プロローグ 始まり
これからさまざまな展開と盛り上がりを見せていきますので是非よろしくお願いします!
満月がこれでもかと存在感を出し
光を大地に届けている夜。
その光を一切遮断した暗い部屋に
一人の男が居る。
その男は、僧侶が羽織るような黒いローブを羽織り
両手を目一杯広げ、顔を伏せながら
何やらぶつぶつと呟いている。
男の前には円形に古代語で書かれた枠に囲まれた六芒星の模様の壁があり、その模様の壁の両端にはろうそくが立てられている。
ろうそくの火がゆらゆら揺れる度に、ろうそくの火によって
浮かび上がった模様が揺らめく。
男はそんな暗い周りの雰囲気を全く気にも留めず一心不乱に
言葉を呟き続けている。
そして、男の前には深紅に染まった分厚い布が
敷かれている。
それは、まるで模様の壁と男の間を隔てているようだ。
時間が経つに連れその男が唱える言葉に呼応するように古代語が光を放ち始めた。
しかしすぐに光は消え失せ、古代語は全く反応を示さなくなってしまう。
男は少し顔を上げ、その古代語を確認すると
すっと両手を自分の方へ引き寄せ、
一度上下に手刀を切った。
ビシッ
壁に上下の亀裂が入る。
男はもう一度手刀を上から下へ切る。
しかし、次は何も起こらなかった。
壁に亀裂が入ったため、今までちゃんとした形を保っていた古代語と絵は、少し歪みが生じている。
男は2回目に何も起こらなかった事を確認すると
少し口角を上げた。
やはり、魔具が必要か
男が思う。
そして、地面に敷かれている深紅の布を見た。
魔具を揃えなければ……
男はそう思うとゆっくりと立ち上がった。
その顔にはさっき浮かべていた笑みが消えている。
男はゆっくりと踵を返す。
その瞬間ローブが軽くはらりと舞った。
一瞬、足元に獅子の顔が彫刻されたすね当てが少し見える。
男はそのまま歩を進め、木で出来た重厚な扉を開け
外に出る。
月光が開けられた扉から直線上に入り込み
そこから拡がる。
月光に照らされた古代語の壁は、
先ほど入った亀裂と相まって、益々、不気味に存在感を示していた。
それはまるでこれから起こる世界中を巻き込む不幸を暗示するかのように不気味にそこにあった。




