周顗12 宴席の王羲之
王羲之が若かった頃、
周顗さんの宴席にお呼ばれした。
とはいえ、席次は末席。
にもかかわらず、
牛の心臓をかっさばいて食ったため、
人々から見直されたそーな。
……?
王右軍少時,在周侯末坐,割牛心噉之。於此改觀。
王右軍の少き時、周侯が坐の末に在りて、牛の心を割りて之を噉らう。此に於いて觀を改むる。
(汰侈12)
すごい。この注がないとさっぱりわからないっぷり。
キーワードは篇名の「汰侈」。いきすぎた贅沢の話である。となると、牛の心臓がド級の高級品なんだね、とわかる――のだが、さらにここに別口の話も持ち込む必要がある。
桓温の所で出てきた人物、羅友は宴会に出席したところ「最前列の料理が食べたかったから」最前列に出てきた、とたかりっています。そのエピソードから、当時の宴席、席次次第で振る舞われるものが違う、と推測できるのだ。となると、わざわざエピソード中に存在が見える牛の心臓、これきっと、主賓クラス向けのもの。
王羲之、末席にいたにもかかわらず、そいつをペロリといっちゃった。しかも、いかにも「自分以外の」人間の礼儀にはうるさそーな、あの周顗さんが催した席で。となると、王羲之にとっちゃ、牛の心臓なぞ、特筆すべき贅沢品ではなかった、となりますね。
やべえぜ東晋の琅邪王氏。




