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第27話 踏みにじられた過去

魔王歓迎の大宴会が始まり、


「魔王猊下! これは、オイラの果樹園でとれた自慢のアッポルです! どうぞお召し上がりください!!」


「なにを言う! 私の牧場で育てた、この妖魔牛のステーキを先に召し上がっていただくのだ!!」


私の目の前で、大きな皿に山盛りに積んだ林檎のような赤い果実をすすめてくるゴブリンと


黒い鉄板の上で音を立てて熱されている脂ののった牛のステーキをすすめてくるエルフ


(・・・・ゴブリンとエルフ、普通ススメてくる物 逆じゃない?)

などと心の中でツッコミつつ掴み合いの喧嘩をしようとする二人を止めようと


「あのっ! 両方とも頂きますので・・・」


「おらぁ~、二人とも!! 魔王猊下が困っていらっしゃるだろうが!二人の自慢の一品が両方ともうめぇのはオラも知っているが

それを、魔王猊下に美味しく喰ってもらうのに喧嘩なんかしたらせっかくの料理が不味くなっちまうだろ?」

私の倍以上の大きさの体格に二本の角を生やし青い肌をした大きなトロールが言い合いをしていたゴブリンとエルフを摘み上げ、仲裁してくれた。


「うっ!! ダンさん・・すまねぇ、オイラ めちゃくちゃ嬉しくて・・魔王様にオイラのアッポルを喰ってもらいたくて・・つい。」

「私も・・・つい、申し訳なかった。」


「わかったのなら、それでええ お前らは、他の魔王さま方の所に料理や飲み物をお届けしな。ちゃんと魔王猊下には、お前らの料理を食べて頂くから。」

ダンさんと呼ばれたトロールの言葉に頷いた二人は、私以外の三人の魔王の元へお酌しにいった後、私の隣に大きな腰をゆっくりとおろし、私の空になったグラスに

果実水を注いでいく。


「すまねぇなぁ~ あいつらに悪気があったわけじゃねぇんだ。許してやってくれ。」

「いえ、全然気にしていないので大丈夫ですよ。」


「あいつらはな、いや・・オラも含めこの国の皆が猊下が来てくれて嬉しいんだ。」

「・・・・あの、聞いてもいいですか?」


「オラに答えられることだったらなんでも」


「私が魔王に転生したのがつい先日の事なんですけど・・・どうして、皆さんは、そこまで魔王を求めていらっしゃるんですか?」

私には、わからなかった。これほどまでに美しい里を持ち、色々な種族とも友好的で”妖精女王”という優れた統率者を頂きながら

なにゆえ、よそ者のそれも元人間の魔王を欲するのか?


「・・・・そうさな、その話をするにあったて、この妖魔の森の現状を説明しねぇといけねぇんだが・・・少し長くなるが聞いてくれるか?」


「・・・・(コクリ)」

私が頷くのを見た後、大きな樽に入った酒を一飲みした後、話し始めた。


「この里、いや今は花の国か。は実は、この妖魔の森の一割にも満たないんだがな・・・」

ダンさんの言う通り、先程見た世界地図では、妖魔の森は、地球のロシアほどの広大な大きさがあった。


「昔は、妖魔の森全土に色とりどりの魔界樹が生い茂っていてなぁ~、。よく、お父とお母と森の恵みを貰いに出かけたもんだ。」

懐かしそうに酒を飲みつつ、昔を思い出しつつ空を眺めるダンさん


「昔はってことは・・・」


「・・・今から、500年ぐらい前だったかな・・妖魔の森に人間界の門が開き人間の軍隊が攻めてきたんだ。当然、オラたち魔族は、この森を守るべく

応戦したが・・・」


「敗けたんですか?」


「あぁ、向こうは、勇者を連れてきていたんだ。圧倒的だったらしい。応戦した同胞の魔族たちが一刀両断、次から次へと勇者によって亡くなっていった。

オラたち、生き残った魔族たちもティターニア様が結界を張る この里へ命からがら逃げのびたが、その後300年に渡って、この花の国以外の妖魔の森は

蹂躙され尽くした。 300年たち、蹂躙していた勇者が他国の魔王さまに討伐され、蔓延っていた人間たちを追い出した後、


オラたちの住んでいた土地は、すでに生き物が住める環境じゃなかった。生い茂っていた魔界樹は、全て切り倒され、川魚を捕っていた綺麗な川の水は干からび

山菜などが生えていた大地は、ひび割れ、澄んだ空気は、汚染され瘴気が漂っていた。」



「・・・・・・・」


「それでも、オラたちは偉大なる先祖に習って、その土地の復興作業に取り掛かろうとした・・・だが、できなかった。」


「え?」

「人間たちが、魔族へのいやがらせも含めて土地全体に魔力障害の呪詛をまき散らしていたんだ。」



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