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ある男子高校生が魔王(女)に惚れられたらしいですよ?  作者: 高良 トウ
3章 魔王様の婚約者登場するようですよ?
26/52

26話 魔王様(女)の写真を見つけるそうですよ?

バキッ!!


「ぐっ……!」

「グンセオ!?何しているの!?」


あの後、魔王様が拐われた直後に、ー騒ぎを聞きつけ、グンセオや四天王の皆が集まってきた。グンセオ達はリルムに事情を聞いていた。そして、事情を知ったグンセオは、僕に近づき拳を頬に向かって、殴りつけた。僕は、その衝撃で数メートル飛んでしまい、近くにあったテーブルや椅子に当たり、物などが散乱した。


「お前は……!何してんだよ!!」

「…………」


僕は黙る。何も出来なかった事は、自分がよく分かっている。……殴られて当然だ。グンセオは、そんな、なよなよした僕の態度にイラついたのか、また殴ろうとする。


「もうやめて!!」


しかし、それはリルムによって止められた。グンセオは、僕を一睨みし拳を下げた。しかし、まだ怒りが収まっていなかったのか、何も言わずに食堂を出ていった。


「あまり気にしないでね、菜糸君。グンセオ、自分が魔王様を助けられなかったの気にしているみたいだから」


まだ気を落としている僕に声をかけたのは、メイゲルだった。優しい顔を向け、僕に労いの言葉をかける。でも、その労いの言葉も、今の自分には辛いものだった。まだグンセオみたいに、殴られたり罵倒されたした方が楽だったかもしれない。


「……ごめん」


僕はゆっくりと立ち上がり、ふらふらとぎこちない足取りで食堂を後にした。どこに行くわけでもない。でも、誰もいない場所に……。あまりはっきりとしていない意識の中、廊下を歩いた。


◇ ◇ ◇


「ここは……」


しばらく歩くと、他の扉よりも豪華に装飾されたドアに目がいく。たしかこれは、魔王様の部屋だったはずだ。何をするわけではないが、そっとドアノブに手をかける。ギギギッと重い音を立ててドアが開き、中からは仄かな甘い香りが漂ってきた。


「ここが魔王様の部屋……」


初めて入った時は、思いがけぬハプニングがあり、ゆっくりとこの部屋を見ることができなかった。まぁ、あの時、じっくり観察していたら変態だけど。何気に辺りを見渡してみると、鏡台に付いている引き出しが少し空いているのに気づく。近寄り、中を確認する。罪悪感があるけれど、それ以上にこの引き出しを見ないといけないと本能的に思ってしまう。


「これって……写真?」


引き出しの中にあったのは、魔王様と見知らぬ白髪の男と一緒に写っている写真だった。白髪の男子は、一瞬グンセオと思ったが、グンセオより少し柔らかい表情をしている。まるで妹のように、愛しい目で魔王様をみている。


「っ……!?」


すると突然、頭の奥に鈍い痛みが走った。この白髪の男……見たことがある……。何故かふとそんな事を思ってしまった。写真の魔王様の年齢からして、まだ僕達で言う小学生ぐらいの時だろう。そして、今の魔王様は17〜18歳程。少なくても、10年以上前に撮られたものだ。その時はまだ、僕と魔王様は出会っていないはずだ。


『本当にそうか?』


「何……だ……?」


また頭の奥に鈍い痛みが走る。さっきよりも痛みが強い。思わず頭に手を当て、痛みの堪える。しかし今度は、“声”が聞こえた。幻聴かもしれない。でも、この声は何故か自然に僕の耳に残っている。何年も聞いて慣れているかのような自然な声。でも、僕は知らないはずだ。


「………!」


頭の痛みと苦戦しながらも、写真を見る。何気の写真脳後ろを見ると、何かの文字が書かれている。これは……英語だろうか?少し薄くはなっているが、文字が読めないほどではない。僕は目を凝らし、文字の解読を試みる。


(ナイト……?僕の名前……じゃないよな……)


そこには“ナイト”と言う文字が書かれていた。このナイトって、魔王様と一緒に写っていた白髪の男か……?色々な事を考えたが、結論は“分からない”となった。まだ情報が少ないし。


「でもこれ、魔王様は大切にしていたんだな……」


この写真は、小さな額縁に飾られており、汚れ一つ見つからなかった。毎日欠かさず手入れをしていた事が頷ける。しかし、同時にこの男との関係が気なってくる。まさか魔王様のーー


(はぁ……、何嫉妬してんだろう……)


そんな資格、僕には無いのに。自分は魔王様と釣り合わない……さっきそう実感したばかりだ。自分では魔王様を助けられない……。そして、何もできない自分に怒りが湧く。いや、殺気にも近いかもしれない。


(何してんだろう……)


僕は手に持っている写真を、元の引き出しに戻そうとした瞬間、異変は起きた。


「ぐっ……!?あぁ……!?」


突然、体が熱くなる。全身に血が生き通っている血が沸騰しているのかと勘違いしてしまう程に。僕はその場に倒れこむが、体の熱は収まる事を知らんとばかりに熱を出し続ける。


『力が欲しいか?』


「誰……だ……!!」


熱に耐えながら、声の主に問いかける。先程から同じ声……これは幻聴とは思えない。それに、この声は僕の意識に訴えかけている。耳からではなく、意識の中で聞こえる。どう言う事だ……!


『俺は、お前だ』


「……っ!?」


その言葉は、あまりにも信じられない内容だった。









お読みいただいて、ありがとうございました!

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