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確信  作者: 第六感
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1 競技開始

ーー国際スポーツ狩猟大会競技規則

第3条

4 「競技開始」とは、審判が競技開始の合図を発した時点をいう。


※ ※ ※


「これより、第十七回日本スポーツ狩猟大会を開催します」


よく通る主審の声が、スタート地点定位置に収まった01~12番までの競技者の間を抜けていった。

各々の手には大会仕様の銃がある。


「本大会の標的獣は、雄のアカシカ、一頭です」


正面の大型スクリーンに、一頭の鹿の写真が映し出された。


「推定年齢、七歳。

体高、一・四メートル。

体重、約百十キログラム。

右後肢に古傷があります。

また、左角の第三枝が右角の同部位と比較して約三センチ短くなっています」


写真が切り替わる。横から撮影したもの。正面から撮影したもの。後方から撮影したもの。

そして、1枚目の写真、すなわち、参加者の手元に与えられている写真とスクリーンが一致した。


「以上が、本大会において競技者に与えられる標的獣に関する情報のすべてです」


何人かが顔を上げた。


「標的獣の現在地については、競技開始時点において、競技者にこれを通知しません」


そこで、主審は一度言葉を切った。


「標的獣の捕獲に当たっては、競技者自身の判断により、その時機及び方法を決定してください」


01番は、スクリーンの鹿を見ていた。

他の十一人も、同じ鹿を見ていた。


「それでは、第17回スポーツ狩猟大会」主審が、開始を宣言する。「競技開始です」

同時に、開始をつげる号砲が鳴り響くのが通例である。


しかし、選手らがいくら待っても音がしない。

変わりに白い煙だけが上がっている。


一瞬誰も動かない。スクリーン横の大砲に、全員の注目が集まっていた。

10番が「不発か?」と言ったが最初の動きだった。


はじかれたように審判の一人が大砲の方向へかけていく。


01番は、森を振り返った。そして、一歩を踏み出し、駆け足に変わる。

02番が足音に振り返ると、はっとした顔をした。


02番と03番が走り出したのは同時だった。


ここで、砲声。

ドォン、と。


ようやく開始を知らせる轟音が森に響いた。


残った選手も一斉に走り出した。

大会が始まった。

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