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仮想現実の世界で自由な旅を 【完結】  作者: からくり
chapter1

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ep.57

「リンナ、このデカイ種をあのスライムの中に打ち込めるか?」

「できないことはないと思うけど……どうなるの?」

「さぁ?」


それは俺にもわからん。

とりあえず種を地面に置く。

ゆっくりと手を離したが、倒れる気配は無い。


「さぁ? って……何も起こらなかったらどうするのよ!」

「確実に何かは起こる。それが何かはわからんってだけだ」

「……分かったわ。とりあえずコレをあのデカイスライムの中にぶち込めばいいのね」


そういってリンナはハンマーを水平に構える。


「ぶっっっっっとべ!! 『豪打砲』!!!」


ごうだほう。

恐らくそれがスキルなんだろう。

水平に構えたハンマーをそのまま振り抜き、種は少し斜め上を向いてスライムへと一直線に飛んで行った。

スライムの中に種が入り込むと勢いは完全に死んだが、


「それでいい。『種よ、生長しろ』」


動作の指定は特になかったが……とりあえず種に向かって指を指しておく。

変化は……無さそうだな?

スライムも特に動かなさそうだし……


「ちょっと、ホントにこれでいいのよね?」

「いいはずだ……多分」

「多分って!?」


リンナに詰め寄られたその時、ポンッと音が聞こえた。


「ふ、2人とも! スライムの天辺に花が!」

「花ぁ? そんなの咲いて……咲いてる!?」

「あれは……ラフレシアか?」


図鑑で見た覚えがある。

確か……とんでもなく臭いんじゃなかったか?

だが臭いはしないな。

というか花が咲くだけで何も……


「少し萎んでないか?」

「花が? さっきより元気になってるわよ?」

「いや、スライムが」


さっきまで木と同じくらいのサイズだったのが、どんどん萎んでいっている。

スライムが萎んでいくのに対して花は更に元気になっていく。

それと同時に根っこらしいものが増えてきたな。

根っこ?


「なるほど、あの花がスライムを吸収しているのか」

「だ、大丈夫なの……急に襲ってきたりしないわよね……?」

「大丈夫だ」


多分おそらくきっと。

なんて思っているうちにどんどんスライムは萎んでいき……


「これがコアか」

「根っこで雁字搦めになってるけどね……」


最後には成人男性の頭ぐらいのサイズの石だけとなった。

まぁ、その石に根っこが全体を覆うように張っているんだが……

肝心の花はそれはそれは見事な薔薇みたいになっていた。

最初のラフレシア要素はどこいったんだよ。


「ね、ねぇ……あの花襲ってこないわよね……?」

「動く様子もないしなぁ。多分大丈夫だろう」


何かあっても頼りになる2人がいるし、そこは安心してもいいはず。


「とりあえずその石を叩いてみてくれよ」

「……分かったわ」


リンナがスライムのコアに近づくと、ハンマーを思いっきり振りかぶり、


「ぶっ潰れなさい!! 『粉骨砕身打』!!!」


辺り一面に粉が舞い上がる。

とんでもねぇな……


「ふぃー……スッキリ!」

「お疲れさん」

今回もお読みいただきましてありがとうございます。

Q.ハンマー系統のスキルってこんなのしかないんですか?

A.こんなのしかないです。あとは高速グルグル回転をしてその勢いで人をぶっ飛ばしたりすることもできます。


リベットとの戦いでスキルを使わなかったのは潰しそうな可能性があったからですね。

人と同じサイズのハンマーを振り下ろされたら潰れるような気が……まぁいいか。

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