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【第二十四話 『仮巣と観察の月曜日』】④

主人公:名前はリゲル。太陽双子座、月魚座。孔雀のような雰囲気を持つ少年。


    戦闘スタイルは、①しなる剣、②複数の種類の孔雀目ビット、③鋭利な大量の羽根


    戦術家だが感情に流されやすい。


    この世界の外側の異形と関わり合う職業のアバター使いを進路に志望している。


    今は、自分の目指すべき「誠」という人格態度を磨いている。


    3人目の仲間に天才サポーターのサダルが見つかった!現在チームは連勝中


 親友:現在スランプ中


    名前はハクラビ愛称はハク。太陽天秤座、月蠍座。すごく顔がいい。


    戦闘スタイルは、①軽弓、②双剣、③分身


    知らない物の値段を当てる特技がある。


    裏表のない性格、深刻な場面でも軽口を叩く。育ちが良くて挫折知らず。


 仲間:名前はサダル。太陽水瓶座、月蟹座。早生まれで少し体が小さい同じ学校同級生。


    戦闘スタイルは、①氷の双銃②魔方陣型迫撃砲③自律型bot④ガジェットの作成


    リゲルとハクのアバター戦の3人目ののチームメイト。


    万能支援をやってくれる。現在はやや二人より実力は上。 


    最低限の単位だけ取ってゲームセンターに入り浸っている。


    あまり仲のいい人がいないが、すごい才能をもっている。


    一度リゲルの誘いを拒絶した。


お嬢様:名前はライサ。太陽しし座、月牡羊座、鞭と強烈な雷を使う。


    主人公のライバルチームのリーダー。


    防御手段は、雷幕結界。近接すれば近接するほど相手は大ダメージ。


    長く美しい髪と強烈な釣り目が特徴。気品がある。


    相手を不快にしないお嬢様言葉で、作中5本の指に入る美人キャラ


    精霊は雷雲を纏ったユニコーン型。


幸運娘:名前はアレッタ。太陽いて座、月双子座。精霊はニワトリ型。


    主人公のライバルチームのメンバー。


    アバターはニワトリっぽい大きめのフードが特徴的。


    武器は大弓、防御手段は高硬度の卵型のシェルターを使う。


    高火力なので遠距離戦でアレッタと戦うのはやめた方がよい。


    陽気な性格の頭残念だが、作中5本の指に入るラッキーキャラ。


    口を閉じて髪を伸ばして上品な服を着たら超絶美人。


破天荒:ライサとアレッタに会い、2日で転校を決めた行動力の化身。


    名前は、シェラ。太陽牡羊座月双子座。


    主人公のライバルチームの3人目のメンバー。


    性格は、破天荒、ツンデレ、暴力的。


    すさまじい運動神経を持っている。


    精霊はオッドアイの白猫のしろっこ。


    通常時は、爆発ハンマーと爆発ハチェットで戦う。


    本気になると、両手持ちのリボルバーハルバードになる。

◆ウサギ小屋での報告夕暮れの空は、どこか夏の気配を残しつつも、少しずつ秋に傾いていた。 雲の輪郭が柔らかくなり、校舎の影も一段と長くなる。 東棟裏の飼育小屋は、今日も静かにその場所にあった。


 引き戸を開けた瞬間、鼻先をくすぐるような草の匂いが迎えてくる。 藁の下にこもった温度、ゆるく湿った空気、そして――


「……来ると思った」


 ラピスの声が先に届いた。 ボーカルを膝に乗せながら、彼女はまっすぐにこちらを見ていた。 今日のエプロンは紺色。髪はひとつにまとめられていて、制服の裾も整っている。


「……月曜だから、つい寄ってみた」


「週の始まりにウサギ小屋かあ。なかなか独特」


 ボーカルが鼻をひくつかせ、リゲルの匂いを確かめるように身を寄せる。 リゲルは、笑いながらその頭をひとなでして、棚からブラシを取った。


「後半戦の前に、一区切りついたからさ。……11勝3敗で、6位タイ」


「……すご。マジで?」


 ラピスが目を見張る。その声には、驚きよりも先に、喜びがにじんでいた。


「上位12チームには残れた。……でも、まだ通過点だよ」


「そっか。……リゲルがそう言うなら、ほんとにそうなんだろうね」


 言葉に濁りはなかった。 ラピスは、ボーカルをそっと下ろすと、隣のキーボードを撫で始める。 彼女の指先には、以前よりもずっと柔らかい、しかし芯のある動きが宿っていた。


「Z室で、ザビチーム、シャウラチーム、ライサチームとも顔合わせしたんだ」


「それ、地味にすごくない?」


「……正直、緊張した」


「ふふ。リゲルも緊張するんだ」


 そう言いながらも、ラピスの頬が少しだけ緩む。 それは、誰かの変化を自分のことのように感じ取れる者の、まなざしだった。


 ブラシが毛並みに沿って静かに動く。 その音が、小屋の中に小さなリズムを与えていた。


「……ラピスはさ。中間試験、どうするの?」


 ふとリゲルが問う。 ラピスは一瞬、手を止め――それから、少しだけ困ったように笑った。


「実はね、私も“アバター戦進路”なんだ」


「えっ」


「言ってなかったっけ? ……たぶん、わざと避けてた」


 目を逸らすことなく、ラピスは続ける。


「3人チームの“補欠”として、登録されてる。実戦には出ない予定だったんだけど……」


「けど?」


「……ひとり、親の都合で転校になりそうな子がいてね」


「まさか……」


「まだわからないけど、そうなったら、私が出るかも」


 言いながら、彼女はキーボードの耳のあたりをそっと撫でた。 それは、話している内容よりも、今ここにいる自分を確かめるような手つきだった。


「……すごいな。なんか、ちゃんと全部、自分の手で進めてる感じがする」


 リゲルの声に、ラピスは目を瞬かせた。


「ううん。進めてるっていうより、“前に進んでる流れに、少しだけ乗ってみてる”って感じかな」


「でも、それって一番勇気いるやつじゃん」


 ラピスは、答えずに小さく笑った。


「中間試験、どんな形式なんだっけ?」


「完全個別。アバター戦志望は、仮想空間で一人きり」


「……一人きり、か」


 その言葉を繰り返すように、リゲルは目を伏せる。 静かに耳の奥で、“何か”が目を覚ましたようだった。


「……ねえ、見せたいものがあるんだけど」


 ラピスが棚の奥から、小さな封筒を取り出した。 淡い水色の封筒に、やや乱れた文字で自分の名前が書かれている。


「これね、3年生の終わり頃、あまりに何もできなくて悔しかったときに書いたやつ。未来の自分宛て」


 そっと差し出され、リゲルは受け取る。


 開けていいのかと目で問うと、ラピスはうなずいた。


「“今は何もなくてもいい。何もできなくてもいい。でも、どうかあなたが、何かを信じて進んでいますように”……そんなことが書いてある」


 リゲルは静かにそれを読み、黙ったまま、深く息をついた。


「すごいな……。これ、自分に渡したってこと?」


「ううん。たぶん、誰かに渡したかったんだと思う。そういう誰かが、どこかにいるって思いたかった」


「……それなら」


 リゲルは、そっと手紙を胸に返した。


「ちゃんと届いたよ。そういうの、受け取るの、得意だから」


 ラピスは驚いたように目を瞬かせて、それから、少しだけ目を細めた。


「じゃあ、これでおあいこかな」


 そう言って、ボーカルがくしゃみをした。 タイミングを合わせるように、キーボードがそれに鼻先を寄せる。


 その音は、まるで合図のようだった。


 リゲルとラピスは、視線を交わし――また、少しだけ笑った。


【第六節:個別の思惑と静かな夜】◆ライサの夜 寮の個室。天井の灯りは絞られ、カーテン越しに外灯の光がわずかに差し込んでいた。 ライサは、自室の大きなベッドに座っていた。 他の生徒たちより一回り広い部屋。それは彼女が望んだわけではなく、単に“それが当然”と周囲が判断した結果だった。 部屋の内装は整然として美しく、壁には絵画が、机の上には香りのよいアロマランプが置かれている。 けれど今、ライサの瞳は珍しく曇っていた。 Z室での一日。ザビやシャウラと同じ空間で過ごし、リゲルたちと同じチーム分けで“未来”を想像した。 そして、自分がこの戦いの中で――ただの象徴で終わるのではないかという、わずかな不安。「……怖いのかしら、私」 ライサは、ベッドのシーツを指先でつまむ。 それは誰にも見せたことのない、小さな震えだった。


◆リゲルの夜 平凡な個室。机の上には開いたままの参考書と羽根型のビット端末。布団は端に寄せられ、床には制服の上着が脱ぎ捨てられている。 リゲルはベッドの端に腰掛け、静かにラピスの手紙を見つめていた。 部屋の中は静かで、彼の考えだけが反響している。 Z室での顔合わせ、ラピスとの再会、そして彼女が差し出した“過去からの言葉”。 試験までの時間は限られている。 けれど、いま少しだけ――自分に意味があるように感じられた。「……やれることは、やっておこう」 呟いた声は、小さくも確かな決意を帯びていた。


◆サダルの夜 無機質な部屋。壁には複数のホロ画面が浮かび、設計データとログ解析が並んでいる。 ベッドはあるが、掛け布団すら整えられていない。 部屋の片隅には、分解されたデバイスや未使用の魔術回路部材が積まれている。 サダルは椅子にもたれ、スクリーンを眺めていた。 Z室での戦術的立ち回り、周囲の反応、ラピスの表情――それらすべてを記録し、静かに再生している。「……彼らは、あの場で何を読み取った?」 自分の役割は支援と設計。そして、その正確さは、誰かの“誠”にどこまで応えられるかにかかっている。 けれど今は、中間試験のことよりも――リゲルとハク、あの二人と一緒に、次に何ができるのかを考える方が、ずっと楽しかった。 そのことに気づいた瞬間、ほんの少しだけ、スクリーンの映像を巻き戻す手が緩んだ。


◆シェラの夜 部屋の棚には、メカ少女のフィギュアやアニメのBlu-rayがぎっしり並んでいる。 ベッドの上には、ゲーム機と攻略本。 壁際には、大きなハルバードの模造モデルが飾られていた。 シェラは、ポテトチップスをつまみながら攻略動画を流していたが、途中でふと手を止めた。「……明日、何着よう」 服の話ではない。 “どう見せよう”の話だった。 Z室で見たライサの横顔。ラピスの静けさ。ハクの空気。どれも、自分にない“深さ”を持っていた。 それが、少しだけ胸に残っていた。


◆ハクの夜 整った部屋。窓辺には鉱物の標本と小さな水槽。机の上には、ノートが几帳面な字で埋められている。 ハクはベッドに仰向けになり、天井を見つめていた。 Z室では特に誰とも衝突しなかった。 むしろ、みんなに馴染めていた気さえする。「……なんか、俺だけ“何も起きてない”気がする」 ぼやくように言って、自分で笑った。 でも、その違和感だけは、妙にリアルだった。 でも、本当はずっとそわそわしていた。 ――新しい双剣。試していないあの感触。 戦闘中には見せ場がなくて、ほとんど温存のままだった。 あの一撃を本当に通せるのか。相手に刺さるのか。 考えるたび、体の内側にざわつくものが残る。


◆アレッタの夜 部屋中にニワトリグッズ。 ぬいぐるみ、クッション、マグカップ。棚には鳥類図鑑と養鶏雑誌。天井からは小さな羽根飾りが吊るされている。 シーツもニワトリ柄。カーテンには、自作のアップリケが縫い付けられている。 アレッタは布団にくるまりながら、録音した今日の模擬戦感想会を再生していた。 ライサの声、ハクの冗談、リゲルの指示。何度も巻き戻しながら、ひとつひとつ噛みしめるように聞いている。「……みんないい人ばっかりだなあ。全員代表になれればいいのにね。」 ぽそりと呟いた声に、憧れと決意がにじむ。 けれどそれは、ただのファンのそれではなかった。「わたしも、ちゃんと撃てるようにならなくちゃ……」 羽根のついたクッションをぎゅっと抱きしめながら、目を閉じる。 Z室での一日は、誰かのことをもっと“好きになる日”だった。 でもそれは、“もっと上手くなりたい”と思える日でもあった。 その“好き”は、アレッタにとって前に進むための合図。 彼女のまっすぐな気持ちは、いつだって彼女を支えてくれる。

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