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残酷な宣告

前回の続き①

病室前の廊下で、夫と義理の父と母が赤ちゃんの誕生を待っていてくれました。


病室から助産師さんが赤ちゃんを抱えて出てきたので、皆で赤ちゃんの顔を見ようと歩み寄りました。

「緊急で検査をしなくてはならないので、すみません」と助産師さんが言い、慌ただしく赤ちゃんを連れて行ってしまったとの事です。

そのため、赤ちゃんの顔をゆっくり見る事ができなかったのだそうです。


(のち)に義母から「“赤ちゃん”て言うくらいだから、赤ちゃんて顔が赤いものだけと、ユウトを見た時に随分(ずいぶん)色の白い綺麗な子だなぁと思ったんだぁ」と話していました。


結局その日は、面会時間が過ぎてしまい、家族は赤ちゃんに会えずに帰ってしまいました。


その日の夜10時過ぎに「小児科の先生から説明がありますので」と個室に呼び出され、赤ちゃんの状況を聞く事になりました。

(総合病院で出産したので、婦人科病棟に隣接して小児科病棟があります)


ここからはお医者さんの説明になります。

「 感染症にはかかっていませんでしたが、無呼吸と過呼吸を繰り返している状態です。無呼吸は生まれたばかりの赤ちゃんによくある事ですが、過呼吸の方が気になります。

脳と肺の検査をしたのですが、脳の画像写真では左側の脳にシワが見えないんです。ですが、新生児だとまだ脳の組織が完全に出来上がっていないので、脳のシワが写らない事も(まれ)ではありません。

肺のほうですが、黒い影が見えていて、膿疱(のうほう)気胸(ききょう)の疑いがあります。膿疱だと自然にしぼんで無くなる事もありますので、経過観察になりますが、気胸だった場合は手術をする事になりす。

無呼吸と過呼吸を繰り返しているのは肺が原因かと思います」

と、初期の診断では脳よりも肺の方に問題があるとの話でした。

説明を受けて、私は(産まれてすぐ、手術っ!?どうか、どうか、膿疱でありますように)と祈りました。


出産の翌朝、昨晩説明をしてくれた医師から「午後から小児科の部長先生からお話がありますので、ご家族の方に一緒に説明を聞いてもらえるように連絡を入れてもらえますか?」と言われました。

私はこの時、全然深刻に考えていなくて(肺の方に何かあったんだなぁ)ぐらいにしか思っていませんでした。


私は、夫と母に連絡を入れ、来てくれるように頼みました。

病院には、夫と私の両親と義父母がかけつけてくれて、私を含めて6人で話を聞きく事になりました。

皆集まったところで、病室に助産師さんが来て、先生の所へ案内してくれました。


小児科部長の先生は、まず肺の説明から話し始め「肺の影は今日になって消えていました。どうやら、膿疱だったようです」と告げました。

私達は(良かったぁ。手術にならなくて)と安堵しました。

しかし、次の言葉で家族全員、地獄に堕ちたのでした。

先生は、赤ちゃんの脳の画像を見ながら「脳梗塞です。脳の左側半分が壊死しています」と宣告したのです。

本当に衝撃過ぎて、私も家族も皆、言葉が出ずにいました。

あの時の状況をなんと説明していいものか……


先生が今後の病状や治療法などの話を始めて、聞いているうちに段々と理解していったような……

私は、ようやっと理解した時には嗚咽をもらして泣いていました。

その後に、脳外科の先生からも話があり「小児の事例が少なくて、大人の症例しか言えないのですが、脳梗塞の範囲からして、将来は寝たきりか良くても車椅子生活でしょう」と宣告されました。


正直な話、この時の私は「なんで私の子供が?皆、普通に何の問題も無く産んでるのに、なんで私だけがこんな事になるの?自分の運が悪いから?なんで、私だけ……なんで、私だけ……」と自分の事ばかり考えて、私1人が不幸のどん底に堕ちた気分でいました。


私は先に退院して、 赤ちゃんはNICU (新生児集中治療室)で経過観察をする事になりました。

私は、毎日母乳を届けに病院へ通いました。

母乳は、ストレスなのか、もともと出ない体質なのか、両方で30ミリぐらいしかでなくて……それでも、助産師さんから「1滴でもお母さんの母乳は貴重なんだよ。赤ちゃんにとって、免疫力を高めるのに母乳が大事なの」と励まされ搾乳器(さくにゅうき)と毎日格闘していました。

生後2週間で保育器から出してもらい、初めて抱っこする事ができて、この時の感動ときたら例えようがないくらい嬉しかったです。

リハビリもこの頃から始まりました。


生後1ヶ月頃にやっと退院の許可が下り、我が家へと連れ帰る事ができ、リハビリのため、週一で病院へ通う事になりました。

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