危険な場所には
部隊長たちはそろって敬礼した。4人も敬礼を返す。
「特別青年地球防衛隊 アメリカ部隊長のマーク・ワシントンです。」
「戦艦オリオン技術長代理および航空隊補佐、チームゼロのツツイコウスケだ。部隊長のみんなだね、ご苦労様。」
全員敬礼をやめる。するとタケルがにっこり笑った。
「よかったら、いっしょにどう?」
スズナも声をかける。
「そうね、せっかくの顔合わせのチャンスだし。」
部隊長たちは恐る恐る席を移動し、伝説のテーブルに腰かけた。
「報告書はみたけれど、やっぱりじかに話せたほうがいいわ。」
リンカが少し笑った。
「同い年の仲間がたくさんいるってやっぱりうれしい。」
「意外と寂しいもんだよな。チームゼロがそろっていないって。」
ヤオはうつむいた。
今回の作戦により、チームゼロは三手に分かれた。A作戦側はコウスケ、リンカ、スズナ、タケルの4人に、K作戦側はショウタ、センカ、ハルカ、トウキの4人に。そして冥王星付近を担当するユウキとカズマの2人に。Z作戦とも絡めて任務にあたるらしい。
「戦艦オリオンで詳細な計画を立ててある。あとは明後日明朝、配置につくだけ。」
コウスケが言った。彼は年齢によって、A作戦の実行責任者とされていた。
「でもその配置が難しいんだ。戦闘機のレーザー攻撃と、各宇宙施設のレーザー攻撃を組み合わせて、地球に来るであろう巨大ミサイルをぶっ潰さなければいけない
んだ。1ミリでも擦れたら失敗する。」
タケルは建設の技術を活かして、この配置を完成させる任務を任されている。
「ましてや民間の防衛団や、あなたたちに任せることになったでしょう? 配置にも向き不向きがあるしね。」
リンカがため息をついた。
「だから、あなたたち部隊長の意見も聞きたいの!」
わざと明るく、スズナが言った。
スーマーは唇をかみしめた。
「正直、僕らは戦力にならない。」
「スーマー、あなたほどの成績で?」
スズナが頬を膨らませた。
「わたしよりいいスコアだったじゃない?」
「シュミレーションですがね。」
ヤオの声はあくまで暗い。
「僕らは選ばれた訓練生です。死すら覚悟しています。全力を尽くします。ですが……なるべく仲間を生かしたい。」
ヤオは叫んだ。
「僕たち部隊長を、一番危険な配置につけてください!」
「ああ、そのつもりだ。」
コウスケが沈んだ声で言った。
「なんどもシュミレーションをして、計算して・・・・・。そのうえで割り出した、地球圏で特に危険な配置場所が10か所ある。そこはチームゼロと部隊長で担当しようと思っていた。」
コウスケは唇をかみしめて、絞るような声で言った。
「だが、どこも危険なことに変わりはない。すまない。みんなの命をもらう。」
コウスケは続けた。
「だが、絶対に生き延びてくれよ。」
9人はその日、夜遅くまで、配置や訓練について語り合っていた。彼らはみな、あくまで、まだ高校生の少年少女たちであった。




