閑話 遠く蔑み憎む者 〜嵐の前の〜
今回は閑話です。
詳しくは後書きへ。
ああ。
俺とは、憎しみとは。
俺の名は
「ザナール・ホリプネス」。
いつもはザナと呼ばれている。
が、そんな"周り"に興味など
まるでない。
俺は感情が殆どない。
周りが俺にどう関わっても、どうでもいいし、
感謝もどうでもいい。
だが、唯一、憎しみは感じる。
今の俺は大人だが、
感情がほぼないのは子供の時から。
俺は
転校の多い子供だった。
転校して、1年経てば長い方。
そんな短い期間に次々と転校。転校。
出会っては別れ、出会っては別れの繰り返し。
どんなに絆を作ろうが、相手はきっといつか
俺のことを忘れる。
そんな無駄なこと、する意味はあるのか。
周りと作り、絡めて結ぶ。
そんな紐のような『絆』、
すぐに解ける紐、その糸は
別れ、また別れ、それはそのまま分かれ。
湧き出るこの悲しみは、いつしか
楽しみを平然と抱いている
誰彼へと持つ憎しみでしか
なくなった。
慶惚れて結ばれる、束ね糸。
その束ねの外に、俺はいる。
外から見つめる弱者に現実としての力はない。
だからこそだ。無力なら、無力に出来る事を。
この闇に煌めき光に蝕まれていく、力を。
その全てすらをも、捧げる。
『人生』の報復として、
正しい意味ではない行動と理解していても、
血湧き肉躍る、この破滅に。
そう、そう決心したはずなのに。
何故だろうか。
いつしか心は晴れて輝く。
本当、あいつは漫画の魔法使いみたいな人。
俺の、焼きつくように
闘志で燃え、散らばる紐、糸を束ね、
「ザナール・ホリプネス」
という、一つの命にしてくれた。
俺の生まれ変わりは、あいつのおかげだ。
___五月女 奏太。
今回はもう1人の主人公、
ザナール・ホリプネスの登場です。
主人公と言うだけあり、
この物語の中で奏太と大きく交わる
関係の人間です。
奏太と会ったことがある...?




