二章:車の両輪1
二章:車の両輪
俺は会社に行く支度を済ませ、ホシに留守番をするように告げた。するとホシは意味が分からないとでも言うように、首をかしげてこう言った。
「――なんで!?一緒に行こうよ!!」
「会社はそう簡単に子供を連れていっていい場所じゃないし、お前のことが知り合いにでもバレたら本当に困るんだよ!」
「困るって? なんで? 一真は僕を助けてくれたんだよ? それがバレたら困ることなの?」
ホシの瞳は酷く澄んでいて、そこには他意なんてものは一切感じることが出来ない、不思議な印象を受けた。俺は思わず頭を抱えた。
「いいか? 現実を見ろ、俺はただの会社員で、そしてお前はどこから来たかも分からない宇宙人だ。戸籍も身元も持ってない奴をいきなり連れ回してみろ、怪しまれて警察に捕まるか、変な噂を流されて、社会的に死ぬかのどっちかだ」
俺がそう言い募ると、ホシは不満を漏らしながらも観念したらしく、唇を尖らせながら「君を困らせるのは僕も嫌だ」といった。
ホシのそんな言葉に俺はなぜか、感じる必要のない罪悪感を抱いてしまった。そしてぽつりと
「明日……明日だったら外に出してやる。その代わりに今日は絶対に外に出るなよ……」
なんていう、後で必ず後悔するような言葉を吐き出していた。
すると、さっきまで落ち込んでいた奴とは思えないほどに、目を輝かせてこういった。
「約束だよ! 絶対外に出ないから! 明日は絶~対外に連れて行ってね!! もちろん一緒にだよ!!」
俺はため息を吐いて承諾した。




