表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法が使えるだけの普通の女の子  作者: まるぱんだ
5.祖母の手ほどき、そしてまさかの遭遇
20/102

19.日常

 祭が終わると、またいつもの日常。

 何事もなく、ゆっくり、時間が流れていく。

 けれど、この間の一件で、自分の魔法が他の子の役に立つ事がわかった。

 魔法をするのは、遊びだけじゃない。ちゃんと、人に貢献できる。

 その思いが、私の魔法の勉強の、拠り所の一つになるだろう。たぶん。


 しかし、祭が終わるとともに、私たちの前に立ちはだかるもの。

 期末テストである。

 普段授業を寝ずにきちんと受けていれば、私の受験にとって必要最小限の得点は、楽に超えられる。

 提出課題をきちんとやっていれば、八割はとれる。

 テスト自体は、簡単なのである。

 しかし、その提出課題というものが、多い。多すぎる。

「嫌だぁ……あー、燃やしてやりたい」

 弾みでそう呟いてから、あれ? となった。

 例の火事の話が、ふっと、思い出されたのだ。

 まあ、どうでもいい。大人しく、片付けよう。


 魔道書のように、確実に全部覚えられたらいいのに。

 いや、今は忘れよう。今大事なのは、定期テスト。そう言い聞かせる。

 新しい魔法も、覚えたい。でも、今はお預けだ。

 宿題をおざなりにしたら、その報いはそのまま自分に返ってくる。

 前回、一夜漬けなんかするから、あんな散々なことになったのだ。

 ちゃんと、頑張ろう。魔法は、いつでも出来るではないか。


 そう心に決め、休憩時間のすきま時間も惜しんで勉強、とばかり本を開いた時、

 ロングホームルームの開始を告げるチャイムが鳴った。

「えー、今日は、テスト発表ですね。このテストが終わったら夏休みです。受験の、天王山って、世間では、えー、よく言われますけれども。まあ、この学校は、受験する人は、あまり、多くないにせよ、周りの、一緒に戦っていく、この時期に死ぬほど勉強した人達に、負けるわけにはいきませんね。だから、この夏までに、弱点をつかんで、……」

 以下、聞き流してしまった。わかっていることばかりだ。

 問題集を開く。

 受け身で話を聞くだけで時間を過ごすより、少しでも、自分のために勉強したいのです。

 と言ったら、許してもらえるだろうか。

 ==========

 テストが返却される。

 前より、苦手科目の点がちょっと上がってた。よかった。

 嬉しいついでに、下校中、杖で星のシャワーを作る。

 金色の砂金のような光が、私をとりかこむ。

 って、そんな豪華にするほどの事でもないな。まあいい。

 テンションを引き上げて、何が悪い。


 もう、太陽が照りつける季節になった。

 夏休みが始まるまでには、初級書、一通りは読めているかな。

 呪文も、覚え始めている。

 お盆までに、ある程度マスター出来ていてほしい。

 また、祖母に教えてもらえるから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ