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夢数夜  作者: 厭堂 疎
7/9

第八夜 スプーン-すぷーん

 それに気づいたのは、引っ越してきてから4日目の晩だった。

 夕飯を食べようとしたら、引き出しに仕舞ったはずのスプーンがすべて消えていたのだ。

箸もフォークもバターナイフもあるのに、一緒に買い揃えたスプーンが、それも4本丸々消えている。ティースプーンすら見当たらなかった。

 台所中の引き出しをひっくり返して、戸棚も箱も全部探したが、とうとう1本も見つけることができなかった。

仕方がないのでその日はカレーを箸で食べる羽目になった。


 次の日わたしは、自分で自分に念を押しながら、新しく買ってきたスプーンを引き出しに仕舞った。

その晩、箸を使おうと引き出しを開けると、またもやスプーンは無くなっていた。

 もしや居ない間に空き巣でも入っているのだろうかと思って、家中をそれこそ天袋まで引っかき回して探ってみたが、スプーンが消えていること以外には何もおかしなところはなかった。

今度は引き出しに1本仕舞い、もう1本をテーブルの上に置いて見張っていることにした。

すると、数分目を離していた間に両方とも消えてしまった。

 わたしはスプーンを1本だけ買って、家のいろいろなところに隠してみることにした。

何度やってもスプーンは1日と経たず消えてしまう。相変わらず誰かが這入った様子も、消えたスプーンも見つからなかった。


 スプーンの代金が馬鹿にならなくなってきたので、廉価なプラスチックスプーンの大袋を買ってきた。

どうせ何処に置いても無くなってしまうのだから、と諦めて、そのまま引き出しに仕舞ったのだが、スプーンの束はいつまで経っても消えなかった。

 なにやら解決したようだ、と金属製のスプーンを買ってみたのだが、そちらはすぐに消えてしまった。


 越してきてから今だに、家で金属のスプーンを使ったことがない。



-了-

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