あとがき
こんにちは。
オリジナルファンタジー小説『世界樹の傍の、Ⅳ』をお読みいただきまして、ありがとうございます。
著者の葉未です。
町シリーズの4作目でした。
今回は宿屋さん。魔神のお色気お姉さん&お兄さんです。
人好きのするキャラクターが多いので、書いていて楽しかったですし、何よりⅢを書いてくれた結城嬢のキャラクター、司書のアレクさんを話中で出せたのが嬉しかったです。
因みに、彼女とレーニアたちとの会話は、アレクというキャラクターをより正確に把握したかったので、「こう言ったら、アレクさんは何と返しますか?」という調子で反応をいただきました。
結城嬢、ご協力ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
下記には、今回のタイトルコールのキャラクターたちの簡易設定紹介を記載します。
宜しければお楽しみください。
またいずれ、同じ町を舞台にした物語を書きたいと思っています。新しい住人の話をお披露目できるのを楽しみにしています。
それでは、お読みいただきありがとうございました。
●『世界樹の傍の、Ⅳ』の人物水面下設定&らくがき
【レーニア・レイン・ソムニュムゥ】
職業:宿屋
種族:魔神族(爵位:コント)
性別:無性
眷属:ベルボーイマーヤ
城:宿屋タキオン
モデル:サキュバス、インキュバス、夢魔
とても穏やかな人格の宿屋を営む魔神。
位は中級魔族だが、その正体は元始の頃よりの源神の一人“現の浸食”。
故に後から出来た常識に縛られることがなく、基本的性別すら無い無性であるが、どちらかといえば女性の姿を好んでいるように見受けられる。
あまりに仕事をしない為に食事ばかりが彼の悪となってしまい夢魔と呼ばれてはいるが、本来は“侵食”を司り、そのものの存在や本質、流れを劇的に変えて支配する力がある。
大変に強力で、神々や魔神たちの間でも力の優先順位は高く、また古い。
名は違うが、地域によっては時代が変わる時期にキーパーソンの前に現れる神とされていることもある。革命の神とも。
夢の中で彼らを励まし、癒やし、天啓にも似たアドバイスを与えることも多い。
気に入られた者は己を高め、その才能を引き出して活躍することができる。
その気になれば現状にあるもの殆どを根本的に侵食し“現状以外”に変じることができる。
宿は、元“魔城タキオン”。食料は主に動植物の生気。
好みとして甘く鮮度の高いものが好きなので、専ら性行為中のものを吸収しているが、死気も食せる。
女体の時に採取した精液を、男体の時に相手に注ぐこともできる。
目下、宝石屋のメルヴィンがお気に入り。
【マーヤ・カルバンクゥルール】
職業:ベルボーイ
主人:宿屋レーニア
種族:魔神(魔獣・爵位無し)
性別:男性
聖獣&魔獣:カーバンクル
額に赤い宝石のある毛並みの良い黒い小さな兎。
空中を飛び回るし、出たり消えたりできる。
口が悪い。ツンデレ。
主人であるレーニアに対しても暴言を吐くが、少年の可愛い生意気さのような部分がある。
本来の姿は巨大な黒い三つ足兎。
その脚力で宙を自在に跳ね回れ、その巨大な口で泉を呑み込み、その俊敏さで木々を薙ぎ払う。
鋭い牙と爪を持ち、人間や神や精霊を貪り喰う。
額の宝石は太古の神でもあるレーニアの魔力の塊。これが汚れるのを嫌がる。
人間も精霊もレーニアを間にはさまなければ懐かないが、懐けば身内として大切にする。
まだ魔神としては日が浅く、魂や生気よりも肉塊を食すのを好む。
【タキオン】
職業:宿
種族:魔城(物があって意思がつく精霊や付喪神的なものではなく、意思ある素材が形を得るタイプ)
性別:無性(偉大なる一族の実験台でもあるので姿を形どる時は男性となる)
城主:宿屋レーニア
町の宿として宿屋レーニアを城主に建っている魔界が誇る九つの建築物の一つ。
ラテン語で「光を上回るもの」という意味。
狭い敷地内に合わせて建っているが、建物内部は無限の広さを誇る。
また、フロア1Fから階段をひとつ登れば4Fなど、おもに主であるレーニアの目的地などに合わせて内部を繋げることもできるし、逆に永遠の迷宮になることもできる。
現に、レーニアが“出入禁”にした客が今も尚、何名か腹の中に迷い込んでいるはずである。屍も多い。
掌サイズになることもできれば、巨大な空飛ぶ城になることも、都市一つ潰せる大きさになることもできる。
物があって時間の経過により意思がつく精霊や付喪神のようなものではなく、予め意思がある素材が後に形になるタイプで、この手の物神の力は、基が自然法理の存在の一つである為、何らかの理由で形さえ得れば単品で中級神魔族程ある。
タキオンのような自分の中に「空間」を持っている者は、この内部に限ればほぼ無敵。
更に、己の力と城主レーニアの力の相互作用で、建物内であれば全知全能状態。主の意思に添わないことはできないが、一方で主の意思一つで如何様にも変じる従順な城。
このタイプは、従えることが非常に難しいことで有名である。そのテリトリーである「空間」が広ければ広い程、従えることは困難。
更に彼本体は偉大なる一族の破片であるので、魔城としては最高位である。
九つの建築物の力はそれぞれ強大であるが、幸いなのは、彼らが主と選ぶ者たちに、常に分別があることである。
【マステマ】
種族:天使
性別:男性
人間を敢えて騙して陥れるという試練を与える使命の天使。翼が黒い。
背の高い、肉体美のある男性的な色男。
悪しきことに人間を誘う権利を主より公に与えられている。
人間に対してドSな天使だが、性根は兄貴肌で面倒見が良い。
嘗て、主に対して魔神の罪を軽くするよう、命を賭して進言して許されたことから、天使なのに親衛隊気味な魔神の軍勢を配下に持っている。
ソロモンの前に現れた悪魔のうち、数人は彼の部下である。
宿屋レーニアと旧知の仲。
性善質を持つ天使たちににすればこの役割は心を殺して励まざるを得ない激務に他ならず、エリートの立場だが時々堪らずにレーニアの宿に癒されに来る。
現実には果たされない幸福な夢を見ることが偽善であることも理解している大人の男。
側近として、よく獣の姿を取っているマルコキアスとシトリィの二人を従えている。
○マルコキアス:
マステマの側近。黒い翼と二匹の蛇の尾を持つ銀狼の姿でいることが多いが、魔神の一人。元天使で、過去マステマが主に取りなし命を繋いだ一人。天使は道を外れたら跡形も無く抹消されることが基本なので、珍しい堕天使の一人。その分、天使達からは汚らわしい者として汚物への眼差しの如く視線を向けられることが多く、マステマが彼を信頼していることが何とかそれを和らげている状態である。元天使なだけあって真面目な性格。
○シトリィ:
マステマの側近。翼も含め鷲の上半身と獅子の下半身、頭部はヒョウ。立派な四つ足の体格でいることが多いが、立ち上がって獣人風にもなれれば美しい人型にもなれる魔神。色仕掛けが得意。忠実な部下だが、ちょいちょい許される悪戯や悪意をしかけてマステマを少しばかり困らせるのが彼の愛情表現である。人間に伝わる彼の爵位は高いが、それは本人が誇示した結果伝わったものである。
レーニアさんとマーヤ。
お読み頂き、ありがとうございました。
マステマ一紋。
終