地球編・1 青き星に降り立って②
地球編1①の続きです。
※挿絵はAIイラストを使用しています
たどり着いたのは、小高い丘の上に立つ小さな平屋建ての施設だった。
周囲は森に囲まれ、鳥の声が静かに響いている。
施設の外壁には簡易エネルギーパネルが設置されており、生活の最低限は自給できるようになっているようだった。
「ここが君たちの地球での拠点! 通信設備も整ってるし、内部には生活設備もあるよ。必要なデータはここから送受信できるから安心して!」
コーギーちゃんが誇らしげに胸を張る。
「それから、この場所は地球でもあまり人が立ち入らないエリアに設定されてるから、活動中も見つかる心配はほとんどないよ!」
ピカルはうなずきながら、施設の全体を見渡し、軽くデータスキャンをかける。
「‥‥‥なるほど。最低限の設備としては充分か」
「あとは、施設の案内とキミたちの任務について説明するね!」
そう言うと、コーギーちゃんは拠点の中を軽やかに駆け回りながら、端末のある机や食料の備蓄棚、作業スペースなどを次々に鼻先で指し示していった。
「ここが記録装置で、君たちが体験したことをまとめる場所。で、こっちは星間通信の送信ポイント! そしてこっちには‥‥‥見て見て! おやつもあるんだよ!」
「なぜ君のおやつが最優先で紹介されるんだ」
ピカルがため息混じりに呟くと、キララがくすくすと笑った。
「いいじゃん、おやつも大事!」
コーギーちゃんは満足げに一回転し、再び真面目な口調に戻る。
「さて、それじゃ本題ね!」
そう言うと、コーギーちゃんはちょこんと床に座り込み、ふわふわの尻尾を静かに揺らした。
瞳はきらきらと輝き、まるで語り部のように語る準備を整えていた。
「この地球での目的は、人々の文化や暮らし、環境を学ぶこと。でも、それだけじゃないんだ」
その言葉を受けて、ピカルとキララは姿勢を正し、自然と真剣な表情に切り替わった。
ピカルは腕を組んでコーギーちゃんをまっすぐに見つめ、キララもしゃがんで同じ目線に合わせながら、真剣なまなざしで話の続きを待っていた。
「この星に住む人たちがやってみてほしいこと。たとえば、体験してみてほしい仕事や文化、知ってもらいたい生活の一部をボクが集めて、それをキミたちに届けるの」
ピカルが少し眉をひそめて問い返す。
「‥‥‥やってみてほしいこと?」
「うん!」
コーギーちゃんは元気よく頷いた。
「キミたちはそれを実際に体験して、感じたことや得た知識をまとめて母星に届けるんだ。それが積み重なって、アルフィオスの未来に繋がっていくんだよ」
「へぇ~、なんだか楽しそう!」
キララが目を輝かせる。
「うん!君たちの経験がアルフィオスの記録として蓄積されて、星の再生に必要な知識として活かされるようになるんだ!」
ピカルは静かに頷いた。
「‥‥‥情報の還元による再構築。なるほど、理にかなっているな」
ピカルの表情に、わずかだが確かな光が宿る。
このプロセスが星の再生への具体的な道筋になり得ると、彼の中で確信に変わっていく。
そしてそれは、リアナス家の長きにわたる役割『記録と解析』にまさにふさわしい内容でもあった。
コーギーちゃんは鼻先で端末をつつくと、拠点の壁に小さなホログラムが浮かび上がった。
「さっそくだけど‥‥‥ひとつ目のお願い、届いてるよ!」
表示されたのは、地球のある家庭からの簡単な依頼内容だった。
『わたしの国の伝統料理を作ってみてください!』
「料理か‥‥‥地球の食文化、興味深いな」
とピカルが呟く。
「やったー! 初ミッション、早くやってみようよ、お兄ちゃん!」
キララが勢いよく立ち上がると、両手をぐっと握りしめて笑った。
「‥‥‥焦るな。まずは内容の精査と必要な準備からだ。」
ピカルはすでに端末を開き、レシピの分析と栄養成分のチェックを始めていた。
「まったく真面目なんだから~!!」
キララが苦笑しながらも、どこか楽しげにピカルの横へと歩み寄った。
こうして地球での最初の“体験”が、いま幕を開けようとしていた。
小さな願いがひとつずつ重なっていく。
それがやがて星の未来を照らす光となるのだと。
お読みくださりありがとうございます。
この後は、参加者・セルフ・投票によるリクエスト体験をまとめた『Project Alpheos 体験ミニストーリー(星レベル1~9まで)』に進むか、『Project Alpheos 番外編』に進むのをオススメします。
(どちらも1話完結の短編です。)
【地球編のMVアニメーションを作りました】
ご興味ある方はこちらからご視聴ください!
youtube(映像一部違います)
日本語➡https://youtu.be/tWEhMV5_hMg?si=-ZlB2Hp13MmV1cZ1
英語➡https://youtu.be/30o-DY4ABM8?si=xxBXlBHAdgvTvdOe




