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【最終話】魔獣も魔王も…。そして、気弱な神?と対面した。

芸術祭が終了し、勤務を終えた2人は帰宅の途に就いた。


何となくリルダはそのままアベルを抱き抱えていた。


今、アベルを離してはならない、そんな気がしたからだ。


リルダの胸の中が心地よかったのだろうか。アベルは安心したかのようにスヤスヤと眠っていたのであった。


(フフッ。よしよしかわいい、かわいい私の愛しいアベル。)


リルダは、ソッとアベルをベッドに寝かせると、チュッと額にキスをした。


そして、自分もササッと簡単に食事を済ませ、シャワーを浴び、ベッドに横たわると、あっという間に眠りに落ちていくのであった。


♢♢♢♢♢♢


いつの間にかリルダは濃い霧の中を、歩いていた。


すると、前方には大きな大きな魔獣がいた。


それは、リルダの実家、メイソン伯爵領に独自に生息している魔獣ベア・ベアーであった。


名称通り、まるで熊のような魔獣だ。

熊と比較すると、随分大きく鋭く大きな牙があり、非常に獰猛な魔獣だ。


「グルルルル…。」


唸り声をあげ、今にもこちらに襲い掛かかろうとしているかのようだ。


……リルダはそんな獰猛な魔獣に怯むことなく、いや、寧ろ嬉しそうにベア・ベアーに駆け寄っていったのだ。


そして、ささっと大きくて獰猛とされる魔獣を、軽々と抱き抱えるのであった。


「会いたかった。」横抱きにしたままの状態でぎゅっと抱き締める。

ベア・ベアーはリルダが思いっきり抱き締めても、○ぬことはない、そんなところも良い。


(モフモフ大好き。)


スーハースーハーしたり、思う存分撫で回したりした。


いつの間にか、ベア・ベアーが、黒くて大きく角のある魔王になっていた。


(ん?魔王。…。)


(まあ、いいか。)

ベア・ベアーはとても好きたけれど、実は最近魔王の事も、何度も倒しているにも関わらず、何故だかわからないが可愛く思えてきて…好きになってきたようだ。


そのまま、引き続きスーハーしたり撫でていた。

♢♢♢♢♢♢


またいつの間にか場面が変わり、とても静かで、何というか神聖な場所に来ていた。


視界がぼんやりしていたが、徐々に見えてきた。


そこには大きくて、人の形をした、長いモジャモジャの白い髪に瞳はオーロラ色だ。


その人のような者は、もじもじとして少しうつむき、モジャモジャの髪を両手で掴んでいた。


「あっ、、リルダ、リルダだね。」


「あぁ、やっと会えた。遅くなってごめんね。この世界をやり直しさせるのに、随分力を使ったようだ。」


そう言うと、大きな手の平の上にソッとリルダを乗せ「こんなに、こんなにも、小さな君を。巻き込み重大な事をさせている。今日も、あの子がずるずると引きずり込まれるきっかけを、すっぱりと断ち切ってくれたね。」


「リルダ、頼りない私だけれど、私は君を見守っているからね。」


大きな手で包み込まれる。とても温かく心地よかった。


♢♢♢♢♢♢


カーテンから太陽の光が差し込み、小鳥のさえずりが聞こえてくる。

……朝だ。


……夢か。


パッと目が開くと、赤色の瞳が飛び込んできた。


「おはよう、リルダ。」


「あっ、おはよう!アベル。」



自分よりも大きな身長のアベルの頭を撫でて、撫でた。


どうしても、たくさん撫でたくなったのだ。


そして、さっと横からアベルを抱き抱え、ぎゅっと力をいれる。


愛しい者が愛しい存在で在ることを確かめるように抱き締めたのであった。


           

                    終わり

   

いつも、お読みいただき、ありがとうございます!

最後までお読み頂きありがとうございました!!!


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