【高校体験入学してみたけど....?】
※挿絵はAIイラストを使用しています
その日のキララは、制服姿で駆け込んできた。
「ただいまーっ!」
頬をほんのり赤くして、手には紙袋をぶら下げている。
どうやら、声を聴く限り充実感だけはあったらしい。
「キララ、おかえり。」
ピカルは椅子から立ち上がり、軽く眼鏡を押し上げる。
「高校の授業、どうだった? 地球の教育制度について、何か新しい発見はあった?」
「授業?それはちょっとチンプンカンプンだったけどね!」
「―――え?」
案の定、授業に対しては全く興味がなかったようだ。
いきなり眉をしかめたピカルを見て、慌ててキララは言う。
「あ、まって!内容思い出すから!えっとね~....」
キララは指を折りながら、必死に思い出そうとする。
「黒板にいっぱい文章と図が書いてあったのは覚えてるよ!途中からずっと学校で人気だっていうパンのこと考えてた!」
そう言って笑う彼女は、やたら楽しそうだった。
「……パン?」
ピカルの眉がぴくりと動く。
「まさか、授業中ずっと?」
「うんっ!」
キララは迷いなく即答した。
「お友達に教えてもらったんだけど、購買部の“メロンパン”ってやつ、すごいんだよ? 甘くてサクサクで、なんかもう口の中が幸せだった~!」
ピカルは小さくため息をつき、呟いた。
「……学びは、パンか……」
彼の脳裏で“地球教育制度分析”のファイル名が、なぜか“メロンパン調査レポート”に書き換わったのは、言うまでもない。
「あ、ほらほら!ちゃんとお兄ちゃんの分も買って来たから!」
キララは手に持っていた紙袋を差し出す。
袋の隙間から、ふんわり甘い香りが立ちのぼった。
「食べてみて!絶対お兄ちゃんも気に入るはずだよ~!」
ピカルはため息をつきつつ、袋を受け取る。
「……授業より優先してまで買う価値があるのか、確認させてもらう。」
ひと口。
外はサクッ、中はふわふわ。
甘みと香ばしさが舌に広がり、ほんのりと温かさまで残っている。
「……なるほど。これは――」
ピカルは小さく息を吐いた。
「確かに授業中に考えてしまうのも……理解できるな。」
キララは満面の笑みで胸を張る。
「でしょっ!? メロンパン、偉大だよね!」
ピカルは黙ってもう一口、カリッと音を立てた。
そのとき、彼の中で“パン調査ファイル”が静かに開かれた。
参加者リクエスト:キララで高校生体験
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