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魔法が使えるだけの普通の女の子  作者: まるぱんだ
5.祖母の手ほどき、そしてまさかの遭遇
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20.特訓

「あらー、奈波、大きく……」

「おばあちゃん、来てくれてありがとう!」

 言下に言う。

「遮るのは良くないと思うわー」

「だって、いつもおんなじじゃん」

「いや、歳をとれば、子供の成長なんて一瞬よ」

「子供じゃな……まあ、まだ二十歳じゃないから、そうかも」

 今日この時期は、お盆だ。

 墓参り等々済ませ、祖母は我が家に来てくれた。

 というのも、魔法の手ほどきをしてもらえるよう、頼んでおいたのである。

 夏のこの長い期間。ほとんどは勉強で忙しいが、

 こういう日ぐらい、魔法の腕を上げたい。

「さっそく、始める?」

「うん。まあまずは、私の杖魔法の練習の成果を見てよ!!」

 我ながら、小さい子供みたいだ。

 祖母が来て、嬉しくて、「見てみてー」と、成長を見せようとはしゃいで。

 でも、彼女はにっこり微笑んで、私を促してくれた。


 まず、喫茶店の壁の模様としておびただしい数描いた、

 水の玉と炎を生む魔法陣。

 丸、直線、三角、丸……

 だいぶ、滑らかな線が描ける。

 初めて杖を使った時の、あのいびつでガタガタに震えていたそれとは違う。

 最後の線を描き終え、すっと、手を引く。

 魔法陣に手を当てれば、くるくると回り、光り出した。

 光の中心から、ポンっと、音が出る。

 透明の球体。

 赤く輝く球体。

 二つが同時に生まれ、追いかけっこするように回る。

 最後はぶつかって、互いに消しあった。


「どう……かな?」

「うん、これは完璧よ! 私と大差ないわ!」

「え、そんな……」

「だいぶ練習したのねえ!」

 魔法の大先輩にそう言われれば、嬉しい限り。

 しかし、他の魔法は、もちろん模様に採用したわけではなく、

 だから、ここまでは練習していない。


 しゃっ、しゃっ、……で、えっと、こう描いて、こうやってこう、こう。

 竜巻が出来て、どこかに飛んで行った。

「指で読んだのって、絶対忘れないし頭にはすぐ浮かぶのに、いざ使うってなった時スムーズに再現できるってわけじゃないんだね……」

「うん。それで、途中でちょっと考えたでしょう? それで動きがゆっくりになったら、その部分の力が強まって、バランスを崩してしまうの」

「あー、じゃあ、無意識のうちに描けるくらいまで、ひたすら練習、だね!」

「……まあ、意図的にゆっくりと描いて、魔法の動きをコントロールしたりするから、無意識にってのも考えものだけど」

「ほー、難しそう」

「それと、描いてる方の手の肘に、もう片方の手を添えたら、ブレが少なくなって、いいわよ」


 そして、アドバイスを実行しつつ、沢山の魔法を繰り出した。

 竜巻や、霧、雪や雷を作った結果、部屋の中が少し荒れてきたので、

 外に出ることになった。

 公園は、練習にもってこいの場所だ。


 何度か、祖母が見本を見せてくれた。

 緩急が付いていて、どこかリズミカル。

 そっか、このスピードの変化が、魔法をコントロールしているんだ。

 本には、形しか載っていない。けど、実際に見て学ぶものも多い。

「ここを、今わざとゆっくり描いたの、わかった?」

 空中に浮かぶ魔法陣を指差す。たしかに、線が太い、気がする。

 丸い図形の、右側。

 それに手を当てれば、くるくる回り、

 出てきた光の玉は、私たちの右側に、大きく飛んで行った。

「おおー、なるほど……」

 竜巻を、もう一度作る。

 肘に手を当て、滑らかに、でも上の方を、過剰なまでにゆっくり描く。

 つむじ風が、物凄い勢いで前進した。

 ひとつ、また新たなことを知る。

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