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アーク・ライズ 地平線から昇る太陽を夢見て  作者: 仲仁へび
第四幕 輝きを放つ世界

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エンディング



 数日後。


 この世界に満ちていた穢れは少しづつ減少していた。

 専門の観測所ができて、そこからの報告によると「これなら、数十年のうちに相殺できるようになるだろう」という事だった。


 蝕の問題を根本的に解決できると知った人々は、喜び、ちょっとずつ前を向いて歩いて行こうとしていた。


 そして、俺達は……。


 別の世界に流れ出した穢れを何とかしなくちゃいけないし、さられてきた人達を元の世界に返さなければならない。


 だからこれからやる事は決まっていた。


 旅立ちの日に見送りに来たクオンやフィー達に挨拶をする。


「さびしくなりますね。わたしたちもお力添えしたかったんですが」

「オルタさん、キャロさん、いつでも帰ってきてくださいね」

「ああ」

「ありがとう二人共」


 そういった後、クオンがキャロに近づいて、小さく話をしている。


「指輪、なくさないように気を付けてください。せっかくもらったものなのですから」

「わ、分かってるわよ」


 会話はよく聞こえなかったけど、キャロが自分の指にはまっているものを見つめてるから、例のアレのことなんだろうな。


 贈り物しようと思っても、俺じゃセンスがなかったからな。

 その節では、だいぶクオンの世話になった。


 そこに駆け付けてくるのはスズネ達。


「ひぃふぅ、間に合った。もうマルガリータさん達、人使いが荒いですよう」

「スズネの姉ちゃんがポカをやらさなかったら、もっと早く来れただろ」

「うぅ、そうだった」


 この世界に迷い込んだ彼らは、しばらくこっちに残るらしい。


 安定に向かいつつあるといっても、まだまだこの世界は混乱に包まれている。


 そんな世界を見捨てられないと言って、一年くらいはここにとどまるらしかった。


 そんな二人に声をかけるのは、遅れてその場に現れたアリス。


「私は転移魔法を使えるから楽でいいわ」

「あぁーまた使ってる! アリスちゃん、ずるいよぉ」

「いいよなぁ。遠くからでも一瞬で来れるんだから」


 汗一つ掻かずにその場に現れたアリスは、転移魔法を使うことができた。


 それはこの世界の人間にでも、容易にはできない魔法だ。


 それをこうも簡単にやってのけるとは。


 アーシェの代わりになるくらいだから、才能があったんだろう。


「スズネもユキもお人よしよね。おかげで私まで、あのうるさいおばさんに付き合わなくちゃ行けないんだから」


 口が悪いアリスはマルガリータの事を、おばさん呼びしてしょっちゅう文句を言っている。


 それでも、自分だけ元の世界に帰ろうとしないあたり、こいつも人がいいんだろう。


「お前たちがいてくれるなら、俺達も安心して旅立てるな」


 俺達も残りたいところだけど、穢れが流れ込んでしまった世界の状態が分からないからそうも言ってられない。


 余裕があるかもしれないし、早急に手助けが必要な場合もあるかもしれない。


 大丈夫そうだったら、早めに帰ってくるつもりだけど、どうなんだろうな。


 こればかりは、行ってみないと分からない。


 そんなこんなで、お別れの挨拶を交し合っていると、そこにコスモスとミナトがやってきた。


 別の世界に行くためにはあ、こいつらの手助けが必要だからだ。


 帰って来るつもりではいるけど、どれくらい先になるから分からないからな。


「別れはすんだか?」

「さて、準備できたぞ。ゆくか?」

「ああ」

「もちろんよ」


 こちらの準備が整ったのを見て取って、コスモスが音魔法を紡ぎ始める。


 光に包まれる視界の中で、最後に人工太陽の浮かぶ世界を目に焼き付ける。


 そいえば、他の世界の人達にこの世界の事を話す時、名前が無いと不便だな。


 じゃあ、その時はアーク・ライズとしよう。


「オルタ?」

「何でもない」

「そう」


 キャロと二人で手をつなぐ、次に訪れる世界はどんな場所だろう。

 閉じた瞼の裏で想像してみた。

 けれど結局浮かんでくるのは、この故郷の映像ばかりで。

 苦笑しながら呟いた。


「行ってきます」 



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