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魔道戦記  作者: taka@
14/20

第13章 控え室にて

モニターを見つめていたフレイは、担架で運ばれるガルシアスを見てため息をついた。


終わってみれば、結局シュウトレスの圧勝か。

フレイが密かにそう思う。


シュウトレスは、試合序盤で見せたスピードを途中で見せなくなったし、明らかにゴーレムが召喚されるまでは力を抜いていた。

そして、なんと言ってもまだ魔法を使っていない。


ゴーレムには、度肝を抜かれたが結果的にガルシアスの意外性はそれだけだった。


ガルシアス強いのに、な。

フレイが今までガルシアスと授業で対戦してきた事を思う。


闘技場では、誰も居なくなった中央に、ソフラが現れ、シュウトレスの勝利を告げると共に2回戦のアナウンスをした。


今度は、ドンテリオンとホカロダと言う魔導学科の最終年度と初年度の戦いだった。


二人が出場し闘技場で挨拶をする。


二人共、よく似た足元まであるローブを羽織っていた。

その中にアーマーを装着している。


ローブの真ん中には大きく獅子が描かれている。

ローブの色は、ドンテリオンが黒い紫で、ホカロダが暗い赤だ。


「構えて!!」

ソフラが言う。

ドンテリオンとホカロダが両手を前にし、相手の方へ手の平を向けた。

サルサ・ドーラと言う魔導士の構えだ。


攻撃も防御も出来る平均的な構えである。


そして、ホーンが鳴った。


フレイは試合が始まってモニターを見ていたが、不意に目を廊下の方へ走らせた。


そこへ、キュリオスが通る。


「おお!キュリオス!!」

フレイが声を掛けた。

キュリオスは、立ち止まりこちらを向く。

にっこりと笑うと、

「久しぶりだな!フレイ!」

と言った。


フリスレス達は、キュリオスの方を見ると、フレイに声を掛ける。

「あいつがフレイの親友のキュリオス?」

フリスレスが言う。

「ああ!お互い小さい時からの親友だ」

フレイはそう返すと

座っていた椅子から立ちあがり

「ちょっと、久しぶりにキュリオスと話してくる」

と言った。


椅子が急に持ち主が居なくなった事に驚いたように、音を立てる。


フリスレスは、キュリオスの方を向くと、右手だけ上げて挨拶をする。

コレブンはにっこり笑顔を見せている。


カリンは相変わらず、表情が分からない顔をキュリオスに向けていた。

その顔は、普通にキュリオスの方を見ているような気もするが、睨んでいるような感じもする。

キュリオスはそれに笑顔で一人ずつ応え、歩いて近付いてくるフレイを迎え入れた。


「最近、中々話せなかったな!」

フレイが言う。

「色々、忙しくて!そっちもだろ?」

フリスレスがフレイの言葉に応えて、腕を広げ逆に訊く。

右手には、キュリオスが好きな林檎が握られている。

まだ、食べられてはいない。

「ああ。毎日、文字どおり血反吐が出るほど訓練してるぜ!

入学してから何回気絶したか。」

キュリオスが笑う。

「やっぱりなあ。この学校の魔騎士学科は、厳しいで有名だもんな。」

「厳しいなんてもんじゃねーよ。あれは。まさに拷問だぜ。」

キュリオスが再び笑う。

「でも、魔導士学科も相当なもんなんだろ?」

「ああ!魔導士学科もやベーな!魔力0が死に繋がるって言うのもあって力はセーブしないと行けねーし。だからといってセーブし過ぎると、今度は自分が上達しねーし。」

「魔導士学科は難しそうだな。」

フレイはそう言い、何となく右手を見た。

そこには林檎が握られている。

「相変わらず林檎が好きだなあ」

フレイが言う。

すると、キュリオスが上に林檎を投げながら

「だって好きなんだよ。この甘い味が」

と言った。

「そうかあ。」

フレイはそう言いながら

キュリオスが上に投げてはキャッチしている林檎に向かって

風の魔法を飛ばした。

林檎がキュリオスの手から離れた瞬間、風で林檎が少し軌道を反れる。

それをすかさずキュリオスは水の魔法を飛ばし自分の右手に戻る軌道へ戻した。


「やるじゃねーか。」

フレイが言う。

「だてに、ソフラ・マスターにしごかれてねーぜ。」

キュリオスが林檎を右手でキャッチし笑顔で言う。

「だな。」

とフレイも返す。


その時、モニターから歓声があがる。

フレイとキュリオスはモニターの方をとっさに見た。

そこには、ホカロダが召喚したフェニックスが、ドンテリオンの出したリヴァイアサンに倒されていた。


「そういやあ。噂に聞いたんだが、キュリオスはもうフェニックスから水の攻撃を出すような複合型魔法を使う事が出来るって本当なのか」

フレイがそう言うと、キュリオスは照れくさそうに左手で頭を掻きながら

「ま、まあな」

と言った。

それを聞いた瞬間、フレイは羨望の眼差しをキュリオスに向け

「すげー!!」

と心の底から言った。

「まだまだ、レベルは低いが。今は強い複合型を出せるように練習中なんだ。」

「そうなんだ!俺も負けてられねーな!」

フレイは腕を振り回すように言った。

その時、フレイの手がキュリオスの林檎に触れた。

林檎がキュリオスの手から零れ落ちる。

キュリオスはとっさに左手を出し林檎を掴む。

林檎は今、左手に持たれている。

「いやあ。悪い悪い。」

フレイが言う。

「おお、あぶねーあぶねー!俺のおやつが無くなるとこだったぜ。」

キュリオスが林檎を見ながら笑って言った。

フレイも笑う。

「そろそろ、魔導士学科の控室に戻るわ」

「了解」

そしてフレイとキュリオスが離れる。


フレイは、さっきキュリオスに触れた右手を見た。

フリスレスが、フレイとキュリオスが離れたのを見て声を掛ける。

「どうしたんだ。そんな神妙な顔で右手を見て」

フレイは、顔を上げると

フリスレスの方を向き

「いや」

と一言だけ言った。

そして、モニターを見つめる。

試合では、ドンテリオンがホカロダを、アーマー防御力11対10で下していたところであった。


まさに接戦で5分の間に何度も攻勢が入れ替わり、どちらが勝ってもおかしくない、いい試合だった。


観客から、二人の間に惜しみ無い歓声と拍手が送られていた。


フレイは、もう一度右手を見る。

そして、歓声に包まれている二人の戦士をモニター越しに見つめた。


今はこっちに集中だ。

フレイはぎゅっと手を握った




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