運命的な出会い
私は親友の麗 天子から勧誘を受けていた。
「ねー、アルフロやろーよぉ」
「断る」
アルフロ。正式名称をアルティマフロンティア。
1年ほど前に発売されたVRMMOで、現実では味わえない非現実を味わうというのをコンセプトとしたゲーム。
まるで異世界転移した気分だとプレイヤーは語っており、レビューを見ても高評価。
そんなアルフロ、人気だし、買って損はないという話ではあるが、私がやらない理由がある。
それは普通に高いからだ。
ソフト単体で2万9000円。
私はプレイするための機械もないので、その機械を加味すると総額10万を超える。
普通の女子高生である私には手が出せない金額だ。
私の周りではやってる人が多いらしいがそんなのは知らん。どこからそんな大金が出てるのか知りたい。
「私が買ってあげるからさぁ!」
「いらん。買ってもらったらなんか悪いし」
「えぇ!?」
天子は元天才子役である。
まあまあ稼ぎがあったというか、ものすごくCMとかドラマに出ていたから大人になっても数年は遊べる余裕があるほど稼いだとか言っていた。
そして、今現在は立派な動画配信者となっている。子役時代からの人気もあり、割とチャンネル登録者数もいるらしい。
「んじゃ、そーゆーこと。さ、帰んぞ」
「ぶー」
「ぶーたれてもダメだっての。何かの間違いで私の元にヘッドギアとソフトが舞い降りて来ない限りやらねーよー」
私はそのままゲームセンターに向かった。
今日はクレーンゲームで欲しいものがあるからだ。私のやっているソシャゲ、ウマ女の子というゲームのフィギュア。しかも私の推しが今日登場するらしい。
天子と一緒にゲームセンターに入り、お目当てのクレーンゲームをプレイ。300円ほどでお目当てをゲット。
「っしゃ! 幸先いいな。まだ予算はあるし次は何すっかなぁー」
「これは? くじ引き! 当たったらヘッドギアもらえるよ?」
「ばーか。こういうのは当たりなんてないんだよ」
「そんな不正しないって!」
「するんだよなぁー。証明してやろう」
私はお金を入れ、アームを動かしてくじを持ち上げる。
こういうくじキャッチャーは当たりなんてない。そもそも大量にあるくじを全部引くとかしない限り確かめられないので、当たりなんて基本的に入れる必要はないからだ。
適当にくじを選び、穴に落ちたくじを拾い捲ると。
「ん、特賞?」
「すいませーん!」
天子が店員を呼ぶ。
店員にくじを見せると。
「おめでとうございます! VR用ヘッドギアセット大当たり〜!」
「は?」
「景品はあちらにあるので取りに来てください」
というので取りに向かう。
私は景品を受け取る。
「は?」
「当たったねぇ! あとはソフトだけだね!」
「いやいや、ソフトも3万近くするんだぜ! そんな余裕私にはねーよ!」
と言っていた時だった。
「ゲーセンで福引券使って回してみたら? 貰ったじゃん」
「あのなぁ。たしかに景品にあるけどそう簡単に当たるわけ……」
行く。回す。金色の玉が出る。
「大当たり〜! 特賞のアルティマフロンティアのゲームソフトをプレゼント〜!」
「は?」
「よし、やろうね!」
「……確率操作?」
「天がアルフロをやれって言ってるんだよ……。これはもう運命……」
何その運命。めっちゃ怖いんですけど。




