10、神様は絶対にステ振りを間違っている
ああ、やる気が起きない。この虚無感、あの時のやる気は一体どこへ行ったというのか。
comeback!やる気!
説明しよう。何故こんなことになっているのか。
あの研修から1ヶ月ほど経ち地区大会予選、本戦まで行き無事全道出場し順風満帆だった。そして全道優勝したら告白するつ覚悟の元執念で全道優勝をもぎ取った。
大会が終わり学校へ戻った後田口さんを練習場まで呼びつけ準備万端だった
学校に着き、綺麗な夕焼けが練習場の窓から見え壮観だったしシチュエーションは最高。満を持して 告白をした。
『ごめんなさい、今は弓道の事しか考えられなくて。でもありがとう。』
結果は・・・
フラれた・・・
あああああああああああああああああああああ
俺の心の叫びはクレッシェントしていった
結構の間、放心状態だったと思う。姉さんや千咲には随分心配をかけたしなんかいつのまにかお風呂とか一緒にいれられてるし。姉さんの誘惑に負けそうになって、ああもう姉弟でも良いかなって思ってしまった事もあったが何とか踏みとどまった。危うくシスコンに落ちる所だった・・・
これを知っているのは親友の圭だけだ、「新しい恋を見つけるしかないな」とか言われたし。簡単に忘れられる訳ないんだよなあ
学校で田口さんに会っても俺を振った罪悪感からか関係がぎくしゃくしてきてるし
「辛い・・・」
広い静かな部屋に俺の哀しい言葉が呑まれていった
うちの学校はクラス対抗体育大会が夏休み前に行われる今年もこの時期がやってきた
「さあお前ら分かってるだろうな?優勝して私を昇進させなさい!!」
『おおおおおおおお!?』
盛り上がっている、てか優勝しただけで昇進なんてするの?するとしたらなんてヌルい職業なんだ教師って・・・よし教師目指そ。
「じゃあみんなが出る種目決めてくけど良いよね?」
今仕切っているのは悠一の友達でおそらく男子で2番目に人気のある男
古谷だ。何でも卒ななくこなすオールラウンダー、良いやつだ。
「種目はリレー、障害物競走、縄跳び、あと点数が高い全員リレーで最低2つ出ることになってる。正直リレーはタイム順で出て欲しいだけどどうかな?」
意義なーしと皆満場一致で可決される、いやー金澤さんの時と違って皆素直だなぁ。ちらっと金澤さんを見ると何故か睨まれた。え?心読まれた?な訳ないよね。
「おっけい、じゃあ早い順だと悠一は決まりだな!あと俺と・・・」
「奏太も足早いよ」
「え?本当だ4番目じゃん!気付かなかった、んじゃ決定!」
おいいいいいい何言っちゃってくれてますのん?リレー?無理無理無理!
絶対ポカするから俺。あーゆう選抜種目苦手なんだよ。
「ちょ、まっt・・・」
「いやー案外早く決まりそうだよな!」
あ、なんかクラス全員納得して話が進んでいる。これもう抗えないな・・・
でも俺1人、ただでは済ません道ずれだ!圭!
「確か圭も上位だったよな?俺と息合うし完璧な布陣だな」
「たしかに上位だ、じゃあこの4人で決定」
「は?何勝手に決めてんだ俺はやらn」
「よーし、勝ったらクラス費出るっていうし、それで打ち上げ焼肉行くぞ!皆!」
『おおおおおおお!』
『ジークジオン!ジークジオン!』
『イエスマイロード、オールハイルブリタニア!』
なんか変な掛け声混ざってるし、せめて統一しろよ・・・
「ただいま、疲れたー」
「おかえりお兄ちゃん」
「おかえりたっくん、たっくんそろそろ体育大会だよね?何の種目出るの?」
「情報早すぎない?リレーだよ」
「流石お兄ちゃん!やっぱそこらのゴミ・・・男達なんてめじゃ無いね♪」
「さすおにっ!てやつだね」
おい今ゴミって言いかけなかったか?あのお兄ちゃんと比べたら俺もゴミなんだけど・・・
「そりゃ大変だ、カメラとか用意しないと!」
「カメラなんて買っても見にこれないだろ?」
「今年から家族なら見学 okなんだってさ」
何で俺より詳しいんだよこの2人。情報チェックし過ぎでしょ。
2人して当日の予定をし始めたし、飯食お。てか平日なのに千咲来んの?学校行けよ・・・
最近体育大会が近くなってきたからか練習する連中が増えてきた。ま、俺もその中の1人なんだけどさ
今はバトンの受け取り練習だ。男子は良いんんだけど女子がいまいち上手くいってないみたいだ。
練習が終わって帰る頃、まだ残ってる奴がいる。
「海野?」
「ん?ああ二宮か、お疲れ今帰り?」
「うん、海野まだやってるんだ意外だな。こういう行事面倒くさがるんじゃないかと思ってた」
「運動は別だよ。動くのは好きだし」
なんか運動してる時の海野っていつものギャルっぽい感じが無くて、なんか凄い綺麗に見える。こいつ顔は整ってるしスタイルいいしで運動してる姿中々映えるんだよな
「綺麗だな・・・」
「あ?なんか言った?」
「え、何でもない」
やべー声に出てた
「うちが綺麗なことなんて分かりきってるだろ?でも、ありがと」
「聞こえてんじゃん!ばっちり!」
あははと無邪気に笑う
「お前さ、そうやっていつも笑ってる方がいいんじゃないか?いつもムスッとしてる時よりか全然良いぞ」
「おいおい今更口説こうってか?あの時だって返事もくれてないしさ、クズ男って皆に言いふらすぞ」
わっすれてたー、なんだかんだでうやむやになったしあれから何も言ってこなかったからそのまま冗談で片ずけちゃったんだった。
「いや、あれはさ。いつもの軽い冗談とかじゃなかったのか?」
そうだよ、あんな軽い告白を真に受けるほど俺もアホではない
「・・・・やっぱそう思うよな・・・」
ん?何か今ボソッと言ったような?
「よし!暗くなってきたし、帰ろうかな!」
「そうだな、じゃあ俺こっちだから・・・」
「おい、女の子一人で帰らせるのか?そんなことしないよな?」
笑顔でこちらを向く海野、この笑顔はなんだか怖い
そしてきっちり駅まで送らされました
体育大会の日がやってきた、調子は悪くない。
「たっくん、今日お弁当作ってくからね!ちーちゃんが」
「運動会とかじゃないから家族席まで行かないんだけど」
「お兄ちゃん頑張ってね!昨日お祈りしといたから」
昨日仏壇の前で何かやってたのはお祈りだったのか・・・
「ありがとう行ってくるよ」
「よし皆んな、集まってるな。お前らが狙うのはただ一つ!優勝あるのみ!!一応MVP賞みたいなのもあるらしいから、頑張れよ」
おおおおおおっと皆の声が重なり大会が始まった
一つ目は綱引き、これには柔道部と相撲部が居るからほぼ安心だろう
びっくりするぐらいの圧勝である。
二つ目、大縄跳び。これは中々息が合わず最初は駄目だったが徐々に回数を重ね上位に食い込む
三つ目女子選抜リレー男子選抜リレーの順だ
女子はとにかく相田さん海野が速い、陸上部と同じくらいだったのでまじで驚いた。一番驚いたのは相田さんの胸だ。意外とお大きいんだね相田さん
そして遂に男子選抜リレーが始まる。
走る順は古谷、圭、俺、悠一の順でスタートを切った
古谷は流石と言わんばかりの俊足で一気に上位にくい込んでいく
本人曰く中学はサッカーをやっていたそうな
良い順位をキープしたまま圭にバトンが渡る。圭の奴は運動をしていたわけでもないのに速い、まじで意味がわからん。でも流石に運動部の体力には勝てないみたいで徐々に差を詰められていく
それを眺めながらバトンが渡るのを待っていると
「はっはっは、緊張してるのか奏汰!弓道ではお前が少し勝ってる様だが、走るのどうかな?俺はこの日のためにランニングを欠かさずやってきた。俺に簡単に勝てると思うなよ」
うわ、浅井。こいつ俺と順番一緒だったのか、ランニング欠かさずにってどんだけこれにかけてるんだよ。話を聞いているだけだと確かに一筋縄では行かなそうだ
自分の走りに集中するためグッと気を張る、ほぼ同じタイミングでバトンが渡る
杞憂だった
結果は俺が一人抜いて2位浮上、浅井は確かに早かった、でもあいつは俺に見せつけた方のか何回も後ろの俺を振り向いて見ていたせいで足が引っかかり転倒一気にビリになった。ご愁傷様
最後の悠一は圧巻だった。陸上部とほぼ一騎打ち状態でバトンが渡りそのまま接戦を制し1位になったのだ。こいつ本当に同じ人間なのか?そう思うくらい早かった。流石悠一様!
そして等々最後の種目、全員リレー。流石に全クラスで走れないからタイムで勝敗を決めるらしい。
気合は十分だ、でもなぜ。俺にバトンをくれるのが田口さんなんだ。どんな確率だよ。
振られる前なら喜んで受け取っていたであろうバトンが今は気まずいだけだ。
まあいいや無心になれ。
リレーがスタートし次々とバトンが渡っていく。相田さんに渡るとおおっと歓声がなるそれもそうだ、普段大きく見えないのに薄着になると大きくなるんだもの、着痩せするタイプなんですね。相田さん君のその揺れが男子の力になるんだよ。
田口さんに渡り次に俺の番がやってくる
あ、目が合ったのに逸らされた。悲しい。
くそおおおおお悲しみを糧にし爆走する俺、今生涯1番速く走れている気がする
「たっくーん!お姉ちゃん見てるよ〜勝ったら良いことしてあげる〜」
大声で応援してくる姉さん、良いことって何!?恥ずかしいからやめて・・・
そして隣では千咲がプロのカメラマンが使う様なごついカメラで俺を撮っている。このためだけにあれ買ったのかよ!?後で説教だな。あと学校サボんな。
いよいよ大詰め、アンカーはもちろん、悠一・・・じゃない!?圭?え?何で?
悠一が圭にバトンを渡す。
鮮やかだった、確実にさっきの選抜よりも速かった。この時のタイムが校内歴代タイムを更新する速さだったため、圭のあだ名が一時期ボルトになった。
聞くところによるとさっきは靴がボロボロで速く走れなかったと言う、俊足アキレスならもっと速かったとか言っていた。知るか!?
ちなみに浅井はまた転んでた。
「成績を発表します、優勝は2–B!おめでとう!」
わあああああああっとクラスの皆が騒ぐ、優勝したのだ。
そして優勝チームのMVPは誰もがそう思っていた人物ではなく。
圭だった。皆まじ?みたいな顔している。そりゃそうだ俺もだし。
俺様の美技に良いなとか決め台詞までは吐く圭。今日の圭うざいな。
何でも最後のアンカーで最速記録出したのと4人抜きしたのがでかかったらしい。商品を受け取っていたがよっぽど要らないものだったのかあからさまに残念がった顔をしている。ふりでもいいから喜んどけよ!
打ち上げでそのまま焼肉に来て乾杯をする。本当につかれた1日だった、みんなで力を合わせて勝ったんだから嬉しくないわけがない。
皆で大いに騒ぐ。が、
「何で二人ともここに居る?」
「打ち上げするって言うから付いてきちゃった♪」
「お兄ちゃんかっこよかったよ!」
そう何故か打ち上げに参加しているのだ、先生曰く、お金はちゃんと払ってんだし良いんじゃなーい。だそうだ、緩すぎるぞ担任
「たっくんおめでとう。約束通り良いことしてあげるね、はいあーん」
「私の食べさせる方が美味しいよ?あーん」
2人にサンドされ身動きが取れず、周りにはシスコン認定されてしまったし散々な打ち上げだ。
「あーもう!飯くらいゆっくり食わせてくれよおおおおおおおお」
一気に体育大会行きました。懐かしいな〜僕は足が早い方ではなかったのでもっぱら高跳びとかでした。
次夏休み編入ります。
ではよしなに




