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ツッコミ異世界転生  作者: ふりがな一文字


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3/3

爆誕!?半分だけ勇者!



「半分ってなに!!?」




食堂に俺のツッコミが響く。


シャンデリアがちょっと揺れた気がした。




王女は「あっ……」みたいな顔。


ガルドは額の汗が止まってない。




「えっと、その……」




「説明しろォ!!」




するとガルドが観念したように口を開いた。




「本来、勇者召喚には“世界との完全契約”が必要でして……」




「うん」




「ですが召喚が少々強引だったため……」




「少々で済むか?」




「結果、“契約率五〇%”という極めて異例の状態に……」




「ソシャゲのダウンロード失敗みたいに言うな!!」




王女が申し訳なさそうに手を合わせる。




「本当にごめんなさい……」




「いや謝罪が軽い軽い!


“ごめんなさい”で済む規模じゃないからな!? 人生だからな!?」




「ですが安心してください!」




ガルドが急に胸を張った。




「半分だけ勇者でも、通常の人間を遥かに超える力があります!」




「おっ、マジ?」




ちょっとテンション上がった。


来るか?


ついに来るか俺の異世界無双。




炎魔法ドーン。


剣技バシーン。


ステータス9999。




「具体的には?」




「ツッコミに補正がかかります」




「いらねえよ!!!」




バンッ!!




勢いでテーブル叩いたら、皿が跳ねた。


スープが揺れる。




「なんでそこ特化なんだよ!」




「勇者様の魂が最も強く反応した能力が、“鋭い指摘”だったようで……」




「分析結果みたいに言うな!」




ガルドは真顔で続ける。




「実際、勇者様がツッコむたび、周囲の認識補正が正常化しています」




「……はい?」




「例えば本来なら、“突然召喚されても誰も疑問を持たない”のがこの世界の流れでした」




「怖っ」




「ですが勇者様のツッコミによって、皆が“あれ?これ雑では?”と気づけるように――」




「メタ能力だった!?」




王女がこくこく頷く。




「勇者様が来てから、みんな急に冷静になりまして……」




「今までどう生きてたの!?」




そのとき。




ドゴォォォン!!




城全体が揺れた。




「うおっ!?」




窓の外で爆発。


兵士たちの悲鳴。




「ま、魔物です!」




騎士が食堂へ飛び込んできた。




「西門付近にスライムの群れが!」




「スライムで爆発するなよ治安どうなってんだ!!」




「勇者様、お願いします!」




王女がぎゅっと俺の手を掴む。




「いやいやいや!


俺まだ“ツッコミ補正”しか聞いてないんだけど!?」




「大丈夫です!」




ガルドが親指を立てる。




「勇者様のツッコミは、魔物にも有効かと!」




「根拠ふわふわすぎる!!」




数分後。




なぜか俺は城壁の上に立っていた。




「展開早いって!!」




下には、ぷるぷる震える青いスライムの大群。




兵士たちは震えている。




「あれが魔物……!」




「いや弱そう!!」




その瞬間。




スライムが突然合体し始めた。




ぐにゃぐにゃぐにゃ……。




巨大化。




「うわっキモ!?」




兵士が叫ぶ。




「危険です! “キングスライム”です!」




「急にボス化すんな!!」




キングスライムが跳ねる。




城壁へ一直線。




「勇者様ァァァ!!」




「うわあああ来たァァァ!!」




反射的に叫ぶ。




「てかスライムの移動速度じゃないだろそれ!!!」




――その瞬間。




ピタッ。




キングスライムが空中で止まった。




「……え?」




次の瞬間。




ボフンッ。




巨大スライムが、普通サイズに戻った。




兵士たちがざわめく。




「ば、馬鹿な……!」




「勇者様のツッコミで……設定の無理が修正された……!?」




「そんな能力ある!?」




ガルドが感動した顔で震えている。




「素晴らしい……これぞ“正常化の勇者”……!」




「二つ名ダサくない!?」




だがそのとき。




小さくなったスライムが、ぷるぷる震えながら俺を見上げた。




『……ムリ、シナイ』




「喋った!!?」




『ボスクラス、ムリヤリ、ヤラサレタ……』




「魔王軍ブラック企業か!!」




スライム、ぽろっと涙みたいなのを落とす。




兵士たちもしんみりしてる。




いやなんだこの空気。




すると王女が、そっと呟いた。




「もしかすると勇者様は……この世界の“無理”そのものを正すために……」




壮大なBGMでも流れそうな雰囲気。




夕日。


風。


感動っぽい空気。




「いや召喚方法から正せよ!!」




全部ぶち壊しになった。

半分だけ勇者になって、スライム騒動をなんとか(ツッコミで)解決した俺!


だが休む間もなく、王女が次なる問題を持ってくる!



「勇者様、次は“勇者装備”をお選びください!」




通された先にあったのは――




剣!


槍!


鎧!


そして、どう見ても場違いなピンク色のエプロン!!




「なんで混ざってんの!?」




さらに現れる、クセ強すぎる商人ギルドの看板娘。




「こちら呪われた剣でーす♪ 返品不可でーす♪」




「説明軽っっ!!」




果たして俺は、まともな装備を手に入れられるのか!?




そして“半分だけ勇者”の新たな力とは――!?




次回!


危険!? アイテム屋でツッコミ地獄!


「値札の“応相談”が一番怖いんだよ!!」

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