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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
28/52

28話 魔王様(女)の部下の部屋は、ヤバイらしいですよ?

「おい」

「グンセオ?どうかした?」


魔王様をどうしたら助けられるか、自分なりに考えていると、突然背後からグンセオに声をかけられた。グンセオの表情は険しく、良い話ではない事は明らかだった。


「これ見てみろ」

「何これ?」


グンセオが渡してきたのは、封筒に入った手紙だった。言われた通りに紙を開いてみると、『招待状』と書かれた告知だった。


「これって……!」

「クソがっ……!舐めた真似しやがって……!!」


内容は、一週間後、我が城で結婚式を開くという内容だった。一週間後……あまりにも早すぎる……!


「どうするの……?」

「あぁ!?殴り込みに行くに決まってるだろうが!!」


僕も同意見だ。でも、相手もこの可能性があるのは予想の範囲内と考えた方が良いかもしれない。でなきゃ、こんな案内状なんて送らないだろう。


「何か作でもあるの?」

「…………」


グンセオは悔しそうに目を背ける。僕と同じく、策はないようだ。作戦なしに突っ込んでも、返り討ちにあるのが関の山だろう。それは、一度ロズイルと戦った自分がよく分かっている。お互い何も策が出ず悩んでいると、ふと食堂のドアが開いた。そして、中に入ってきたのはーー


「二人とも、どうしたの?」


髪を後ろで束ねて、ポニーテールになったリルムが入ってきた。リルムは、僕ら二人を奇異の目で見たと思ったら、僕の手にしている手紙に気づいた。しまった!と後ろ手に隠しても、もはや手遅れだった。


「菜糸様、その手紙なんですか?」


リルムは手紙を指差し、質問してきた。咄嗟に誤魔化そうとしたが、いい誤魔化仕方が思い浮かばず、「えっと……その……」とコミュ障全開の人みたくなってしまった。まぁ、コミュ障はあながち間違っていないけど……。


「もしかして……魔王様に関係あるの……?」

「っ……!」


図星を突かれ、思わず顔を引き攣った僕の顔を、リルムは見逃さなかった。もうこれ以上、誤魔化仕切れない……と諦め、僕は手紙をリルムの前に差し出した。


「『案内状』か……、相変わらず嫌な趣味しているね……」


リルムは手紙をペラペラと仰ぎ、苦笑する。リルムは手紙を僕に返し、「じゃあ私、部屋に帰るね」と、食堂から出て行った。グンセオが「何しに来たんだ?」と訝しんでいたが、僕はリルムの態度に違和感を感じた。


◇ ◇ ◇


バタンッ


私は自室の部屋を扉を閉め、扉に寄りかかる。そして、自己嫌悪が一気に溢れ出し、太ももに顔を埋める。私は、案内状を見たとき、ほんの少しだけ喜んでしまった。菜糸様を魔王様に取られるのが怖かった私は……。最低な事だとは自分がよくわかっている。だけど、菜糸様と魔王様が楽しそうに笑っているのを見ると、心にモヤがかかる。そして、そのモヤは次第に、“嫉妬”という醜い感情となってしまった。


「本当に……最低だ……」


そんな事を、誰もいない自室でポツリと呟く。菜糸様には毎日笑っていて欲しいし、魔王様には無事に帰ってきて欲しい。この気持ちには嘘がない。でも、魔王様が帰ってくると、自分は前と同じように陰で見ているだけの生活に戻ってしまう。


(嫌だ……)


菜糸様と一緒に話せている時間が無くなってしまう……。そんな生活……もう嫌だ……。私はふらふらとよろめきながら立つと、ベットがある所までゆっくりと歩く。いつも以上に体が重いのは気のせいだろうか?


ドサッ


ようやくベットにたどり着き、力なく倒れる。そして、薄暗い部屋を眺めながらさっきの出来事を思い出す。あの場では気丈の振舞っていたが、少し喜んだ事への罪悪感が押し寄せいていた。自分が忠誠を誓った人に背くような考え方だからだ。


「菜糸様……」


でも、この気持ちは、どうしても抑えきれない。菜糸様の顔を思い浮かべると、心どころか、私の全てが熱くなる。ベットの上に置いてある写真立てを手に取り、眺める。その写真には、笑っている菜糸様が写っている。隠しdーー記念撮影した時のだ。私のお気に入り。私は、その写真立てをそっと抱きしめ、写真だけど菜糸様を抱きしめている幸福感が溢れ出ている気がする。


「明日も、しっかりしないと……」


こんなみっともない私を、菜糸様に見せるわけにはいかない。幻滅されちゃうかもしれないし……。だから、自室以外では、菜糸様の事について我慢している。でも、この我慢はとても辛い。目の前に菜糸様がいるのに抑えないといけないんだから。こんなの拷問に近い。なんて、色々考えていたら、少し眠くなってきた。少し休もう……そう思い、そっと目を閉じると……


コンコンッ


突然、扉をノックする音が聞こえた。誰……?と眠気で少しボケた頭でかんがえていたら、声が聞こえた。その声の主はーー


「リルム、今大丈夫?」

「菜糸様……!?」


菜糸様だった。慌ててベットから飛び降り、扉を少し開け、顔をひょこっと出す。


「なっ、何の用かな?」

「……?何そんなに慌てているんだ?別に大切な話じゃないんだけど……確認したいことがあって」

「確認したいこと?」


菜糸様が私に確認したい事?独身かとかかな?もちろん独身だよ?菜糸様に拾って貰うのが私の夢なんだから。


「いや……その……少し元気なさそうだったから、具合悪いのかなって……」

「えっ……?」


あの時は、普段通りに話したはずだ。そんな中で元気ない事が分かるなんて……。でも、今のには関係ない事。


「ふふっ」

「何で笑うんだよ〜……」


元気ないと思った私に気を配るなんて、本当に優しい人だ。私は心の底からそう思った。でも、菜糸様に私の部屋を見られなくて良かった。だって、私の部屋には……菜糸様の“写真コレクション”があるんだから♡





今回は、リルムの依存を書きました!なんか楽しかったです!笑

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