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ツッコミ異世界転生  作者: ふりがな一文字


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2/2

祝?おっとり王女現れる!

「――王女殿下のご入室です」


重そうな扉がギィィ……と開く。


いや演出重っっ!!




金髪、ゆるふわ。ドレスひらひら。いかにも“守られる系ヒロイン”って感じの少女だった。


「はじめまして、勇者様」


にこっ。


「この度は、私たちの世界にお越しいただき――」


「いや呼んでないよね!?」


即ツッコミ。


王女、ぴたりと止まる。


後ろのガルドが「またか…」みたいな顔してる。


「えっと……その……」


「“お越しいただき”じゃなくて“勝手に連れてきてしまい”だろ!?言い方ァ!!」


「は、はい……その通りでございます……」


「素直だな!?」


「では改めまして……勝手に連れてきてしまい、誠に申し訳ありません」


ぺこり。


「謝るんかい!!」


いやいいけど!いいけども!!


テンプレ的にはここ、もっと“世界のためにお願いします!”みたいに押してくるとこだろ!?


「ですが……どうか、お力をお貸しいただけませんか?」


うるうるした目で見上げてくる王女。


「うっ……」


来た。これだよこれ。


異世界テンプレ最大の武器、“ヒロインのお願い”。


普通の主人公ならここで「……わかりました」ってなるやつ。


「……いやでも導入が雑なんだよなぁ」


台無し。


「そ、そんな……」


王女、しょんぼり。


周りざわつく。


ガルドが小声で「勇者様、空気を…」って言ってくる。


「空気ってなに!?こっちは人生かかってんの!」


そのときだった。


ぐぅぅぅぅ……


腹が鳴った。


最悪のタイミングで。


「……」


「……」


「……」


「……お腹、空いてらっしゃいます?」


王女がそっと聞いてくる。


「いやまあ普通に朝だったし……」


「ではまず、お食事にいたしましょう」


「話早っ!!」


さっきの“段階踏め”をここで回収するな!!


豪華すぎる食堂。


長テーブルにずらっと並ぶ料理。


肉。パン。スープ。なんかよくわからんキラキラしたやつ。


「いやもう絶対これフラグだろ」


「フラグ、とは?」


王女が首をかしげる。


「このあと“実は毒が…”とか“食べたら契約成立”とかそういうやつ」


「そんなこといたしませんよ?」


「ほんとか?」


「はい。安心してお召し上がりください」


……。


……まあ、いいか。


腹減ってるし。


ぱくっ。


「うまっ!?」


なにこれ。めっちゃうまい。


現実の飯よりうまいんじゃないか?


「お気に召していただけたようで、よかったです」


王女がほっとしたように笑う。


「……」


ちょっとだけ、思う。


この世界、雑だけど――


悪くないかもしれない。


「で、食ったら契約成立とかじゃないよな?」


「え?」


「え?」


一瞬、空気が止まる。


「……え?」


「え?」


ガルドが青ざめる。


王女が固まる。


「いや待て待て待て待て」


「ご安心ください勇者様!契約は“半分だけ”です!」


「半分ってなに!!?」


こうして俺は――


知らないうちに“半分だけ勇者”になっていたらしい。


いやだから説明雑なんだよこの世界!!!!



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