4.スキル
スキルとは、100人に1人、つまり1%の確率で神から与えられる特殊能力のこと。
スキルの特徴は、唯一無二の能力であることと、詠唱不要で魔力を使わずにその能力を使えることである。
今起きていた状態はスキルのせいだったとすれば、納得がいく。
なら、私のスキルはフェンリルに変身する能力ってこと?
何だか違う気がするけど。
さっきは『フェンリルになりたい』って思ったらフェンリルになれたね。
ならもう一度。
私はさっきみたいに、『フェンリルになりたい』と念じる。
すると私はフェンリルに変身する。
ここまでは当たりかな?
次は『ドラゴンになりたい』と念じる。
これでドラゴンになれたら、いろんな魔物に変身できる能力となる。
しかし、私はドラゴンに変身しなかった。
なら本当にフェンリルに変身する能力なの?
んー、要検証。
別に今、スキルの詳細を突き止めないといけない訳じゃないからね。
それにさっきから、フェンリルが目を白黒させてるし。
私は元の姿に戻る。
何だかどっと疲れちゃった。
私はその場で寝転がる。
そして目を閉じようとすると、フェンリルが人の姿に変身する。
どうしても言いたいことが通じない時だけ、人の姿になるので、人の姿を見るのは久しぶりだ。
「せしる、ふぇんりる、すきる?」
フェンリルは戸惑いながら、私に問いかける。
私は首をかしげながら、小さく首を縦に振る。
私だってよく分からないからね。
「ふぇんりる、なって」
暫くして、フェンリルは何かを決心したのか、少し語尾が強くなる。
その言葉に倣って、私はフェンリルに変身する。
今度は私がフェンリルを、見下ろす形になる。
「あの、き、きりさく」
フェンリルは少し離れた場所にあった、大木を指差す。
私は転ばないように、ゆっくり歩いて大木の前に立つ。
ここら辺の木は癒しの泉の水を取り込んでるせいか、他の木と比べて、一回りが二回りは大きい。
フェンリルになっているけど、それでも巨大に感じる。
私はそれに向かって、爪を立てた右前足を大きく振り下ろす。
──シュッ
あれっ?
大木に向かって爪を使って、思い切り切り裂いたつもりだったけど……
全く手応えが無かったから、空振ったのかな?
──ドゴーンッッ!
私の前で、耳が捥げそうなぐらいの轟音が鳴り響く。
私は恐る恐る目を開けると……
目の前には、大木が綺麗に斜めに引き裂かれて、切り株の隣には横たわった大木がある。
全く手応えが無かったよね、さっき。
何でこんなことになってるの?
「ちから、ふぇんりる、なってる」
後ろを振り向くと、そこには大きく目を見開いたフェンリルが『凄い』と言わんばかりの表情で立っていた。
もしかして、フェンリルの力手に入れちゃった?
リアルの事情で二日程度投稿出来ません、スミマセン。
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