【星に願いを ・ピカルとキララの七夕】
※挿絵はAIイラストを使用しています
静かに夜空を見上げるピカルの瞳に、無数の星々が瞬いていた。
風が涼しく吹き抜け、フードの裾をそっと揺らす。
「地球の七夕は……星に願いをかけるんだっけ」
胸ポケットに忍ばせた小さな短冊に、ピカルは小さく息を吐いた。
アルフィオスにも、願いを届けられるだろうか。
目を閉じると髪や服に映る銀河のような光が、ひときわ強く瞬いた。
遠い星の人々を想いながら、彼はそっと呟く。
「こんな風習も悪くない」
その声は夜風に溶け、静かに星々の間へと消えていった。
夜風に舞う言葉は、まるで星へ語りかける祈りのよう。
ピカルはポケットから短冊を取り出し、手のひらの上で静かに広げる。
そこに書かれていたのは、たったひとこと。
『アルフィオスが、また笑顔で満ちますように』
それは彼の願いであり、責任であり、希望だった。
「……よし」
小さく決意のように呟くと、ピカルは立ち上がり、
手にした短冊を近くの竹飾りに丁寧に結びつけた。
その瞬間。
夜空のひとつの星が、ひときわ強く瞬いた。
「……ん?」
見上げたその目に、光の尾を引いて流れる星が映る。
流星だ。
まるで、願いごとに応えるように。
「……まさか。でも……」
ありがとう、とつぶやき微笑みながら静かに目を閉じると、肩に夜風がふわりと降りた。
遠い空の向こうで、もうひとつ星がきらりと瞬く。
その光は、確かに彼の願いを受け取ったようだった。
同じ夜。
少し離れた丘の上で、キララも空を見上げていた。
浴衣の袖を押さえながら、彼女は笹の葉に短冊を結びつける。
「ねぇ、星さん。今日の空、すっごくきれいだね」
キララの短冊には、丸い文字でこう書かれていた。
『お兄ちゃんが、いつも笑っていますように』
書いてから、少しだけ恥ずかしそうに笑う。
「……なんか、子どもっぽいかなぁ。でもいいや」
風が吹いて、笹の葉がさらさらと音を立てる。
そのときキララの目の前の空に、ひとつの流星が流れた。
「わぁっ……!今の、見た?ねぇ、コーギーちゃん!」
隣で寝そべっていたコーギーちゃんが、のそのそと顔を上げて「ボフ」と一声。
キララは嬉しそうに笑って、夜空に手を伸ばした。
「きっと、お兄ちゃんの願いも届いたんだね。……アルフィオスにも、ちゃんと届いてる気がする」
目を細めて空を見上げるキララ。
その頬を、やさしい風が撫でていく。
遠く離れた場所で、同じ星を見上げるふたり。
ピカルの願いと、キララの祈りは、
夜空でひとつの光になって重なっていた。
セルフリクエスト:ピカルで七夕体験
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