最終話 ピュエラマギホーリートリオ
ピーンポーン
麗「こんな朝から誰よ…」
ガチャ
耒「うーっす!ww」
麗「げ…」
耒「なんだお前か」
麗「なんだお前かって…」
麗「あなたこそなんなんですか?引っ越したと聞いたのですが」
耒「ホームシックにかかりましてね」
麗「ここはあなたのホームじゃないです」
耒「今日はお前のためにプレゼントを持ってきてやったというのに……」
耒「そんな態度とっていいのかな」
麗「プレゼント?」
耒「ほしい?」
麗「別に……」
耒「ウララさまwww」
麗「……」
耒「ただではあげられないがな」
麗「欲しいなんて言ってないんですけど」
耒「そっかー…ふーん?……いらないんだ?」
耒「とっておきのものを持ってきたんだけどな……」
麗「はぁ……」
麗「受け取れば帰ってくれるのですか?」
耒「欲しくなった?」
麗「帰って欲しいだけです」
耒「それよりも暑いんだが」
麗「?」
耒「玄関で会話とか客に失礼と思わないのか」
麗「思いませんが、私は優しいので上がらせてあげます」
部屋に向かい歩きながら
麗「お姉さんまだ寝てますよ」
耒「いや、今日はどちらかといえばおまえに用があってきたんだ」
麗「?」
お部屋到着です
耒「唄さんと俺は高校時代、妹同好会のメンバーだった」
耒「これは知ってるよな?」
麗「いつだかお姉さんにそんなはなしをきいたことがあります」
耒「そうして仲良くなった」
耒「唄さんは毎日俺に目を輝かせながらお前のはなしをしてきた」
麗「///」
耒「……」
耒「昨日あったことや、これから2人でしたいこと……」
耒「正直俺にはどうでもいい話だったが、ちゃんと聞いてたんだ」
麗「はい…」
耒「だけどな、一つ不思議なことがあるんだよ」
麗「?」
耒「唄さんは絶対に過去の話をしない」
耒「あ、過去って言っても昨日とかじゃなくて……子供時代ってことな」
麗「はあ…」(ため息じゃないよ!「ほうほう…」的な感じ)
耒「そういう雰囲気になっても、俺からはなしを持ちかけても…」
耒「見事にスルーされて、はなしを逸らすんだよ」
麗「……」
耒「心当たり、あるか?」
麗「いえ……」
耒「そうか……」
麗「でもっ」
耒「?」
麗「少し心当たりというか…」
麗「思い出せないんです」
耒「ん?」
麗「小学生の時の記憶くらいあってもいいはずなのに……」
麗「全然思い出せない」
耒「!?」
麗「どうして……」
耒「それ、いま気づいたのか?」
麗「……こんなこと考えたことなかったんです」
麗「多分……」
耒「アルバムとかあるか?」
麗「あっ!」
麗「持ってきます!」
おしいれ?
麗「よいしょ、よいしょ…」ガサガサ
麗「(それにしても……どうして思い出せないんだろう)」
麗「(昨日の夕ごはんは…カレー!)」
麗「(さすがに記憶障害とかではない、よね……)」
麗「あ、これかな…?」
麗「思ったより少ないけど……」
リビング
耒「ん、あった?」
麗「はい」
麗「あ!ごめんなさい」
耒「?」
麗「お茶、用意してなくて……」
耒「wwww」
麗「なんですか?」
耒「お前でもそんな気遣いができるんだなってww」
麗「できます!ばか!」
麗「これ、ここに置いとくんで先にみててもよくってよ」キリッ
耒「よくってよwwってww」
耒「妹キャラからのお嬢様キャラと?」
麗「……」
Go to 台所
耒「……」ペラペラ
耒「…唄さんとあいつは4歳差か」
耒「……」ペラペラ
耒「ん、小学校の入学式?」
耒「えっと……6歳かな」
耒「ならもうあいつは生まれてるはず」
麗「お待たせしました」かちゃ
耒「おい、これって」
麗「?」
耒「唄さん専用のアルバムかなんかか?」
麗「え?いや、そんなことないはずですけど」
耒「……お前が全然写ってないんだけど」
麗「!?」
麗「ちょっと貸してください!」
耒「おう…」
麗「……」ぺらぺら、ぺらぺら
麗「どうして…どうして…」
耒「……」
麗「……」
耒「…今からお前に質問をする」
麗「……」
耒「名前は?」
麗「…桜庭麗」
耒「年齢は?」
麗「…14歳、中学3年生」
耒「生年月日は?」
麗「……」
麗「に…せん年うまれの」
耒「2014マイナス14したな」
麗「っ……」
耒「よく考えろよ。中3は誕生日を迎えると15歳になるんだ」
耒「早生まれではない限り」
麗「1999年……」
耒「誕生日は」
麗「……」
耒「そうか」
耒「部活は?」
麗「…もう引退しました」
耒「何部だったんだよ」
麗「……」
耒「好きな教科は?」
麗「数学です」
耒「小学生の時好きだった教科は?」
麗「……」
麗「数学、です」
耒「ムリに自分の記憶をつくりだすなよ」
耒「小学校に数学はないぞ」
麗「……」泣
耒「…こわいよな」
耒「俺もなんだよ」
麗「?」
耒「つい最近のことは思い出せる、本当つい最近な。1週間前くらい」
耒「けど数年前どころか、数ヶ月前のことが思い出せない」
耒「だけどなぜか、妹同好会に入ったことは覚えてるんだよな」
耒「去年……唄さんに一目惚れして妹同好会に。ってことだけ」
麗「お姉さんのどんなところに惚れたのですか?」
耒「…さぁなー」
麗「私だけならまだしも」
耒「俺も…なんて」
麗「おかしいですよね」
耒「おう」
次の日
ピーンポーン
麗「はい」ガチャ
麗「今日も朝早いですね……」
耒「おう」
麗「どうぞ」
耒「おじゃまします」
麗「…あの後お姉さんに聞いてみたんです」
耒「…ほう」
麗「なにも教えてくれませんでしたけどね。」
麗「ただ、何か隠してるってことはわかりました」
耒「…そうか」
麗「なんか暗いですね」
耒「……」
麗「あ、紅茶でいいですか?」
耒「おう」
麗「少し待っててください」
麗「お待たせしました」カチャ
耒「どーも」
麗「…あれからなにか思い出せましたか?」
耒「思い出した、っていうか……」
耒「今、8月だよな」
麗「はい?」
耒「夏だよな?暑いよな?」
麗「……」
耒「なんでお前は長袖なんか着てんだ」
麗「……」
耒「脱げ」
麗「…変態」///
耒「そういう意味じゃねぇ!」
耒「腕まくりするだけでもいいから、見せてくれないか」
麗「嫌です!!」
耒「…嫌なら無理に見せろとは言わない」
耒「あのな」
耒「胸糞悪くなる夢をみたんだ。あんたが傷だらけになる夢を」
耒「夢なのに、妙に現実っぽくて……気持ち悪いんだよ」
耒「だから、その……話していいか?」
麗「…いいですよ」
耒「桜庭麗が家族に虐待を受け、同級生にいじめられる夢だった」
麗「っ!?……」
耒「痩せ細った痣だらけの体でな」
麗「変な夢ですね。でも私は虐待もいじめも受けてませんよ」
耒「そうだよな…」
麗「はい」
耒「…なぜ服の下を見せない?」
麗「見せたくないからです」
耒「それは痣があるから?」
麗「……」
耒「そうなのか」
麗「やめてくれませんか、そういうの」
麗「それはあなたの夢の中の私ですよね。さっきも言った通り私は虐待もいじめも、受けてません」
麗「だから、一緒にしないでください」
耒「お前は一体……何者なんだ?」
麗「……」
唄「それは私の口から説明するわ」
耒「えっ…?」
麗「お姉さん!?」
唄「今まで黙っていてごめんなさい。」
唄「でも、落ち着いて話を聞いてほしいの」
耒「やっぱり……」
耒「あなただったんですね、唄さん」
唄「もう、耒くんったら。早とちりしちゃって……」
唄「まだ何も言ってないじゃない」
唄「なにから話せばいいかしら……」
唄「じゃあまずは麗ちゃんから」
唄「失礼、麗ちゃんじゃないわ」
唄「…菊名 ももちゃん」
麗「!!!」
唄「あなたのお姉さんは誰?」
麗「桜庭…唄…さん」
唄「……その記憶は偽物よ」
耒「……」
麗「いや…いやだよぉ…」
麗「ひどいよ、こんなのあんまりだよ…」
麗「私が…お姉さんの妹じゃないならぁ…みんな死ぬしかないじゃない!」
耒「ちくしょう!……こんなことって……!」
唄「落ち着いて!」
唄「この様子じゃあ、もう話すしかないわね」
唄「ここはね、偽物の街」
唄「私の望んだ……妄想の世界なのよ」
唄「耒くんも自分の正体が知りたいかな?」
唄「御坂ともくん」
耒「っ!」
唄「あなたは陸上の成績が優秀で県内でもいつも学年トップだった」
唄「だけどある日」
唄「高熱を出したあなたは昼間から寝ていたせいで深夜目を覚ました」
唄「そして……」
唄「テレビの電源を入れてしまった」
唄「…………」
耒「あぁ…思い出したよ」
耒「俺は晴れてアニオタの仲間入りさ」
唄「そう……。それからあなたはアニメに熱中しすぎて陸上をやめてしまった」
耒「あぁっ!…うぅ…!あああ」
耒「やめろ、やめろぉ!」
麗「私たちも、もうおしまいですね」
耒「なぁ…俺たちこのまま2人で怪物になって 現実世界、何もかもメチャクチャにしちゃおっか?
嫌なことも、悲しいことも、全部無かったことにしちゃえるぐらい、壊して、壊して、壊しまくってさ…。
それはそれで、良いと思わない? 」
麗「でもどうやって…?」
唄「ふたりとも、現実逃避はやめなさい」
麗「現実逃避って……現実から逃げてるのはあなたじゃないですか!!」
唄「そうね……」
唄「両親は共働き、兄弟はいない。友達もいない。私はいつも孤独を感じていた。」
耒「そしてこんな世界を作ってしまった」
麗「でもどうして?普通に考えておかしいですよね」
麗「世界を創るって……どっかの魔法少女じゃあるまいし」
唄「その魔法少女なのよ」
麗「今なんて?」
唄「だから……私は魔法少女なの!」
耒「理解不能」
麗「」
唄「ここから出たい?」
耒「話が飛びましたよ」
麗「」
耒「ほらここに急すぎて話についていけてない人が」




