第10話 冤罪
「そういえば空間操作のランク上げ
試してみたらどうだ?」
確か空気を入れ続けるんだよな。
空間に穴を開けそこに延々と流れていくイメージをする。
風船が膨らむように異空間内が広がっていく。
―――告・《空間操作》がDランクに昇格―――
「本当にランクアップした……」
「良かったじゃね―か。
確かDランクだと4人乗り馬車くらいまで
入るらしいからこのオーク運んでくれ」
さてはこいつ荷物運びが楽だから
オーク討伐選んだんじゃないか?
まぁいい、さっさとスライム捕まえてギルドに
持っていこう。
「おう、こいつが依頼の報酬だ」
銀貨3枚と銅貨1枚を渡された。
ちなみにスライムは半透明の青色でしずく型で
目と口が付いていた。
「で、こいつがオークの買取価格だ」
銀貨5枚を差し出してくる。1匹2500Gが相場のようだ。
銀貨4枚をジイドに差し出す。
「半分でいいか?」
「いらねーって」
「そうか」
「その代わり俺が困ってたら助けてくれや」
こいつが困ることなんてあるんだろうか。
だがこの恩(?)は覚えておこう。
なんだか周りが騒がしくなってきた。
騒ぎの中心を見てみると目を奪われた。
透き通るような白髪、陶器のような肌。
スラッとしているけれど絶壁というわけでもなく
確かな膨らみがある。そして遠目でもわかるほど美人。
そんな美人がガラの悪いやつに絡まれている。
よく見たらこの前絡んできた奴らだ。
「いいじゃねぇかよー俺らと組めよ」
「……」
美人はガラの悪いやつらを無視してるようだ。
助けてみようかな。
「おい!女!兄貴を無視すんな!」
あれ?美人さん剣に手をかけてないか?
あと近づくにつれて顔がよく見えるようになって気づいたが
目に光がない。なんかやばい気がする、急ごう。
「お前らそのへんにしとけ」
「あぁん?てめぇこの前の」
「また恥かきたくなきゃ失せろ」
俺は右手で銃のような形を作りデブの方に向ける。
するとこの前のことを思い出したのだろう
脂汗を大量にかき始めた。
「どうする?」
「わ、わかった、もう行くから勘弁してくれ」
デブ&チビは逃げていった。
最悪の事態は避けられたと思うがこの美人さんの出方次第だな。
「どういうつもり?」
「……あいつら殺す気だっただろ」
「だから?」
まずい、怒ってらっしゃる。
どうしよう、美女の扱いなんてわからない。
「ここで殺しはまずいだろ」
「関係ないわ」
関係ないらしい。
どうしようかと本気で迷っていると美人さんの後ろから人が近づいてきた。その人を後ろを向いて仲間と話しながら歩いているため美人さんに気づいていない。
ぶつかりそうだな。…………と、思っていると本当にぶつかってしまった。
美人さんはこちらに倒れてきた、危ないと思いとっさに前に出て受け止める。
――――――むにゅっ
「……そう、あなたも死にたいのね」
「す、すまん。事故なんだ、悪気はないんだ」
事故で胸を揉んでしまった。
幸せな感触を体験すると共にとてつもない恐怖が襲ってきた。美人さんの目が更に怖くなる。
「決闘よ」
「……決闘?」
決闘を挑まれた。決闘ってあの決闘?
「殺し合いは禁止じゃ…?」
「ギルド員立ち会いのもとなら瀕死までならいいのよ。
知らないの?」
「何せ今日登録したばかりなもので」
「そう、知ったこっちゃないわ」
知ったこっちゃないらしい。
「ちなみにランクを聞いても?」
「Cランクよ」
終わった。異世界生活終了のお知らせである。
FランクがCランクに勝てるわけがないだろう。
自転車で車に正面から突っ込むようなものである。
「なんだ?喧嘩か?」
騒ぎを聞きつけたギルマスが出てきた。
「なんかナンパされてるの助けたら決闘申し込まれた」
「は?」
伝わらなかったようなので詳細に説明する。
「そりゃぁ……おめぇが悪いぜ。
嫁入り前の娘の乳揉んだなら殺されても
文句言えねぇよ」
誤解である、俺はわざと揉んだのではなく事故で揉んでしまったのだ。いくら説明しても理解してもらえない。
「そういうことなら俺が立ち会ってやるから
裏の決闘場でやるぞ」
ギルマスがそう言うと俺は周りの冒険者の手によって連行されてしまった。
拝啓、天国のお父さん、お母さん、僕は今不幸な事故により女性の胸を揉んでしまったせいで怖い人達に連行されてます。かなり早くそちらへ行くことをお許しください。
先程からずっと脳内で邪神の高笑いが聞こえるが気のせいだろうか……
『オホホホホホ、イヒヒヒ、はぁはぁはーあ
お腹が痛いですわー!w
なんて面白いことしてますのー!w
わたくしを笑い死にさせるおつもりですの?w』
いつも更新遅くてすまねぇ
ブックマークとかしてくださると
とても嬉しいです。




