


ボンッ!!


3機目もやられたか・・・このままじゃあ・・・


ボンッ!!


4機目・・・


ボンッ!!


5機目がやられた所で・・・とうとう見つけた!!


「上だ、アーテル! 上昇しろ!!」


「クルッ!!」


そ(・)の(・)場(・)所(・)に向かって急上昇する。


もっとだ。もっと上!


軽く数百メートル上昇した所で・・・そ(・)の(・)場(・)所(・)を見つけた【ビートル君改】と合流する。


その場所とは・・・そう、雨(・)が(・)降(・)っ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)場(・)所(・)だ。


この雨が幻覚に関わる物であることは間違いない。なので【ビートル君改】たちには雨の無い場所・・・つまり幻覚に影響が出ない場所を探してもらっていたのだ。


空が快晴である以上、この雨は雲からではなくどこかの地点から降りそそいでいるのだろうと予想はしていたが・・・ビンゴだった。


変な状況だが・・・空のある地点から突然雨が降っている。俺たちはさらにその上へ行くことで雨を回避した。


反転し、下を見下ろすと・・・いた。


どういう理屈かは分からんが雨の中だと見えなかったキツネとミーシャの姿が・・・はっきりと。


こちらに向かってきている。他の【ビートル君改】を無視して俺たちを追撃してくるようだ。


だが、姿が見えたのなら、こっちかも反撃可能だ!!


「アーテル!【レーザーブレス】!【シャイニングフェザーインパクト】!!」


「クルー!!」


こちらに向かってくるキツネに対してアーテルが攻撃する。


「【二尾:尾盾】!!」


「コ~ン!!」


攻撃は・・・当たった!! 雨の中だと素通りだったが・・・外から攻撃なら当たるらしい。


同時に雨が止んだ。・・・どうやら幻覚は尻尾を他のことに使うと消えてしまうらしい。だからあの雨の中では【狐火】みたいなスキルは使わなかったのか。


いずれにせよ、今が好機!!


俺は【グランディスマグナム】を仕舞いつつ、アーテルから飛(・)び(・)降(・)り(・)た(・)。


キツネは今だアーテルからの攻撃から身を守るために尻尾に包まれている。こっちの動きを邪魔できないはずだ!


「【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】!」


スキルの使用により俺の左手が黄金に輝きだす。


「【フレイムバースト】!!!」


さらに俺の手の中に炎の塊が現れ、それは【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】の効果でどんどん大きくなり、威力を増していく。


「うおらぁああああ!!」


俺はそれを思いっきり尻尾でガードしているキツネに叩きつけた!!


ドゴッ!!!!!


「コーーーーン!?」


「キュウちゃん!?」


その威力にガードごとキツネは吹っ飛ばされ地面に叩きつけられる。


さっきのお返しだぜ。


・・・だが、これで俺のMPも0になった。


しかし、キツネもミーシャも・・・まだ生きている。


「行くぞ、アーテル!追撃だ!!」


「クルッ!!」


即座に俺の元に来るアーテル。その背に乗り急降下する。


ここで決めなきゃまずい。


必死にキツネたちの追いすがろうとする俺たち・・・を余所にミーシャは・・・


「やっぱりさすがですね、アルクさん」


静かに話し始めた。


「キュウちゃんがここまで押されたのは初めてです。だからこそ・・・奥の手を使わせてもらいます!・・・【仙弧神ダッキ】の力を借りて、今こそ!!」


「なに!?」


「【真体】化です!キュウちゃん!!」


「コ~~~~ン!!!」


キツネが・・・光に包まれた。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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[一言] ダッキはアカン、syレにならんしょ(白目)
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