40話 畠との出会い
朝五時。
俺はキンと張りつめた空気の中、散歩に出かけていた。
「誰もいないな。」
そりゃ、朝五時だからなあ。
「あれ?」
俺は12、13歳ほどの少女を見つけた。
「あ、大滝家の方ですか?」
「ああ、大滝家の当主だ。」
「ああ、よかった。おねがいがあります。侍女にさせてください。」
侍女?
「かまわないが、何かあったのか?」
「はい。私は畠と申します。もとは越後の百姓だったのですが、上杉謙信殿が、いえ、謙信殿の足軽たちが、私たちに乱暴を働くのです。私の父は暗殺されましたし、母は上杉家に強制的に連れていかれました。なので、大滝家に仕えとうございます。」
「分かった。ところで、係は何がいいのか?」
「係、とは?」
「大滝家はその人自体の個性によって、仕事を分けている。例えば、教育係や武術指南など。」
「いえ、私の特技は教育や武術などではなく、花や作物を育てる事です。お役に立てませんか?」
「そんな事はない。実は俺、西洋医学を学んでおるのだ。そこらへんの花をちょいちょいといじれば、とんでもない薬になるからな。」
「そうですか。分かりました。仕えさせていただきます。」
畠は数年後に、『神の贈り物』と呼ばれるほどの、大きな活躍をする事になるのだが、当然、俺は知らないし、本人も知らない。
そして、畠と俺の出会いは、『神と救世主』という物語となり、現世で大ブームとなるのだった。
主人公は、西洋医学に詳しい設定にしています。
これからも小説でちょいちょい触れていこうと思いますが、薬草の作り方や治療の施し方は全くちがいます。




