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追放された魔王の娘の下剋上  作者: ルナねこ族
第三章  ライリー編
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67話  押し問答



「さてと…それじゃあ、こいつから情報を聞き出さないとね。」



アンゲリカはリリの頭を撫でていたときの様な優しげな表情から一転、冷たく、感情の篭っていない瞳でライリーの父親を見つめた。


しかし、ライリーの父親は至って冷静で、うすら笑みすら浮かべていた。


やはり、リリもアンゲリカも、彼にとっては取るに足らない子供…と、思われているのだろう。


(でも…その子供に捕まったのはどこの誰かしらね…。)


自分が見下している相手に捕まった時点で、所詮は其方も、こちらと同等だと言うことがわかっていないのだろうか?


それとも…まだ何か、対策法でもあるのだろうか?



「さぁ、さっさと白状しなさい。一体あの培養カプセルを使って、何をしていたの?」


「ふん…あれはただの増殖用の機械だ。」


「増殖…?…まさか、新しい魔族でも生み出していたの?錬金術の家系の中には、不老不死を目指す者も多いとは聞いていたけれど…。」


「まさか!不老不死だなんて…そんなチャチなもののためではない。」


「不老不死が…チャチなもの?一体何を言って…。」


「どうせ魔族は長生きするのだ、醜く生に縋り付く必要はあるまい…。」


「っ…だったら、あんたは何が目的なの?」



不可解な発言をしだしたライリーの父親に、少々たじろぎながらも疑問をぶつける。


相手の真意が知りたい…と言うよりは、ただ単に、恐ろしかっただけなのかもしれない。


自分の考えの及ばない、未開の領域にいる相手に対し、恐怖を感じていただけだ。



「…それは勿論、あの方の…いや、あの方々…『7つの原罪の復活』を夢見ているのだ。」


「7つの原罪…ですって?」



アンゲリカはライリーの父親の言葉を聞いた途端に、キュッと目を細め、眉間にシワを作る。


怒りのような…焦りのような、とにかく、7つの原罪を復活させようとしているライリーの父親の考えが全く分からない…と言った感じだった。


とはいえ、アンゲリカがそこまで渋い顔をするのもわかる。…いや、むしろ、どうしてライリーの父親はここまで恍惚とした表情を浮かべていられるのだろうか?


『大昔に魔族たちだけに留まらず、この星に生きる全ての生物を滅ぼしかけた厄災たち』に、一体何を求めるって言うのだろうか?



(本当にこの人は…そんなものを復活させようとしてたって言うの…?)


『そうだな…おそらくではあるが、此奴、破滅願望でもあるのではないか?』


(た、確かに…それなら7つの原罪を盲信しているのにも、納得がいきますわね‥。…何で私、誰ともしない魔族と脳内で話し合わなきゃいけないのかしら…。)


『お前が私に話しかける様仕組んだ…とでも言いたいが、罰に私は何もしておらん。ただ勝手に、私の独り言にお前が反応しているだけだ。』


(厄災め…。)


『そんなに恨めしそうな声を絞り出さずとも良いではないか。…どうせ私は、今の段階では外に出る事が叶わないのだしな‥。』


(…?)



少し…ほんの少しだが、頭の中に響く自称7つの原罪の言葉に、リリは少々引っ掛かりを感じたが…それよりも問題は、レスター家の事だ。


リリは自称7つの原罪との会話から一旦離れ、ライリーの父親とアンゲリカの話に注意を向ける。



「どうして7つの原罪なんかに…いえ、それよりも気になるのは…。…ライリーは今、何処にいるの?」


「…?」



アンゲリカの問い掛けに、ライリーの父親は一瞬、「訳がわからない」と言いたそうな表情を浮かべた。


…逆に何故、ライリーの事について問われないと思っていたのだろうか?


ライリーは一応…現在は喧嘩?してしまってはいるけれど、それでもリリ達の仲間だ。


その仲間が苦しそうに呻いていたのだ、しかも現在、ライリーが何処にいるのか分からない状況にある。


彼の居場所を聞くのは、当然だろう。



「何故…あの出来損ないの居場所を聞くんだ‥?」


「決まってるでしょう?…あんなトラブルメーカーでも、リリの…いえ、私たちの仲間だから。それに、あんなに苦しそうに…助けを求めるかの様な目をしていたんだもの、助けない手立ては無い。」


「……。」



アンゲリカの心からの言葉を聞いたライリーの父親は…何も言わなかった。


ただ感情のこもっていない、空虚な瞳で自分の足元を見つめ続ける…かと思いきや。


突然、ライリーの父親は大声で笑い出した。



「…はは…ははは!」


「…。」


「はははは!!はぁ…。まさか、あの出来損ないを助ける気なのか?」


「そう言っているでしょう?もしかして、『学生風情に負けた』せいで、耳が聞こえなくなった?」


「っ…!ごちゃごちゃと煩いガキめ!」


「それとも…ライリーを取られるのが嫌なのかしら?」


「いらん!あんなクズ、いるわけないだろう?!」



アンゲリカの挑発にまんまと引っ掛かったライリーの父親が、喉から絞り出す様にして怒声を上げ、無残にも喚き散らす。


そんな様子を見ていると…ライリーの父親は、リリが想像もしていなかった言葉を吐き出した。



「ふん!大方あのゴミ屑は今日中に死ぬだろうしな!」




ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

もし良ければ評価やブックマーク、感想の方などをいただけたら嬉しいです。


ご視聴ありがとうございました。

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